東北楽天ゴールデンイーグルス
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「東北楽天リトルシニア」には、教員免許を保有する古川翔輝(群馬ダイヤモンドペガサスの元・捕手)が、NPB球団でのプレーや指導の経験がないにもかかわらず創設の当初から在籍している[208]。古川は体育の教員を志しながら群馬大学準硬式野球部で活動していたが、同期生の神田直輝が巨人への入団テストを経て育成選手として契約したことがきっかけで、神田に続くべく卒業後に群馬へ入団。入団2年目にボールが目に当たった影響で現役生活を断念してからも、球団主催のセレモニーを取り仕切っていた。相田は、あるセレモニーに緊張しながら参加していた幼稚園児に対する古川の接し方に感銘を受けたあげく、古川を「放課後クラブ」(前述したスクールに当時設けられていた小学校低学年向けのスポーツクラス)のコーチに登用。相田の勧めで「ベースボールスクール」と「東北楽天リトルシニア」のコーチを兼ねるようになってからも、選手に対する指導への評判は高く、2021年からは「東北楽天リトルシニア」の監督を任されている[209]。その一方で、初代監督の中濱は、退任後の2021年に仙台市内で「ドリームベースボール」(個別指導型の野球スクール)を独自に立ち上げた。

もっとも、「楽天ジュニア」の出身者が「東北楽天シニア」にも所属するとは限らず、出身者の一部は中学校への進学を機に(ボーイズリーグなどを含む)「東北楽天シニア」以外のチームでプレー。その一つである「青森山田シニア」(青森山田中学校の硬式野球チーム)は、リトルシニア日本選手権の全国大会で、2021年の初優勝から2連覇を果たしている[206]

北地方で「男子硬式野球界の強豪」とされている私立高校(楽天生命パーク宮城に近い仙台育英学園高等学校や福島県の聖光学院高等学校など)の野球部には、2010年代の後半から「東北楽天リトルシニア」や「楽天ジュニア」の出身者が続々と在籍。仙台育英高校が2022年の第104回全国高等学校野球選手権大会(第104回選手権本大会)で東北地方の高校としては初めて(春の選抜高等学校野球大会を含めて)甲子園大会での優勝を須江航監督の下で成し遂げた際には、「ベースボールスクール」「東北楽天シニア」「楽天ジュニア」のいずれかに所属した経験を持つ部員から6名が本大会のベンチ入りメンバーに入っていて、全員が下関国際高等学校[注釈 26](山口代表)との決勝(8月22日)に出場。そのうち5名(3年生3名・2年生2名)がスタメンに名を連ねたほか、残りの1名(2年生投手)が試合を締めくくっていた[206][210]。須江も、この試合でチームの初優勝が決まった直後に受けた取材で、楽天野球団に向けて感謝の意を表明。ゴールデンイーグルスが2013年に日本シリーズを制覇したことについては「スポーツの醍醐味を感じさせる優勝で、(東北で)喜んでいない人はいなかった」、楽天野球団が「ベースボールスクール」や野球教室を開講していることについては「(野球界の)裾野を広げてくれたばかりか、子供たちの夢や希望にもなっている」と語っている[211]。さらに、第104回選手権の本大会には、「東北楽天リトルシニア」出身の山浅龍之介捕手も聖光学院高校から出場。山浅は、大会後のNPBドラフト会議4巡目での指名を経て中日へ入団したことによって、「東北楽天リトルシニア」の出身者としては初めてのプロ野球選手になった。

仙台育英高校による第104回選手権本大会の優勝から1年後(2023年8月)には、『104度目の正直 甲子園優勝旗はいかにして白河の関を越えたか』というスポーツ・ノンフィクションISBN 978-4-04-113376-7)が角川書店から刊行された。著者の田澤健一郎(高校野球の経験者で山形県出身のフリーライター)は、相田を初めとする当事者・関係者への取材を基に、楽天野球団の下部組織が東北地方の学童・学生野球界にもたらした影響とその背景を第五章(「楽天イーグルスの誕生」)で詳しく紹介している。ただし、相田は2017年に楽天野球団からヴィッセル神戸へ出向したことを機に、Jリーグクラブの運営へ再び従事。ヴィッセルで強化部長などを務めた後に、モンテディオ山形の代表取締役社長に就いている。
クラーク記念国際高校女子硬式野球部の運営に関する業務提携

クラーク記念国際高等学校と楽天野球団は、同校の仙台キャンパス(スポーツコース)に女子硬式野球部を設立することに関して、2017年6月29日付で業務提携を締結。東北地方の高校では初めての設立[212][213][214][215][216] で、全国大会で優勝することを目標に、2018年4月から活動を本格的に始めている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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