JR(旧国鉄)では、旅客営業規則を定めており、その中に「特定都区市内」制度がある。これは、特定の都市での運賃計算の特例の事であるが、札幌市・名古屋市・京都市・大阪市・福岡市など10都市に加え、東京都区部を1つの都市として数えて定めている。対象駅の駅名標には大阪市なら「阪」、京都市なら「京」と表記され、東京都区部は「区」と表記される。
歴史「東京市」および「東京15区」も参照
江戸時代、江戸の市域は、「朱引」と呼ばれ、その範囲は「朱引線」によって明示されていた。
明治2年2月19日(1869年)、江戸に代わった東京府は、新たな朱引を定めた。これは皇居を中心とし、朱引の内側を「市街地」、外側を「郷村地」と定めるものであった[8]。同年3月16日には、朱引内に50区の区画が制定され(五十番組制、五十区制)、さらに明治4年6月(1871年)にはその範囲が縮小されて44区に再編成された(朱引内四十四区制)[8]。
1878年(明治11年)、郡区町村編制法が制定され、宮城(皇居)周辺の都心部に、麹町区、神田区、日本橋区など15区が定められた。1889年(明治22年)には、この15区に市制が施行され、東京市となる。明治時代には、およそ明治通りの内側が東京市とされ、外側は南豊島郡渋谷村などの町村であった[注 3]。このときの東京市は、現在の千代田区、中央区、港区、文京区、台東区の全域、および新宿区・墨田区・江東区の各一部を範囲としていた。
1920年(大正9年)、豊多摩郡の1町を編入。1932年(昭和7年)、近隣5郡(荏原郡・豊多摩郡・北豊島郡・南足立郡・南葛飾郡)の60町22村を編入し、面積・人口が一気に拡大した。このとき、既存の15区に加えて、新たに20区が定められ、35区となった。1936年(昭和11年)、北多摩郡の2村を編入し、現在の東京都区部の区域となった。1943年(昭和18年)には東京都制が施行されて東京府および東京市は廃止され、35区は東京都の行政区となった。
1947年(昭和22年)の地方自治法施行直前の3月15日に35区は再編され、22区になり、5月3日の地方自治法施行により特別区に移行した。さらに同年8月1日に練馬区が板橋区より分離し現在の23区となった。制度創設から長らく、特別区は東京都の内部的団体と位置づけられ、日本国憲法93条2項の「地方公共団体」にあたらないと解されてきた[9]。しかし、2000年(平成12年)の地方分権改革により、特別区は「基礎的な地方公共団体」と規定され、名実ともに独立した地方公共団体となった。 123456789101112
地理
気候
57 101 58 112 96 145 134 1910 155 2415 156 2619 225 3022 235 3124 168 2820 140 2215 116 179 60 124
気温(°C)
総降水量(mm)
出典:気象庁 千代田区 平年値(年・月ごとの値)
インペリアル換算
123456789101112
2.2 5034 2.3 5236 3.8 5841 5.3 6750 6.1 7458 6.1 7965 8.9 8672 9.2 8874 6.6 8269 5.5 7259 4.6 6248 2.4 5439
気温(°F)
総降水量(in)
日本国内における気候区分では太平洋側気候に属する。夏季は高温・多雨となり、冬季は晴れて乾燥する日が多い。海洋性気候と内陸性気候の2つに分けられる。
春は、天気は周期変化で、晴れる日が多いが、発達した低気圧が通過して天気が崩れることもある。寒冷渦の影響で雷雨になる時もある。
梅雨の降水量は東海以西と比べると少ない。
夏は、太平洋高気圧に覆われて、晴れて湿度が高く暑い日が多く、雷雨も発生しやすい。オホーツク海高気圧から吹きこむ冷涼・湿潤な北東気流の影響を受け、曇りや雨のぐずついた天気になる場合もあり、夏日にも届かない異常低温に見舞われることもあるが、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}近年[いつから?]は減っている。都心部ではヒートアイランド現象が顕著化しており、2013年8月には最低気温30.4℃(当時は大手町)を観測した。世田谷区北部、杉並区、練馬区などの23区西部は他地域と異なり、内陸性気候となる。暑さが厳しく盛夏期には38℃ぐらいまで上がる。多摩地区や埼玉県南部との気候の類似性がある。この地域には練馬区に気温観測所(アメダス)が所在する。同アメダスでは2018年に39.6℃を観測。
秋は、前半は秋雨前線の影響で雨が降りやすくなる。後半は天気は周期変化となり、晴れる日が多い。
冬は、西高東低の冬型の気圧配置の場合、晴れて空気が乾燥する日が多い。冬の後半になると南岸低気圧が通過しやすくなり、上空の寒気が強い場合に雪となる。2014年2月8日と同年2月14日にはそれぞれ1969年以来の大雪となり、千代田区大手町の気象庁でも27cmの積雪を観測した。
気象庁露場のあった大手町の観測によると、ヒートアイランドの影響が大きく、1920年代は年間70日程度観測されていた冬日は減少し、熱帯夜の日数は3倍以上に増加している。
一方、内陸寄りにある練馬区のアメダス観測では冬日は珍しくなく、新宿区や渋谷区などの都心部でも冬日の観測はよく見られる。[要出典]また、気象観測所のある千代田区内においても、大手町付近と新たな気象庁露場のある北の丸公園とでは冬場の最低気温に違いが見られ、2012年1月の平均最低気温は大手町1.8℃に対し北の丸公園は0.4℃であり、冬日の日数では大手町3日に対し北の丸公園は11日である。これは、1月の気温に関しては練馬(平均最低気温−0.3℃、冬日17日)寄りの気温である。これらの要因から、同じ都区内でも練馬区など内陸寄りの郊外と中央区や千代田区などの臨海部との気温差が大きいことを表している。また、気象観測所が大手町にあった時代の最低気温は高知市や鹿児島市より高い日が少なからずあったが、北の丸公園への移転後は新潟市よりも低い日が出てきている。
東京
[10](東京管区気象台)の気候