東北地方太平洋沖地震
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本震とそれに伴う大津波、その後の余震東北から関東にかけての東日本一帯に甚大な被害をもたらした[21][22]。人的被害は災害関連死を含め死者19,765人・行方不明者2,553人(計22,318人)・負傷者6,242人となっており[23]、日本における第二次世界大戦後最悪の自然災害といわれている[24]。また、国際原子力事象評価尺度で最も深刻なレベル7と評価された福島第一原子力発電所事故も併せて発生した[25]
概要アメリカ合衆国マサチューセッツ州のウェストン天文台で記録された東北地方太平洋沖地震3月11日17時、地震発生を受けて記者会見する菅直人内閣総理大臣

この地震は、2011年3月11日14時46分18.1秒[1]牡鹿半島の東南東約130 kmの太平洋(三陸沖)の海底(北緯38度06.2分、東経142度51.6分)、深さ約24 km[5]を震源として発生した。太平洋プレート北アメリカプレートの境界域(日本海溝付近)における海溝型地震[26]、震源域は岩手県沖から茨城県沖にかけての南北約500 km、東西約200 km、およそ10万平方キロの広範囲にわたった。地震の規模を示すマグニチュードMw9.0 - 9.1(気象庁は9.0、アメリカ地質調査所は9.1。Mj8.4)[6][4]で、大正関東地震(1923年)のMj7.9, Mw8.2[27]を上回る日本観測史上最大[28][29]であるとともに、世界でもスマトラ島沖地震(2004年)以来の規模で、1900年以降でも4番目に大きな超巨大地震であった[30][31]

規模が大きい地震(日本周辺・1885年以降)順位名称発生日(JST)規模(Mj
1東北地方太平洋沖地震2011年3月11日8.4
(Mw9.0)
2オホーツク海深発地震2013年5月24日8.3
3千島列島沖地震2007年1月13日8.2
北海道東方沖地震1994年10月4日
十勝沖地震1952年3月4日
明治三陸地震1896年6月15日
7小笠原諸島西方沖地震2015年5月30日8.1
択捉島沖地震1963年10月13日
択捉島沖地震1958年11月7日
昭和三陸地震1933年3月3日
規模は宇津ほか(2010)・気象庁による

規模が大きい地震(20世紀以降・世界)順位名称発生日(UTC)規模(Mw
1チリ、バルディビア1960年5月22日9.5
2アラスカ、プリンス・ウィリアム湾1964年3月28日9.2
3スマトラ島・アンダマン諸島2004年12月26日9.1
東北地方太平洋沖地震2011年3月11日
5カムチャツカ半島東方沖1952年11月5日9.0
6チリ、ビオビオ2010年2月27日8.8
エクアドル・コロンビア1906年1月31日
8アリューシャン列島、ラット諸島1965年2月4日8.7
9アリューシャン列島、ユニマク島1946年4月1日8.6
アッサム・チベット1950年8月15日
アリューシャン列島、アンドレアノフ諸島1957年3月9日
スマトラ島北部2005年3月28日
スマトラ島北部西方沖2012年4月11日
規模はアメリカ地質調査所による

地震によって大規模な津波が発生した。最大で海岸から6 km内陸まで浸水[32]、岩手県三陸南部、宮城県、福島県浜通り北部では津波の高さが8 - 9 m[33]に達し、明治三陸地震(1896年)の津波を上回る最大溯上高40.1 m(岩手県大船渡市)を記録する[9]など、震源域に近い東北地方の太平洋岸では、その急峻な地形もあいまって高い津波が甚大な被害をもたらした。津波は関東地方の太平洋岸でも被害をもたらしたほか、環太平洋地域を中心に世界の海岸に達した。また、宮城県北部で最大震度7、岩手県から千葉県にかけて震度6弱以上を観測するなど広範囲で強い揺れとなり、関東地方の埋立地で大規模な液状化現象が発生した。一方東北太平洋岸では、地盤沈下により浸水被害が長期的に続いている。余震も過去例に無いペースで発生したうえ、通常の余震域外でも地震活動が活発化している[34][35]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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