朝鮮語
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

稀に1つの漢字が複数の音を持つ場合があるが、それは日本語の漢音呉音のように複数の時代の中国音を反映しているのではなく、中国語における一字多音を反映していることが多い[注 4]。たとえば、悪には?/ak/と?/o/の2つの読音があるが、?/ak/は「悪い」という意味であり、?/o/は「憎む」という意味であり、もともと中国語において存在した区別を反映している。なおこの場合、日本語ではアク・オ、普通話では e ・ wu に、それぞれ対応する。

三層目は(漢字語以外の)外来語である。韓国においては英語、北朝鮮においてはロシア語が主な輸入源となった。外来語を取り込む方法は漢字語に準ずる(名詞はそのまま、動詞、形容詞は??を付ける)。

その他の外来要素としては、主に植民地時代に流入した日本語と高麗末期に元朝から流入したモンゴル語がある。ここでいう日本語とは、朝鮮漢字音読みで取り入れられた和製漢語を除き、和語および日本語読みの漢語、外来語を日本語の発音に近い形で受け入れたものである。たとえば「勝負」は古典中国語由来の朝鮮漢字音で読む??/s??bu/という形で朝鮮語に定着している単語であるが、日本漢字音「ショウブ」に由来する??/sjobu/という形でも流入した。このようにして日本語から取り込まれた語彙には、「弁当」??/bentto/、「うどん」??/udo?/、「バケツ」???/bakkess?/などがあるが、韓国・北朝鮮の両政府はこのような日本語からの借用語を排除する政策を採ったため、現在では高齢者を中心に限られた範囲で俗語として扱われていることが多い。品詞は名詞、副詞が多く、副詞は本来の日本語が持っているニュアンスとは微妙に異なることが多い。これらの語彙は朝鮮語の語彙全体からして非常に低い割合でしかないが、日本統治時代の残滓と考えられたため問題視されたのである。モンゴル語は当時はかなりの影響力があったとする学説もあるが、現代ではごく僅かな特殊語彙に痕跡をとどめるのみである。

韓国と北朝鮮ではそれぞれ別々に言語政策を取ったため、2つの地域では語彙にも差が見られる(詳細は「朝鮮語の南北差」を参照)。また、中国の朝鮮族によって話されている中国朝鮮語は中国語の強い影響を受けている。中国語を朝鮮語音で読んで取り入れる場合もあれば、中国語音をそのまま取り入れる場合もある。たとえば、「卒業」は韓国においては同じ漢字を朝鮮語読みで??/chor?p/というが、中国では「??(畢業)」を朝鮮語読みして??/pir?p/という。また、「コンピューター」は韓国では英語に由来する???/k?mpjut?/だが、中国では「??(電脳)」の中国語音に由来する??/ttenno/である。中央アジアにおいてもロシア語の動詞 стрoйть(建てる)から不定詞語尾 -ть を取って代わりに-??を付けて ??????/s?t?reihada/[要出典]とするなどのロシア語流入が行われている。また、朝鮮語が輸入した英語であるコングリッシュには元の英語にない独自の英語の語彙も存在する。
使用国家
朝鮮語を公用語とする地域

※使用する人口が多い順

 
大韓民国

北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国

中華人民共和国

吉林省

延辺朝鮮族自治州

長白朝鮮族自治県


朝鮮語を主要外国語とする国

アゼルバイジャン

アメリカ合衆国

インド

インドネシア

ウズベキスタン

オーストラリア

カザフスタン

キリバス

タイ

中華人民共和国

中華民国

ドイツ

トルクメニスタン

トルコ

日本

フィリピン

フランス

 ベラルーシ

マレーシア

南アフリカ共和国

ロシア

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 北朝鮮では、漢字を廃止している( ⇒朝鮮民主主義人民共和国における漢字教育 ―1990年代を中心に―)。また、韓国でも、公文書等については、国語基本法第14条第1項により一定の場合に限り漢字の併記が認められている。詳細は、朝鮮における漢字#漢字教育の廃止参照
^ ドイツ語の場合、ドイツオーストリアスイスの三カ国の文部省が共同で正書法の改訂に携わる制度があり、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}すくなくとも書面語におけるドイツ語の一体性は国境をこえて保持されている[要出典]。
^ たとえば朝鮮総督府が発行した朝鮮語教科書がある。
^ 例外として、「金」(?〈クム〉)、姓「金」(?〈キム〉)のように姓に用いられる場合にのみ異なる発音になるものがある。[要出典]

出典^ Korean Made Simple: A beginner's guide to learning the Korean language, CreateSpace Independent Publishing Platform (2014), .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-1497445826, P. 136
^ Hammarstrom, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). ⇒“Korean”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. ⇒http://glottolog.org/resource/languoid/id/kore1280 
^ 「朝鮮半島で使われてきた言語について日本では韓国語, 朝鮮語, 韓語などさまざまな呼称が用いられてきた」
福井玲『韓国語音韻史の探求』三省堂、2013年、1.2.1。 
^ “北朝鮮の人口が2500万人突破 高齢化進む”. 聯合ニュース. (2016年9月18日). https://jp.yna.co.kr/view/AJP20160916001600882 2022年8月20日閲覧。 
^ 大江孝男「ちょうせんご|朝鮮語」【監修】伊藤亜人+大村益夫+高崎宗司+武田幸男+吉田光男+梶村秀樹『[新版] 韓国 朝鮮を知る事典』平凡社、2014年3月19日 新版第1刷発行、ISBN 978-4-582-12647-1、352頁。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:85 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef