東アジア
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北にロシアシベリア、南に東南アジアインドシナ半島、西に中央アジア南アジア、そして東に太平洋を経て北アメリカ大陸と隣接する地域である。

緯度地帯に位置する広大な陸地モンスーン(季節風)の影響が大きい特徴がある。西から東にかけて徐々に低い地形であり、東西で環境が異なっている。西部の内陸乾燥気候ゴビ砂漠タクラマカン砂漠があり、また、崑崙山脈ヒマラヤ山脈に囲まれたチベット高原や、天山山脈に並ぶモンゴル高原がある。東部の沿岸では南は亜熱帯気候で長江が流れ、北は温帯気候で黄河が流れており、それぞれの河川流域では平地が開けている。東アジア沿岸部を囲むように位置する日本列島や朝鮮半島は山岳地帯が多く、沿岸部にわずかな平野が広がっている。

現在では、日本や、大韓民国(韓国)、台湾モンゴル中華人民共和国などの国家が成立している[1]。温暖な気候と河川流域、モンスーンの影響によって農耕に適した豊かな稲作地域であること、住める土地が大きい事、太平洋や東シナ海から水産物が豊富に採れることから人口の規模も大きい。工業化が始まったのは19世紀後半からであるが、日本、台湾、韓国、中国に工業地帯が形成されており、他の地域との貿易取引も活発である。

東アジアでは古来より儒教仏教の思想が各地に広まっており、それに伴って漢字建築様式料理食事などの文化において類似性が認められる。

軍事情勢においては台湾海峡を挟んだ中国と台湾の緊張(台湾海峡危機台湾有事)、中国の海洋進出(中国の空母建造計画)、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の挑発行動(北朝鮮によるミサイル発射実験北朝鮮核問題)がある。

国連による世界地理区分[2]

東アジアの範囲

地理「アジアの地理」も参照
地図 日本列島 日本 本州 北海道 四国 九州 台湾 中華民国 台湾
海峡
ルソン
海峡
フィリピン 朝鮮半島 北朝鮮 韓国 白頭山 黄海 西朝鮮湾 渤海 対馬海峡 日本海 太平洋フィリピン海)  中華人民共和国




小興安嶺山脈 東北平原 黄河 長江 珠江 華北平原 陰山山脈 黄土高原 秦嶺山脈 南嶺山脈 ロシア アルタイ山脈 モンゴル高原 モンゴル ゴビ砂漠 祁連山脈 ツァイダム盆地 天山山脈 タクラマカン砂漠
タリム盆地 崑崙山脈 ジュンガル盆地 チベット高原 ヒマラヤ山脈 パミール高原 四川盆地 横断山脈 雲貴高原 トンキン湾 海南島 南西諸島 東シナ海 南シナ海 インドシナ半島
地形東アジアの衛星写真(アメリカ航空宇宙局

東アジアの地形は概ね西高東低の地勢であり、それは二つの造山帯によって形成される内陸部の高原や盆地と、西太平洋の沿岸部に位置する平地、半島、島々に分けて説明することができる。まず内陸では新期造山帯と古期造山帯があり、新期造山帯によってパミール高原を起点としながらアルプス・ヒマラヤ造山帯に属するヒマラヤ山脈、カラコルム山脈、クンルン山脈、チベット高原、雲貴高原が形成され、これは南アジアや東南アジアとの自然境界ともなっている。さらに古期造山帯は西部から天山山脈、アルタイ山脈モンゴル高原大興安嶺山脈が古い山脈として形成されている。これはロシア地域との境界線の一部ともなっている。さらにクンルン山脈と天山山脈を南北に挟まれてタリム盆地、そしてタクラマカン砂漠があり、クンルン山脈の東北のふもとにはツァイダム盆地、モンゴル高原の南方にはゴビ砂漠がある。歴史的に知られるシルクロードはこの地域のオアシスや登山道を接続して開発された通商路である。

沿岸部の地体構造としては、中国陸塊と呼ばれる安定陸塊の上に卓状地が形成されている。そのため広大な平原が広がっており、海に流れ込む黄河、長江、珠江の流域または河口で平原が開けている。北から遼河流域の東北平原、黄河流域の華北平原、長江下流の平原が広がっている。また陸地から離れて東シナ海、南シナ海は中国大陸の大陸棚となり、その大陸棚に沿って日本列島や台湾などが環太平洋造山帯上に列島を構成している。そこはプレートテクトニクスの観点からはユーラシアプレート太平洋プレートフィリピン海プレートの境界であり、比較的火山地震の危険性が大きい特徴がある。
気候

東アジアの気候は内陸部と沿岸部で異なっている。山脈や高原で囲まれた内陸部は乾燥しやすく、砂漠やステップが広がっている。沿岸部はモンスーンの影響から夏の降雨量が増大する地域である。場所によっては梅雨台風降雪などの気象状況も発生する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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