『千年女優』の制作期間中にマッドハウスのプロデューサーから今に次の作品の企画を出さないかという誘いがあり、映画完成後に二か月ほどかけて簡単な企画書を書いて提出したところ、すぐに「GO」サインが出たので、具体的なストーリー作りをして制作に入った[7]。原作・脚本を監督の今敏が担当し、共同脚本にはドラマ『白線流し』やアニメーション『カウボーイビバップ』の信本敬子を迎えた[注 2][9]。作画監督にはスタジオジブリ在籍時代に『ホーホケキョ となりの山田くん』の作画監督をつとめた小西賢一、演出には古屋勝悟を迎えた[注 3][9]。
前2作はキャラクターよりも物語の進行を重視してカットを設計していたが、本作ではアニメーションの魅力としてキャラクターの芝居を重要視し、キャラクターがそこにいる実在感のようなものを何よりも優先してシナリオも絵コンテも作っている[9]。見かけ上はかなりコミカルなストーリーや芝居であるが、単純に古臭いマンガ映画的解釈に戻ろうというわけではなく、リアル指向のアニメーションを経た先にある漫画的解釈を目指して制作された[9]。
本作からデジタルアニメとなっている[10]。 配給は、日本のソニー・ピクチャーズエンタテインメントとなり、2003年11月8日に公開となった[11]。国内だけでなく海外配給もソニー・ピクチャーズが権利を獲得して同社系のデスティネーション・フィルムズと独立系のIDPが担い、2004年1月16日に北米で公開された[11][12]。劇場数は10スクリーンで興行収入は12万9560ドルだった[12]。
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