開館前、収蔵品としてロイ・リキテンスタインの代表的作品である油彩画『ヘア・リボンの少女』を高額(618万ドル、約6億円[3][8])で美術品購入基金より拠出し購入。このことに対し「漫画みたい」という声が新聞の見出しになり、「漫画のような絵を税金で買うとはどういうことか」と自治体による現代美術作品の購入をめぐって同作品がひとしきり都議会や世間の話題になった[9]。作品収集の経緯や選考理由を専門的に説明して購入自体への批判は沈静化したが、矛先は行政サイド向けて購入に関する情報公開や作品収集の方法論へと論議は広がった。この問題では、美術的な価値や芸術の専門的論議とともに、美術市場の相場より高い値段で作品を購入した税金使途の不透明さが論点となった。 総工費は415億円、そのうち軟弱地盤対策で105億円がかかった[3]。開館当初は意欲的な企画展を数多く実施したものの、次第に集客力の弱さと赤字経営が批判されるようになった。 平成7年度には21億8900万円あった予算が平成11年度には14億2000万円、12年度には10億7000万円に減少した[3]。予算も7年間凍結され収蔵品の購入がまったく行えなかった[10]。 開館当初は財団法人東京都教育委員会が運営、その後東京都生涯学習文化財団
財政問題
2002年5月8日、日本テレビ放送網の氏家齊一郎会長が館長に就任した[4]。この縁からスタジオジブリ関係の展覧会などが東京都現代美術館で開催されるようになり、集客や知名度が増加する便益があったが、これが今後の来客につながるのかどうか、現代美術コレクションや活動と何がどうつながるのかという批判や、自身の関係する日本テレビへの利益誘導であるとの批判もあった。その他、多くの学芸員が財団再編に伴い館を離れ、美術作品の新規購入費は一時0円になるなど、収集活動も長期停滞したが、2006年頃から美術品購入費が若干復活し、若手作家の比較的安価な作品を中心とした購入が再開されるなどの兆しもある。 2006年4月20日、カルティエ現代美術財団コレクション展の開幕セレモニーに来賓として招かれた石原慎太郎都知事が現代美術について「無そのもの」「笑止千万」と発言したことに対して、フランスのフィガロ、リベラシオンは2004年に石原知事がフランス語について「国際語として失格」と発言したことも紹介し、ポピュリスト、国家主義者として批判する報道を行った[11]。 『月刊ギャラリー』2013年4月号のコラム「評論の眼」において美術ジャーナリストの名古屋覚
石原知事の発言への批判
閉館に関するデマ
脚注[脚注の使い方]^ 東京都現代美術館条例
^ ⇒都立文化施設の指定管理者について
^ a b c d e f g h i “ ⇒Culture Powerインタヴュー 古澤公英・塩田純一×岡部あおみ”. 武蔵野美術大学 (2000年11月7日). 2011年5月13日閲覧。
^ a b c “氏家日テレ会長が新館長に 東京都現代美術館