2010年1月より arrowhead ともに、arrowhead との通信時間を短くするべくコロケーションサービスを提供し[33][34]、これにより高頻度取引(高速取引)に対応した。通信時間は片道15.7マイクロ秒[35]。 東証は arrownetと呼ばれる広域ネットワークインフラを保有している[40]。arrownetは特に高信頼性の実現を目指し設計されているとされる[40]。 2009年に arrownet V1 が、2012年、arrownet V2 が稼働[41]。 arrownet の土台にあるのが、東証の売買システム、清算システム等が稼働するデータセンタ(プライマリ・セカンダリ)、および「アクセスポイント」(複数存在。後述)を結ぶ、10Gの光リング網 (MPLS) である[40]。 アクセスポイントとは、市場参加者や情報ベンダといったarrownet利用者が接続してくる先である[40]。利用者から見ると、従前は様々な市場関係機関に対しそれぞれ回線敷設等を行う必要があったのが、(後述のとおりarrownetV2の稼働により) arrownet が業界共通のネットワークインフラとなることで、共通のarrownetアクセスポイントへの回線の敷設だけで済むようになった。 海外拠点からのarrownet 接続ニーズに応える形で、arrownet-Global というサービスも展開[40][41]。 arrownetV2 の稼働により、接続可能機関が増加[41][42]。
システム障害
2001年(平成13年)
6月12日 - ソフト99コーポレーション株が上場時に終日取引停止。
2005年(平成17年)
11月1日 - コンピュータプログラムミスにより、全上場銘柄の取引を一時停止。
12月8日 - みずほ証券の誤発注したジェイコム株の注文を取り消せず、ジェイコム株大量誤発注事件となる。
2006年(平成18年)
1月18日 - ライブドア事件で大量の売り注文に対し、リアルタイム処理が追いつかず、全銘柄取引停止。
2008年(平成20年)
2月8日 - デリバティブ売買システムの障害で一部先物商品の取引を停止。
7月22日 - デリバティブ売買システムの障害で、指数、株式・国政先物、オプション取引を一時停止。
2012年(平成24年)
2月2日 - arrowhead内の3つのサーバで不具合が発生、9時より241銘柄の取引を一時停止。
2018年(平成30年)
10月9日 - arrowhead内の1つのサーバで不具合が発生、売買が遅延したり、一部の注文ができなくなった。
2020年(令和2年)
10月1日 - 売買システムで株価など相場情報の配信に障害が発生、午前9時の取引開始から全ての銘柄で売買が終日停止された。また、同システムを利用しているため、名古屋証券取引所・札幌証券取引所・福岡証券取引所も同様に売買が終日停止された。午前7時4分に共有ディスク装置に障害が発生し、メモリ故障が発生した場合の待機系への切り替えが正しく設定されておらず[36][37]、待機系に切り替わらなかったため、午前8時54分にネットワークを遮断し、取引を停止させた[38][39]。
広域ネットワークインフラ(arrownet)
システム構成
arrownetを利用した接続が可能な機関
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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