朝鮮語の呼称問題
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日本での「朝鮮」呼称が朝鮮半島全体を指すのは、日本語を母語とする話者(日本人)の語感の反映であり、ドイツ語がオーストリアやスイスの言語を含むのと同様に、言語名と国家名(国号)は一致しないのが世界では通常であると指摘されている[1]
その他の呼称・他の言語での呼称
「コリア語」という呼称

英語では、朝鮮語の呼び名を高麗に由来する「Korean」と呼ぶため、「朝鮮語」又は「韓国語」は、いずれも同じ単語で表される[9]。そのため、日本国内においても@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}中立性を保つため、英語の「Korean」を借用することがある[要出典]。その例として、 1985年に「やさしいコリア語入門」(柳尚煕 、呉英元著、評論社)が出版されたり、 在日韓国人や在日朝鮮人を「在日コリアン」と呼んだり、東海大学大東文化大学上智大学帝京大学文教大学法政大学などではこの言語を「コリア語」と呼んでいる[10]。ただし前述の通り、学術的には「朝鮮語」が慣用されている[1]
中国における中国語での呼称

中華人民共和国(以下、中国と表記)では、1949年の建国当初は朝鮮民主主義人民共和国を「朝鮮半島における唯一の政府」としていたこと、「中国の少数民族のひとつとしての名称」に「朝鮮族」を採用し、延辺州・長白県などに設置された分布する民族区域自治行政体の呼称に「朝鮮族自治州/県」を使用したことから、この言語を「朝鮮語」と呼ぶことが一般的であった[要出典]。今まで、中国の朝鮮族は「朝鮮語文」と「朝鮮語」の教科書を名づけている[11]。教育部の「普通高等学校学部専攻リスト」を継承すると、中国内の各大学は専攻名を朝鮮語学科に設定する場合が多い[12]。しかし、1992年に韓国との国交が樹立され、大学の学部・学科などで韓国式を教えることが始まると、こちらに対しては「韓語」あるいは「韓国語」と呼ぶことが多くなっている[要出典]。 例えば、2009年初頭、北京大学の「朝鮮語学科」は「朝鮮(韓国)言語文化学科」に改称され[13]、1995年には復旦大学外国語文学部に「韓国語学科」が設置されている[14]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ NHKの語学講座抜本改革により、2008年度からはテレビ(NHK教育テレビ)が『テレビでハングル講座』、ラジオ(NHKラジオ第2)が『まいにちハングル講座』となった。なおハングルを用いた間接表現は、NHKの語学講座のほかにもNHKの国際放送NHKワールド・ラジオ日本)で用いられている。
^ (例)「電話を取るときに使う、日本語の「もしもし」に当たる表現は、この言語では「????(ヨボセヨ)」です」となる。このほかインタビュー等で「???(韓国語)」という単語が出てきた場合も、字幕では「ハングル」となる。
^ 例えば「『ハングル』能力検定試験」という名称は、日本における朝鮮語呼称問題の実際を知らなければ、文字どおり「(語学を含まない)純粋なハングルの読み書きの能力のみを判断する試験」だと理解する可能性がある[要出典]。
^ 言語の本質は音声であり、文字は言語を記録するための記号、すなわち音声を保存する副次的補助手段に過ぎず、言語と文字の関係は任意的、恣意的なので必然的関係がない。朝鮮語は、ハングル使用以前には吏読郷札など漢字を使用して表記したし、最近は公共表示板に韓国の地名をローマ字ラテン文字)で表示した場合が多いが、どの場合も文字が違うだけで、皆同じ朝鮮語という事実には変わりがない。同様に、もしある外国語をハングルで書いても、それはその外国語が分からない韓国・朝鮮人には理解できない記号のままである[要出典]。

出典^ a b c d e f g h 内山政春「言語名称「朝鮮語」および「韓国語」の言語学的考察」『異文化 論文編』第5号、法政大学国際文化学部、2004年4月、73-107頁、doi:10.15002/00002829、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISSN 13493256、NAID 120000993866。 
^ a b c 金 廷a(キム・ジョンミン)「日本語と韓国語、どこが似ている、どこが違う」国立国語研究所、2012.
^ なお、同訓令別記様式では、「韓国語又ハ日本国語」との用例もある。
^ なお、併合前の大韓帝国における朝鮮語を表す文脈では、併合以降も「韓国語」の語を用いた例がある。@ 渡邊豊日子「熊本と朝鮮」『多士 : 創立四十周年記念 (国立国会図書館デジタルコレクション)』、金津正夫、79頁、1922年。https://dl.ndl.go.jp/pid/917806/1/48。2023年8月19日閲覧。"・・・韓国語学生として県から派遣せられて参られた方々・・・"。 A 高木壬太郎「韓国」『基督教大辞典』、警醒社書店、289頁、1911年。https://dl.ndl.go.jp/pid/1088474/1/183。2023年8月19日閲覧。"・・・京城に在りて韓国語を学び・・・"。 
^ ドイツ語は、ドイツオーストリアスイスの間で、相当に大きな方言差が見られるが、三ヶ国の言語当局は共同して語彙の共通化や「正書法」の修改訂に取り組んでいる。ルクセンブルクでは、隣接するドイツ語のモーゼル・フランケン方言と極めてよく似たことばが用いられているが、その方言的要素を強調した独自の正書法を制定し、「ドイツ語とは別個の言語であるルクセンブルク語」を主張している。
^ “文学歴史学部”. 朝鮮大学校. 2019年11月6日閲覧。


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