1990年代以降は1989年(平成元年)に制定されたシンボルマークや白地に緑色のシンボルマークを配したシンボル旗の方が多く用いられているため、一般に都章を見る機会は減少している。しかし、東京都立大学や都立高等学校の入学式・卒業式などの式典では、シンボル旗ではなく都旗が掲揚されている。
東京都の説明では、都章の公共施設・機関における使用基準は「歴史的保存物で芸術性が高いもの、保存すべきもの」「歴史、伝統を表現する必要があるもの」「在庫、耐用年数、使用状況を勘案して、尚いっそう一定期間使用する必要があるもの」のいずれかに該当するものとされている[4]。現在では主に東京都区部(23区)で設置されているマンホールの蓋や、設置時期の古いカントリーサインで都章を確認できる。
なお東京都交通局では都章を若干変形させた「局紋」を、前身である東京市電気局の創設時から使用しており、1990年代半ばにシンボルマークが制定されるまでは、広く一般的に使用・掲示されていた。シンボルマーク制定後は使用機会が激減したが、その後も都営地下鉄や都営バス、都電荒川線、日暮里・舎人ライナーで発行されている乗車券の地紋や、都電荒川線9000形電車の車体側面装飾などで見ることができる。 東京都に継承された東京市紋章とは別に、東京府章も1931年(昭和6年)に制定されていた[5]。制定以前は「東」の1文字を円で取り囲んだ意匠が使用されていたが「新時代の新味を加へたい」としてデザインの公募を実施し、その入選作品を補正したものである[6]。 1943年(昭和18年)7月の東京都制施行時に東京市紋章への一本化が図られたことにより、廃止された。この時期までに府道として整備された都道では、21世紀に入っても府章が中央に配置されたマンホールの蓋がごく稀に見られる場合がある[7]。
マンホールの蓋(世田谷区北沢)
カントリーサインでの使用例
日本橋親柱の獅子像と市章(中央区)
東京都交通局の局紋
都電荒川線9000形(車体側面に局章)
東京府章
東京府章(1931 - 1943年)
府章が残るマンホールの蓋(新宿区、1991年撮影)
脚注[脚注の使い方]^ 東京都紋章制定ニ関スル件
^ 東京都紋章
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