この地震は、2011年3月11日14時46分18.1秒[1]、牡鹿半島の東南東約130 kmの太平洋(三陸沖)の海底(北緯38度06.2分、東経142度51.6分)、深さ約24 km[5]を震源として発生した。太平洋プレートと北アメリカプレートの境界域(日本海溝付近)における海溝型地震で[26]、震源域は岩手県沖から茨城県沖にかけての南北約500 km、東西約200 km、およそ10万平方キロの広範囲にわたった。地震の規模を示すマグニチュードはMw9.0 - 9.1(気象庁は9.0、アメリカ地質調査所は9.1。Mj8.4)[6][4]で、大正関東地震(1923年)のMj7.9, Mw8.2[27]を上回る日本観測史上最大[28][29]であるとともに、世界でもスマトラ島沖地震(2004年)以来の規模で、1900年以降でも4番目に大きな超巨大地震であった[30][31]。
規模が大きい地震(日本周辺・1885年以降)順位名称発生日(JST)規模(Mj)
1東北地方太平洋沖地震2011年3月11日8.4
(Mw9.0)
2オホーツク海深発地震2013年5月24日8.3
3千島列島沖地震2007年1月13日8.2
北海道東方沖地震1994年10月4日
十勝沖地震1952年3月4日
明治三陸地震1896年6月15日
7小笠原諸島西方沖地震2015年5月30日8.1
択捉島沖地震1963年10月13日
択捉島沖地震1958年11月7日
昭和三陸地震1933年3月3日
規模は宇津ほか(2010)・気象庁による
規模が大きい地震(20世紀以降・世界)順位名称発生日(UTC)規模(Mw)
1チリ、バルディビア1960年5月22日9.5
2アラスカ、プリンス・ウィリアム湾1964年3月28日9.2
3スマトラ島・アンダマン諸島2004年12月26日9.1
東北地方太平洋沖地震2011年3月11日
5カムチャツカ半島東方沖1952年11月5日9.0
6チリ、ビオビオ2010年2月27日8.8
エクアドル・コロンビア1906年1月31日
8アリューシャン列島、ラット諸島1965年2月4日8.7
9アリューシャン列島、ユニマク島1946年4月1日8.6
アッサム・チベット1950年8月15日
アリューシャン列島、アンドレアノフ諸島1957年3月9日
スマトラ島北部2005年3月28日
スマトラ島北部西方沖2012年4月11日
規模はアメリカ地質調査所による
地震によって大規模な津波が発生した。最大で海岸から6 km内陸まで浸水[32]、岩手県三陸南部、宮城県、福島県浜通り北部では津波の高さが8 - 9 m[33]に達し、明治三陸地震(1896年)の津波を上回る最大溯上高40.1 m(岩手県大船渡市)を記録する[9]など、震源域に近い東北地方の太平洋岸では、その急峻な地形もあいまって高い津波が甚大な被害をもたらした。津波は関東地方の太平洋岸でも被害をもたらしたほか、環太平洋地域を中心に世界の海岸に達した。また、宮城県北部で最大震度7、岩手県から千葉県にかけて震度6弱以上を観測するなど広範囲で強い揺れとなり、関東地方の埋立地で大規模な液状化現象が発生した。一方東北太平洋岸では、地盤沈下により浸水被害が長期的に続いている。余震も過去例に無いペースで発生したうえ、通常の余震域外でも地震活動が活発化している[34][35]。