東レ
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2008年(平成20年)のテーマは「環境・気候変動」で、ミレニアム・ゴールの#7(Millennium Development Goals; 2015年(平成27年)までに達成すべき21世紀の国際社会の8つのゴール)「環境の持続可能性の確保」をテーマに捉えた賞であり、環境配慮型事業活動ならびにCSR活動(水処理・造水事業の展開、炭素繊維による温室効果ガス削減への貢献、省エネ、職場改善等)が気候変動や社会の持続的成長に貢献していると評価され、日本企業としては初めて国連協会ニューヨーク本部 (The United Nations Association of New York) から「2008年ヒューマニタリアン賞 (Humanitarian Award) 」が贈られた。授賞式は2008年(平成20年)10月23日にニューヨークの国連本部で開催され、東レからは榊原定征代表取締役社長(当時)が代表して出席、三井グループの主要企業からも幹部が同席した。

現在同社の会長を務める榊原定征は2014年平成26年)から2018年(平成30年)まで第4代日本経団連会長を務め、高度プロフェッショナル制度の導入に尽力した。また元副社長で現在特別顧問を務める飯島英胤2006年(平成18年)から日韓経済協会第7代会長を務めている。

東レの三六協定(平成28年3月締結)は、所定労働時間基準で特別条項は月100時間、年間900時間まで認められ[7][8][9]、厚生省の定める過労死ラインを超過する。
歴史

1926年大正15年)1月12日 - 東洋レーヨン株式会社設立。

1951年(昭和26年)4月 - 社歌制定。

1955年(昭和30年)1月2日 - ナイロンザイル事件が発生。作家の井上靖が朝日新聞に連載した小説『氷壁』の素材として取り扱われ、注目を集める。2007年には『石岡繁雄が語る - 氷壁・ナイロンザイル事件の真実』が刊行された。

1963年(昭和38年)5月 - 新社章制定。

1970年(昭和45年)1月1日 - 東レ株式会社に社名変更。

1986年(昭和61年)4月16日 - 創立60周年に伴い、現在のロゴマークに変更。同時にコーポレートスローガン「原点は、くらしです。」も制定。

2006年平成18年)

4月1日 - 創立80周年に伴い、現在のコーポレートスローガンを使用。

4月- 特許翻訳家の育成を目的に特許翻訳スクールを開講。入門講座、専門講座、通信講座、基礎技術講座を開講。東レ知的財産センターが運営。


2015年(平成27年)5月11日 - 同社の取締役だった森本忠夫が死去。

主要製品

3大合成繊維(
ナイロンポリエステル(テトロン)、アクリル繊維(トレロン))

吸湿発熱繊維(ヒートテック)

フィルム製品

合成樹脂 エンジニアリング・プラスチック(6.66ナイロン(アミラン)、PBT(トレコン)、ABS(トヨラック))スーパー・エンジニアリング・プラスチック(PPS(トレリナ)、LCP(シベラス))

炭素繊維(トレカ)

カラーフィルター

印刷材料

浄水器(トレビーノシリーズ)

人工腎臓(フィルトライザー)

コンタクトレンズ(ブレス・オー)

炭素繊維複合材料ボーイング787の一次構造材に採用され、機体の軽量化に貢献している。PAN系炭素繊維メーカーとしては、世界最大手である。

民生品では、微細繊維眼鏡拭き「トレシー」の製造元として有名。微細繊維が油分をとる効果に着目したもの、洗顔用としても売れた。また、同社の開発した中空糸膜を利用した家庭用浄水器「トレビーノ」シリーズでも有名である。
戦時中の兵器生産

東洋レーヨン(当時)は太平洋戦争中期になると、繊維工場の機械設備は修理が困難となり、また機械設備は金属類回収令 に供出されるなど経営は厳しくなった[10]。しかし、東洋レーヨンは大戦終了後に繊維メーカーとして再起するため、あくまで化学繊維生産を通した[10]。大戦中も、あくまで主力製品は軍需衣料、国民衣料と占領地供給衣料生産であった[10]

しかし、軍需産業への転出を希望する技術者を引き留めるため、機械設備供出後に遊休化した工場設備を利用して、滋賀工場において兵器生産が開始された[10]。兵器生産は1943年(昭和18年)5月から始まり、海軍向けの九二式魚雷を月産100本、魚雷の頭部を日産125本を生産し、呉海軍工廠および舞鶴海軍工廠へ納品した[10]

太平洋戦争終戦後は兵器製造部門の民需転換のため車輌部として発足し、1945年(昭和20年)11月30日から滋賀工場において鉄道車両の修理が開始された[11]。最初は戦災車両の修理・解体から始まり、鉄道省の協力により客車貨車の修理・改造・新造のほか、私鉄車両の修理・新造、タンク車の製造などを行った[11]1949年(昭和24年)3月の職制改革で滋賀工場車輌部は東洋機械工業所として分離された[11]のち、1955年(昭和30年)3月の職制改正で東洋機械工業所は廃止された。以下に製造に関わった車両例を示す。

京阪70型電車

国鉄70系客車

国鉄タム900形貨車

国鉄タム1700形貨車 

国鉄タム3200形貨車

国鉄タム3250形貨車

国鉄タム4000形貨車

車両に取り付けられる製造所銘板は、東洋レーヨン車輌部と書かれていた[12]
事業場・工場/主要生産品目

滋賀事業場(
滋賀県大津市[13]

エクセーヌ基材(人工皮革)、トプティカル (カラーフィルター)、トレビーノ(家庭用浄水器)


瀬田工場(滋賀県大津市)

トレロン混紡糸、医療用具(イノウエ・バルーン、アンスロン(P-Uカテーテル


愛媛工場(愛媛県伊予郡松前町

東レテトロン(ポリエステル短繊維)、トレカ(炭素繊維)、ロメンブラ(逆浸透膜モジュール)、トレコン(PBT樹脂)


名古屋事業場(愛知県名古屋市港区

アミラン(ナイロン樹脂)、トレコン(PBT樹脂)、各種ファインケミカルズ


東海工場(愛知県東海市

カプロラクタムテレフタル酸、東レテトロン(チップ)、トレリナ(PPS樹脂)


愛知工場(愛知県名古屋市西区

ナイロン長繊維、レイテラ(プラスチック光ファイバ


岡崎工場(愛知県岡崎市

ナイロン長繊維、東レ水なし平板(印刷版材)、フィルトライザー(人工腎臓)、トレビーノ(家庭用浄水器)


三島工場(静岡県三島市

ルミラー(ポリエステルフィルム)、東レテトロン(ポリエステル長繊維)、ドルナー (プロスタサイクリンPGI2誘導体製剤)、フエロン(天然型インターフェロンβ製剤)


千葉工場(千葉県市原市

トヨラック(ABS樹脂)


土浦工場(茨城県土浦市

トレファンBO(ポリプロピレンフィルム)


岐阜工場(岐阜県安八郡神戸町

エクセーヌ(人工皮革)、ルミラー(ポリエステルフィルム)、トレリナ(PPSフィルム)


石川工場(石川県能美市


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