1938年(昭和13年)6月に内務省が「東京都制案要綱」発表し、1943年(昭和18年)1月に政府が「東京都制案」を帝国議会に提出し可決されたことを受け、同年7月1日に東京都制が施行され、東京府と東京市を廃止する形で東京都に統合された[5]。35区は1947年(昭和22年)3月15日に東京22区に再編され、同年5月3日の地方自治法施行により同法の定める特別区となった。同年8月1日、旧練馬町ほか4村の区域が板橋区から分離して練馬区となって東京23区となり、現在に至っている。 「東京」が指す範囲はいくつかある。現在であれば、広義には東京都全体を指し、狭義には東京都区部のみを意味する。東京圏や東京地方をいう場合もあり、過去には東京府や東京市が存在した。以下では、「東京」の示す具体的な地名、都市、都市圏等を列挙する。 日本の首都であり、47の都道府県のうちのひとつ。日中戦争・太平洋戦争が開戦すると、戦時統制の一環として、1943年、東京都制が内務省主導で施行された。これにより、東京府と東京市は廃止され、代わって旧東京府内の区域を以て、東京都が設置された。旧東京市内にあった区は、東京都の直轄となり、他の市町村が行使できる権限・権能の一部は、東京市から東京都に移管された。従って、東京都は、他の府県同様、広域行政機関でありつつも、旧東京市内にあっては、市役所としての機能も果たすこととなった。 東京都制は、戦後の地方自治法施行によって廃止されたが、旧東京市内の区は特別区(東京都区部)として定義され、引き続き、他の市町村に比べ、行使できる権限が制限されることになった。よって、東京都制は若干の変更を加えられつつも、広域自治体と基礎自治体の機能を一部併せ持つという基本的な構造は変わっていない。 東京都は、府県制時代の東京府の性格を有する。東京府の行政区域を受け継いだため、多摩地域や伊豆諸島・小笠原諸島までの広大な海域・島嶼(とうしょ)も含まれる。府県制から都制へ移行した1943年(昭和18年)まで、東京府には東京市・八王子市・立川市の3市があったが、都制施行と共に東京市が23区へ解体されたため、東京都の市は八王子市と立川市の2市に減った。その後、新憲法施行に伴い地方自治法が施行され、東京都三多摩地区には2市以外にも多くの市が誕生した。 東京都は、東京市と東京府が合併して成立したことにより、公的に旧東京市地域を管轄する地方自治体として位置づけられており、旧東京市域には、東京都長官(のち東京都知事)が直接施政するための組織として特別区が設置された。 東京都区部は、東京都域のおおむね東半を占める23の特別区から構成される地域で、1943年7月1日に廃止された旧東京市域とほぼ同じ範囲である。区の数は廃止時は35区であったが、1947年3月15日に22区に再編され、同年8月1日に1区を分増して23区となった。 統計などで東京都区部を「東京」という一つの都市として扱う場合もあるが、東京市が廃止されて以降、東京都区部を一体として管轄する地方自治体は存在しない(行政・立法・司法の三権のうち司法以外の二権があるなど、個々の区が市と同等の扱いをされている。しかも政令指定都市ではなく、海外ランキングにおいても「東京都」として区別される)。 また、東京都区部(総称:東京)は東京都の都庁所在地として認識される。都庁所在地は「すべての市町村を記載する」という規則があるため、千代田区時代と同様に東京の都庁所在地として「新宿区」と記載することができない[23]。なお、条例上の都庁の住居表示は「東京都新宿区西新宿二丁目」となっている(東京都庁の位置を定める条例 東京圏は、東京都区部を中心とする都市圏である。前身[24]は京浜葉大都市圏として東京都、神奈川県、千葉県を主な東京の都市圏として定められていた。その後、都市圏の拡大により埼玉県及び茨城県を含めた区域を東京圏と呼ぶようになる。法令上は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県及び茨城県の都県域のうち、東京都区部及びこれと社会的経済的に一体である「多極分散型国土形成促進法施行令」第6条で定める広域をいう[25]。ここでは様々な法令が引用されているため難解であるが、まとめると次の区域となる。
「東京」の範囲
東京都詳細は「東京都」を参照
東京府の後裔としての東京都
東京市の後裔としての東京都
東京都区部詳細は「東京都区部」を参照
東京圏詳細は「首都圏 (日本)」を参照「東京を中心とする地域の定義一覧」も参照
首都圏整備法第2条第3項に規定する「既成市街地」は全域
同条第4項に規定する「近郊整備地帯」も全域
同条第5項に規定する「都市開発区域」
茨城県土浦市、つくば市、かすみがうら市、稲敷郡阿見町の「都市開発区域」
埼玉県熊谷市(旧妻沼町、旧大里町、旧江南町の区域を除く)、埼玉県深谷市(旧岡部町、旧川本町、旧花園町の区域を除く)の「都市開発区域」