未知との遭遇
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そして、宇宙船が地球に到着する感動は、モーゼが紅海を割る奇蹟と、意識の中でつながってくるのだ」[4]
撮影

撮影はまずは人間ドラマを収録し、UFOのシーンは後回しにされた。UFOデザインはなかなか決まらず、当初はあのようなきらびやかなものではなかった。「宇宙人が地球人を安心させるため、地球上の様々なものに似たデザインにするのではないか」という観点で、ネオンっぽいものなども日常で見かける物に似せたアイデアが出た。中にはハンバーガーの看板「M」にそっくりのデザインもあり、却下されたものの赤い光球状のUFOが道端に立てられたハンバーガーの看板の前で小休止する「特別編」以降の追加シーンにその名残を見ることができる。
配役

フランスの映画監督フランソワ・トリュフォーが出演しているが、トリュフォーは自作の映画にしか出演せず、またSF嫌いで「宇宙だのロボットだのは生理的に嫌悪感がする」とまで公言していたため、本作への出演は驚かれた[5]。『野性の少年』や『アメリカの夜』を見ていたスピルバーグとはアメリカに行くたびにパーティ等で会い、出演を打診された。コロンビア ピクチャーズリノ・ヴァンチュラジャン=ルイ・トランティニャンを起用する予定だったが、スピルバーグがトリュフォーに出演を懇願し続けて実現した。
バージョン
オリジナル劇場版
本作が初めて世に公開されたもの。このバージョンにのみ、ロイが発電所で働いているシーンが存在し、彼の本職が明確に描かれている。また、細かい部分では宇宙船が初めて現れたシーンで一般人が「月ロケットよりハイウェイの方が進んでいる」と皮肉を言うシーンや、封鎖された街の兵士にロイが「スミス」と名乗って適当な言い訳をするシーンがあったりするのもこのバージョンだけである。また、中盤の山場でもあるヘリコプターからの逃避行はこのバージョンが一番長い。135分。AUEにて初ソフト化。
「特別編」
1977年の公開後、スピルバーグは初公開版で映像化しきれなかったシーンを盛り込むリニューアルをコロムビア映画側に申し出た。「マザーシップ内を見せること」を条件に追加撮影の予算が計上され、実写/視覚効果の追加撮影と再編集、台詞の再録音を経て
1980年に発表された「特別編」は実質「ディレクターズ・カット」であるが、スピルバーグ自身のマザーシップ内部は見せたくないという、オリジナル制作時の意向(特別編公開以降の発言)は損なわれた(このため、同シーンはこのバージョンのみに見られる)。最も大きな追加シーンとしては、このバージョン以降に盛り込まれることになる砂漠で幽霊船が発見されるシーンのほか、前述の通りマザーシップの内部が新たなシークエンスとして追加された。マザーシップが星空に消えてゆくエンド・クレジット(後にILMの視覚効果監督となるデニス・ミューレンが撮影)の後半部分に、スピルバーグはディズニーアニメ『ピノキオ』(ロイが家族と観に行きたかった映画)の主題歌「星に願いを」を流すことを考えていたが、試写の批評が芳しくなくカットされた。これが「特別編」で復活された。旋律だけでなく歌も流そうとスピルバーグは考えたが、リアリティを損なうと他のスタッフから反対された。小型の円盤のアイディアを練る段階で、ファストフード・チェーンマクドナルドのm字シンボルそっくりの円盤が考案され、小型円盤がマクドナルドの看板の前で自分の仲間を眺めるかの如く小停止し、ハンバーガーの画が映る(バリーが「アイスクリーム!」と叫んだ後)。また、全体的なシーンの推敲もやり直され、冒頭のロイ一家の導入シーンが新たに撮影され、細かい部分が多くカットされたことで全体的な長さはすべてのバージョンで最も短い132分となっている。AUEにて初のデジタルソフト化となった。
初期ソフト版
VHSLDで発売された際にメディア上の制約で編集されたバージョン。劇場公開版を元にロイのファーストコンタクトが差し替えられ、ロイたちがデビルスタワー麓へ連行後のヘリから脱出するシーンがカットされているほか、ロイが家族とマッシュポテトを食べるシーンの前半部分がカットされている。
「ファイナル・カット」版
製作20年を記念して発表された再々編集版。特別篇をベースにロイが狂ったようにデビルズタワーの模型を作るシーンをはじめとしたカットされたいくつかのシーンを復活させたほか、マザーシップ内部描写の削除、フイルムのデジタルリマスター等を行った。この結果、137分と一般上映されたものとしては最も長いバージョンとなった。AUEにはさらにリマスター収録されている。この映画では唯一DVDが単品販売されており、レンタル用もこのバージョンが提供されている。「星に願いを」のメロディーは再び削除されている。
アメリカABCテレビ放映版
現在確認されているものの中で最長のバージョン。劇場公開版に特別篇の追加シーンを盛り込んだもので、143分ある。

コレクター向けのソフト化はスタッフのインタビューを含む大量の資料/特典とともに'77年版と「特別編」の両方をプログラム再生という形で選択、鑑賞可能にしたレーザーディスクがあり、製作30周年を記念して発売された「アルティメット・エディション」のセット(ブルーレイは2枚組、DVDは3枚組)では、'77年版+「特別編」+「ファイナル・カット」の3種類が同梱されている。
第50回アカデミー賞受賞/ノミネート

受賞人物
撮影賞ヴィルモス・ジグモンド
特別業績賞フランク・F・ワーナー
ノミネート
監督賞スティーヴン・スピルバーグ


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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