ポルトガルの独裁政権がカーネーション革命で倒れると東ティモールでも独立の現実性が増し左派のフレティリン(東ティモール独立革命戦線)が勢力を拡大し、1975年11月28日に独立を宣言した。これに対しインドネシアは1975年12月7日に東ティモールへ侵攻し、翌年インドネシア27番目の州である東ティモール州として併合した。当時、東ティモール(インドネシア語: Timor Timur)は州の紋章を制定しており、スハルト政権崩壊後の1999年にインドネシアが併合を取り消すまで使用された。
インドネシアの東ティモール州の紋章
この州章は、黄金色の盾の中で小麦と木綿の束が輪を描き、その中に青いラウンデルが置かれ中に建物が描かれるというものだった。盾の上の方には、黄色い星がひとつ配された青い小さな盾があり、唯一神への信仰を示していた。ラウンデルの下にはティモール伝統の頭飾り(カイバウク、Kaibauk)が黄金色で描かれ、その中に赤い字で「Timor Timur」(東ティモール)と書かれていた。 1999年に成立し東ティモールを暫定統治した国際連合東ティモール暫定行政機構は独自のエンブレムを用いた。円形の中央には、ティモールの創世神話で重要な役割を果たしたワニが描かれ、背後には東ティモールの国土が描かれた。下部には頭飾り(カイバウク)があり、円の外周にはテトゥン語で「Governu de Timor Lorosa’e」、あるいはポルトガル語で「Governo de Timor Leste」と、「東ティモール政府」との文言が書かれた。 東ティモールが独立した後、2002年から2007年にかけてはティモール民族抵抗評議会(CNRM, Conselho Nacional de Resistencia Timorense, National Council of Timorese Resistance)のエンブレムが国章に含まれていた。この国章には交差した2本のスリク(ティモールの伝統的な剣)に、槍・2本の矢・星が描かれていた。 黒い盾の後ろからは黄色い太陽の光線が14本放射し、外周を囲む青い輪には公用語のポルトガル語で国名が書かれ、下の帯には当時の国のモットーである「名誉、故国および国民」(Honra, Patria e Povo)が書かれていた。
暫定行政機構
国際連合東ティモールの紋章
独立当初の国章2002年から2007年の国章
脚注^ a b c d e f g h (ポルトガル語) ⇒法律 02/2007 国の象徴について Archived
^ East Timor: flag proposal of 1967
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*1 ヨーロッパにも分類され得る。