スーパーバイザーを務めたのは、元アメリカ空軍UFO研究部顧問のジョーゼフ・アレン・ハイネックで、劇中でもエキストラで登場している。 本作のストーリーは『十戒』を基にしている。劇中でも「山」に向かうことになる主人公の家族が家のテレビで『十戒』を観ている。「宇宙船が現れる前ぶれとしての雲の動きは、まさに紅海が割れる場面の雲の動きとそっくりなのである。そして、宇宙船が地球に到着する感動は、モーゼが紅海を割る奇蹟と、意識の中でつながってくるのだ」[4]。 撮影はまずは人間ドラマ フランスの映画監督フランソワ・トリュフォーが出演しているが、トリュフォーは自作の映画にしか出演せず、またSF嫌いで「宇宙だのロボットだのは生理的に嫌悪感がする」とまで公言していたため、本作への出演は驚かれた[5]。『野性の少年』や『アメリカの夜』を見ていたスピルバーグとはアメリカに行くたびにパーティ等で会い、出演を打診された。コロンビア ピクチャーズはリノ・ヴァンチュラかジャン=ルイ・トランティニャンを起用する予定だったが、スピルバーグがトリュフォーに出演を懇願し続けて実現した。
背景
撮影
配役
バージョン
オリジナル劇場版
本作が初めて世に公開されたもの。このバージョンにのみ、ロイが発電所で働いているシーンが存在し、彼の本職が明確に描かれている。また、細かい部分では宇宙船が初めて現れたシーンで一般人が「月ロケットよりハイウェイの方が進んでいる」と皮肉を言うシーンや、封鎖された街の兵士にロイが「スミス」と名乗って適当な言い訳をするシーンがあったりするのもこのバージョンだけである。また、中盤の山場でもあるヘリコプターからの逃避行はこのバージョンが一番長い。135分。AUEにて初ソフト化。
「特別編」
1977年の公開後、スピルバーグは初公開版で映像化しきれなかったシーンを盛り込むリニューアルをコロムビア映画側に申し出た。「マザーシップ内を見せること」を条件に追加撮影の予算が計上され、実写/視覚効果の追加撮影と再編集、台詞の再録音を経て1980年に発表された「特別編」は実質「ディレクターズ・カット」であるが、スピルバーグ自身のマザーシップ内部は見せたくないという、オリジナル制作時の意向(特別編公開以降の発言)は損なわれた(このため、同シーンはこのバージョンのみに見られる)。最も大きな追加シーンとしては、このバージョン以降に盛り込まれることになる砂漠で幽霊船が発見されるシーンのほか、前述の通りマザーシップの内部が新たなシークエンスとして追加された。マザーシップが星空に消えてゆくエンド・クレジット(後にILMの視覚効果監督となるデニス・ミューレンが撮影)の後半部分に、スピルバーグはディズニーアニメ『ピノキオ』(ロイが家族と観に行きたかった映画)の主題歌「星に願いを」を流すことを考えていたが、試写の批評が芳しくなくカットされた。これが「特別編」で復活された。旋律だけでなく歌も流そうとスピルバーグは考えたが、リアリティを損なうと他のスタッフから反対された。小型の円盤のアイディアを練る段階で、ファストフード・チェーンマクドナルドのm字シンボルそっくりの円盤が考案され、小型円盤がマクドナルドの看板の前で自分の仲間を眺めるかの如く小停止し、ハンバーガーの画が映る(バリーが「アイスクリーム!」と叫んだ後)。また、全体的なシーンの推敲もやり直され、冒頭のロイ一家の導入シーンが新たに撮影され、細かい部分が多くカットされたことで全体的な長さはすべてのバージョンで最も短い132分となっている。AUEにて初のデジタルソフト化となった。
初期ソフト版
VHS、LDで発売された際にメディア上の制約で編集されたバージョン。劇場公開版を元にロイのファーストコンタクトが差し替えられ、ロイたちがデビルスタワー麓へ連行後のヘリから脱出するシーンがカットされているほか、ロイが家族とマッシュポテトを食べるシーンの前半部分がカットされている。
「ファイナル・カット」版
製作20年を記念して発表された再々編集版。特別篇をベースにロイが狂ったようにデビルズタワーの模型を作るシーンをはじめとしたカットされたいくつかのシーンを復活させたほか、マザーシップ内部描写の削除、フイルムのデジタルリマスター等を行った。