東名高速道路
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また、東海道の特色として大河川の横断が多岐に渡り、東名においても多摩川相模川酒匂川富士川安倍川大井川天竜川浜名湖等の幾多の大規模河川を横断することが路線の特徴である[16]

「東名高速道路」の名称は、東京と名古屋を結ぶ高速道路という意味でそう呼ばれる[17]。また「高速道路」という呼称を使用しているのは、現在、新東名・東名と新名神・名神のみであるが、これは東名・名神の計画・建設の進められる過程で広く民間において「高速道路」という通称が使用され、一般的に定着して馴染みがある名称となったという歴史的な背景を考慮して採用されたものである[18]。これらは東京IC - 小牧IC間の道路名(通称名)で、法令による路線名はこれとは異なる(後述)

東京ICから小牧ICまでの直線距離は248.4キロメートル (km) [注釈 1]であるが、東名の延長距離は346.7 kmと、約100 kmも迂回している(東海道新幹線の東京駅 - 名古屋駅とほぼ同じ距離)。

全区間をNEXCO中日本が管理・運営している。道路カラーはスカイブルー(■)[19]
新東名高速道路との関係詳細は「新東名高速道路」を参照

東名に並行している新東名高速道路(以下、新東名)は、東名のバイパス路線として建設された道路である。東名は交通量が多く、そのため渋滞や事故が常態化していて、さらに設計が古いため急曲線・急勾配等が多く、近年は老朽化が深刻であり大規模な更新工事を多数実施する状況となっている。さらに、東名は首都圏と中部地方や関西地方等を結ぶ大動脈の一つであるため、災害時においては東西間の物流に障害が生じる。そのため、高速道路ネットワークを本道路と相互に補完し合う新たな路線として新東名が建設された。

新東名は東名と比較して高規格で設計され、急曲線・急勾配等が少ない上、最高速度120 km/hで運用されている区間も存在する。御殿場JCT - 豊田JCTで新東名・伊勢湾岸道を利用した場合は、東名経由に比べ距離が数十キロメートル短縮され、さらに新東名経由の方が所要時間短縮となる事が多いという結果になっている。

2012年(平成24年)4月14日に御殿場JCT - 浜松いなさJCT間と清水連絡路・引佐連絡路が、2016年(平成28年)2月13日には浜松いなさJCT - 豊田東JCT間が開通し、静岡県内から愛知県内までの区間で東名・新東名のダブルネットワークが形成された。また、神奈川県中部から静岡県に至る区間については、2022年(令和4年)4月16日までに海老名南JCT - 伊勢原JCT - 新秦野IC間、および新御殿場IC - 御殿場JCT間が開通しており[20][21]、残る新秦野IC - 新御殿場IC間は2027年(令和9年)度の開通予定である[22]。なお、海老名南JCT以東の横浜・東京方面に向けた区間については、基本計画路線および予定路線に留まっており、ルートや整備計画は決定していない。
路線データ

東京都世田谷区用賀(東京IC)

愛知県小牧市大字村中松原(小牧IC)

全長 : 346.7 
km

道路構造令

第1種第1級(横浜町田IC - 秦野中井IC・岡崎IC - 小牧IC)

第1種第2級(東京IC - 横浜町田IC・御殿場IC - 岡崎IC)

第1種第3級(秦野中井IC - 御殿場IC)


設計速度

120 km/h(横浜町田IC - 秦野中井IC・岡崎IC - 小牧IC)

100 km/h(東京IC - 横浜町田IC・御殿場IC - 岡崎IC)

80 km/h(秦野中井IC - 御殿場IC)


車線幅員 : 3.6 m

道路幅員 : 24.9 m - 32.1 m

車線数 : 4車線 - 6車線(一部7車線区間あり)

根拠法令

東名高速道路の建設に関しては高速自動車国道法および国土開発幹線自動車道建設法の二法が制定されている[23]

法令(国土開発幹線自動車道建設法の別表、高速自動車国道の路線を指定する政令の別表)による路線名は、東京IC - 小牧IC間は第一東海自動車道で、かつ小牧JCT - 小牧IC間は中央自動車道西宮線と第一東海自動車道の重複区間である[24]

1966年(昭和41年)7月までの根拠法令は、上記法令と異なる。以下、当時の法令を列挙する。

東海道幹線自動車国道建設法。1960年(昭和35年)7月25日公布施行。東海道幹線自動車国道建設法は、国土開発幹線自動車道建設法の予定路線網に取り込まれる形で、1966年(昭和41年)7月1日で廃止された[25]。路線名は「○○自動車道」ではなく「幹線自動車国道」という他に例を見ない名称が使用され、終点位置はその後の国土開発幹線自動車道建設法の「小牧市」とは異なって「名古屋市附近」となっているが、その経緯については東京・神戸間の高速道路計画で詳述。

路線名起点主たる経過地終点
東海道幹線自動車国道東京都横浜市附近 静岡市附近 浜松市附近 豊橋市附近名古屋市附近

東海道幹線自動車国道建設法施行令(その後の「高速自動車国道の路線を指定する政令」に該当[26])では次のように指定されている。この法律は東海道幹線自動車国道建設法第3条第1項、第5条の規定に基づいて政令として制定された。1962年(昭和37年)5月30日公布施行。本法律は1966年(昭和41年)7月1日で廃止された[27]。経過地は合併前の吉原市清水市が含まれ、起点は世田谷区ではなく渋谷区となっている。

路線名起点重要な経過地終点
高速自動車国道東海道幹線自動車国道東京都渋谷区川崎市 横浜市 大和市 厚木市 秦野市 御殿場市 沼津市 吉原市 富士市 清水市 静岡市 焼津市 掛川市 袋井市 磐田市 浜松市 新城市 豊橋市 豊川市 岡崎市 豊田市 名古屋市 春日井市小牧市

なお、東名の建設に関わる法令は、1966年(昭和41年)7月に廃止された東海道幹線自動車国道建設法に基づいていたため、国土開発幹線自動車道建設法(旧国土開発縦貫自動車道建設法)第5条による建設線の基本計画は告示されていない。計画の最初から国土開発縦貫自動車道建設法に基づいている名神高速道路、中央自動車道との違いである[28]
インターチェンジなど

IC番号欄の背景色が     である部分については道路が供用済みの区間を示す。施設名欄の背景色が     である部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。

スマートインターチェンジ(SIC)は背景色     で示す。

路線名の特記がないものは市町道

バスストップ(BS)のうち、○/●は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。

浜松IC、名古屋ICは▲としている。これは当該BSはIC近隣に設置された施設でIC設備からも離れており、本高速道路に属すBSではないためであるが、実際の運用上の扱いは一緒である。


TB は本線料金所の略称を示す。

SA はサービスエリア、PA はパーキングエリアの略称をそれぞれ示す。

IC
番号施設名接続路線名東京
から
kmBS備考所在地
首都高速3号渋谷線
1東京IC都道311号環状八号線0.0東京都
世田谷区
-東名JCT東京外かく環状道路
(C3 東京外環自動車道)1.8-事業中[29][注釈 2]
-東京TB/向ヶ丘BS-6.6○神奈川県川崎市
宮前区
3東名川崎IC尻手黒川道路


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