朝鮮
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したがって、中国への事大主義を国是とする新王朝が、周の武王が朝鮮に封じた箕子の継承を意図する朝鮮の国号を奏請したことは適切であった[17]
「朝鮮/韓」などの相違「朝鮮語の呼称問題」も参照

日本語を含む漢字文化圏では、「○○半島」(○○??、○○バンド)、「○○民族」」(○○??、○○ミンジョク)、「○○語」(○○?、○○オ)などの様々な局面において、この地域を何と呼称するかが問題となる。
現地における呼称

現地の朝鮮語では、統治する国家によって南北で2種類の異なる呼び方がなされている。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)では「朝鮮」(??、チョソン)、大韓民国(韓国)では「大韓」(??、テハン)ないし「韓」(?、ハン)ないし「韓国」(??、ハングク)と呼ばれ、互いに他方の名で呼ばれることを好まない。これらは北半分や南半分の一方を指す名称ではなく、共に全体の名称である。

これは、直接には両国における自称の国名が北朝鮮では「朝鮮」になったのに対し、韓国では朝鮮という国名は使われなくなり、「韓」が国家のみならず民族や半島をも含めた名称として受け入れられているためである。従って、現在の韓国では「朝鮮民族」や「朝鮮半島」という呼称はめったに使われず、「韓民族」「韓半島」が使用される。

この煩雑さを避け、政治的中立性を保つ意図で「コリア」、稀に「高麗」(こうらい、??、コリョ)と呼ばれることがある。
日本語における呼称

この記事名である「朝鮮」(歴史的仮名遣では「てうせん」)は、この地域や民族の名称として日本語において広く用いられる呼称である。古くは、この地域の人々を指す言葉として「韓人」(からひと)、「高麗人」(こまびと)などがあり、李氏朝鮮時代には李朝の国号から「朝鮮人」(ちょうせんじん)という呼称が生まれた。李氏朝鮮が大韓帝国に国号を変えると、「韓国人」(かんこくじん)という呼称が生まれた。「朝鮮籍」も参照

韓国併合によって大韓帝国が消滅すると、日本は韓国の地名を朝鮮とし[18]、朝鮮に本籍地を有する日本臣民となった者が法律上、「朝鮮人」と称されることになった。本国(内地)と植民地という力関係を反映し、「朝鮮人」やこれを略した「鮮人」という呼び方には見下すようなニュアンスがこめられがちであるため、「朝鮮出身者」「朝鮮の方」といった遠まわしな言い方がしばしば使われた。朝鮮総督府は内地人に「鮮人」と呼ばないようしばしば呼びかけ、多くの文書で「朝鮮(半島)同胞」との呼称を用いた。旧陸軍においても朝鮮人兵士に対して「朝鮮人」や「鮮人」の語を使用しないよう指導がなされていた[19][20][21]

日本の朝鮮統治が終わった後もこのような傾向は続き、現在に至るまでも面と向かって「朝鮮人」と言うのを憚る風潮が存在する。しかし、「朝鮮」を統一名称とみなしている、または韓国を支持しない等々さまざまな理由から、在日朝鮮人が好んで「朝鮮人」を自称するケースもあるため、必ずしも蔑称とはみなされていない。韓国・北朝鮮の成立後は、全体を漠然と指すときは従来通りの「朝鮮人」が多く用いられ、特に韓国の国籍を保持する者を「韓国人」と呼んで区別している。「韓国人」の対立概念として「朝鮮人」を使用する場合には、北朝鮮を正統国家として支持する者や、または朝鮮籍の在日朝鮮人を限定して指すこともある。マスコミでは、「韓」と「朝鮮」との区別が問題になることを避けるために漠然と「朝鮮民族」と称することが多い。

日本語では朝鮮族という言い方も存在するが、これは中国吉林省延辺朝鮮族自治州を中心に、中国東北部満州)やロシア沿海地方などに住む朝鮮民族を特に指す語として使われる。
その他の言語における呼称「コリア」も参照

英語など、漢字文化圏以外の多くの言語では、中世高麗王朝に由来する Korean 、 Coreen 、 Koreaner などで呼んでおり、朝鮮と韓との区別はない。
「李氏朝鮮」の呼称朝鮮通寶

日本においては王室の姓をとり「李氏朝鮮」もしくは「李朝」の呼称が用いられていたが、近年では「李氏朝鮮」を「朝鮮王朝」と言い換え、古朝鮮と朝鮮とで呼び分ける立場が日本の朝鮮史研究者の間では主流となってきた。文部科学省は、2001年に「つくる会教科書」における「李氏朝鮮」という呼称について大韓民国から修正を要求されたが「明白な誤りとは言えない」として拒絶したが、2002年の検定意見では「李氏朝鮮」という呼称について「表記が不適切」との検定意見をつけた。その理由を、韓国の要求に応じたのではなく、日本における学術研究の反映であると説明し[22]、とくに朝鮮史学界での呼び方に倣ったことを強調した[23]
韓国における「朝鮮」

韓国においては「??(チョソン、朝鮮の意)」は古称・雅名としての文脈に限っては抵抗なく使われることもあるが(例:朝鮮日報)、そうでない場合は北朝鮮式の呼称であるために忌避される場合がある。朝鮮という呼び方は、ヘル朝鮮にみられるように、朝鮮王朝時代の後進性からネガディブなイメージの呼称として受け取られることがある。また、日本語読みの「??」は差別の意味合いを持って受け取られることがある。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}韓国において南北をひっくるめて論じるときなどは「???(韓民族)」「???(韓半島)」などというのが普通であり[要出典]、かつて山本七平などの日本の保守系親韓派知識人の一部もこのような用語法を用いた例もある。
北朝鮮における諸事情

北朝鮮では「ハングル」など読み方が「韓」を連想させるような語彙は嫌われることもある(ただし「ハングル」のハンは「韓」ではなく「偉大な」の意味である)。


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