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不祥事とスクープ
『週刊朝日』2012年10月26日号が、「ハシシタ・奴の本性」と題し、橋下徹大阪市長(当時)についての連載記事第1回を掲載した(週刊朝日による橋下徹特集記事問題)。取材・執筆はノンフィクション作家佐野眞一と週刊朝日取材班(今西憲之・村岡正浩)。橋下は10月18日の記者会見で「僕のルーツを暴き出すことが目的とはっきり言明している。血脈主義ないしは身分制に通じる本当に極めて恐ろしい考え方だ」「言論の自由は保障されるべきだが、一線を越えている」と強く批判した。読者からも編集部に多数の抗議が寄せられ、同日、河畠大四編集長が謝罪のコメントを発表したが批判は収まらず、10月26日に編集長更迭。11月12日、朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」が「見出しを含め、記事及び記事作成過程を通して橋下氏の出自を根拠にその人格を否定するという誤った考えを基調としている」「部落差別を助長する表現が複数個所あり、差別されている人々をさらに苦しめるものとなっている」「報道を通じて差別や偏見などの不当な人権抑圧と闘うことを使命の一つとし、正確で偏りのない報道に努めなければならない報道機関として、あってはならない過ちである」などとする見解をまとめ、橋下市長に報告・謝罪した[22]。第2代社長の神徳英雄が引責辞任し、青木康晋に交代した。
2021年5月18日、岸信夫防衛大臣は、新型コロナウイルスワクチンの自衛隊大規模接種センターの予約に関して、朝日新聞出版のAERA dot.記者と毎日新聞記者から「架空の番号でも予約が取れたが、どのように受け止めているのか」との問い合わせが防衛省にあったとして、不正な手段による予約はワクチン接種希望者の接種機会を奪い、ワクチンそのものが無駄になりかねない悪質な行為に当たると述べ、防衛省として朝日新聞出版および毎日新聞社に対して厳重に抗議すると述べた[23]。この問題は日経BP社の「日経クロステック」もほぼ同時にスクープしたが、岸は言及しなかった[24]。これに対し、朝日新聞出版は「取材過程における予約は情報に基づいて真偽を確かめるために必要不可欠な確認行為であり、記事にある通り、確認後にキャンセルしております。65歳以上の接種希望者の接種の機会を奪い、ワクチンを無駄にするものではありません。政府の施策を検証することは報道機関の使命であり、記事は極めて公益性の高いものと考えております」とする反論をAERA dot.に掲載した[25]。
関係する人物
宇留間和基 - 初代社長(在任2008年4月 - 2012年6月)、元『AERA』編集長。元J-CASTニュース編集長
島本脩二 - 創業時の書籍統括。元小学館で矢沢永吉「成りあがり」「日本国憲法」など編集、元「SAPIO」編集長[26]
神徳英雄 - 第2代社長(2012年6月 - 同年11月)。元朝日新聞社取締役経営企画担当・出版担当、元同社監査役
一色清 - 元『AERA』編集長、元雑誌統括。元テレビ朝日「報道ステーション」コメンテーター
篠崎充 - 元取締役、週刊朝日の橋下徹特集記事問題で神徳社長の引責辞任後、社長代行として、中村正史社内調査委員長、尾木和晴週刊朝日編集長代行とともに3人で橋下大阪市長に面会し謝罪[27]
青木康晋 - 橋下徹特集記事問題後の第3代社長(2012年12月 - 2021年6月)、元会長、元『週刊朝日』編集長。9年連続黒字、過去最高益更新[28]、初の芥川賞受賞作刊行、『ゲッターズ飯田の五星三心占い』シリーズ獲得。Gakken常勤顧問、東日本国際大学特任教授
市村友一 - 第4代社長(2021年6 月- )、元『AERA』編集長、元朝日新聞社執行役員西部本社代表[29]。『週刊朝日』休刊、ニュートンプレス買収[30]
中村正史 - 元取締役、橋下徹特集記事問題の社内調査委員長として、篠崎社長代行らと橋下大阪市長に面会し謝罪[31]
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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