1960年代には子供向け番組の主題歌の多くは、音楽出版社からレコード会社などへ音源が貸し出されるケースが多かった。新番組が始まると、朝日ソノラマやその競合メーカーは同じ音源を収録したレコードやソノシートを一斉に発売していた。朝日ソノラマでは東映と協力体制をとり、『悪魔くん』や『タイガーマスク』、『仮面ライダー』などの主題歌制作を担った[2]。また、朝日ソノラマは通常のビニール盤レコード『アサヒソノラマレコード』を発売していた時期もあった。
しかし1970年代に入ると、通常のビニール盤レコードの普及が進んだために再び売り上げが伸び悩み、同業者の撤退や倒産が相次いだ。朝日ソノラマは音質を上げるため、ソノシートの盤質をやや硬くし、紙レーベルを付けた『パンチシート』と呼ばれるステレオ仕様のレコードで、アニメや特撮の絵本レコードを生産するようになった。その後は1980年代後半頃を境に、絵本レコード事業からは完全撤退し出版がメインとなった。そのうち「ソノラマ文庫」はジュブナイルSFを中心に清水義範、菊池秀行ら後の流行作家をデビューさせるなど多くの成果を生み、雑誌『宇宙船』は国産特撮映像マニアの牙城として今日まで他社復刊で継続されるなど、個性的な足跡を残している。
2007年(平成19年)6月21日に同年9月30日をもって廃業・会社清算することを発表[1]。既存の出版物の諸権利等は朝日新聞社出版本部が引き継ぎ、「SONORAMA」「朝日ソノラマ」の商標権も朝日新聞社が継承することとし[1]、事実上の吸収合併となった。
翌2008年(平成20年)4月1日、朝日新聞社は出版本部を朝日新聞出版として分社化し、これが実質的な後継企業となった。
沿革
1959年(昭和34年)9月9日 - 朝日ソノプレスとして創業[1]
1966年(昭和41年)
ソノシートと印刷物を組み合わせた音の出る雑誌『月刊 朝日ソノラマ』を創刊[1]。
12月 - 雑誌名に合わせて朝日ソノラマへ社名変更。
1973年(昭和48年)12月 - 『月刊 朝日ソノラマ』を休刊(事実上の廃刊)。
1975年(昭和50年) - ソノラマ文庫を発刊。
1976年(昭和51年)8月 - 漫画雑誌『マンガ少年』を発行。
2007年(平成19年)9月30日 - 廃業・会社清算、既刊の書籍・雑誌は朝日新聞社出版本部が継承[1]。
2008年(平成20年)4月 - 朝日新聞出版設立。以後、朝日ソノラマから継承した刊行物も同社から出版される。
発行雑誌
マンガ少年 - 月刊漫画雑誌
DUO - 月刊漫画雑誌
ハロウィン - 月刊漫画雑誌
ChakiChaki - 月刊漫画雑誌
ほんとにあった怖い話 - 漫画雑誌
ほんとにあった笑っちゃう話 - 漫画雑誌。会社清算後に休刊。
ネムキ - 漫画雑誌。
夢幻館 - 季刊漫画雑誌
季刊カメラレビュー - 写真誌
クラシックカメラ専科 - 写真誌
ファンタスティックコレクション - NO,3までファンタスティックTVコレクションと表記。1977年(昭和52年)より発行。毎号一つの作品、一つのテーマで掘り下げた特集記事と、作品公開当時の資料などを網羅した不定期刊行物で、今にいたるマニア向けムック本の先駆けとなる内容。
宇宙船 - SF特撮誌 2005年7月号で休刊。2007年(平成19年)にホビージャパンが編集権を継承し、2008年(平成20年)に復刊。
獅子王 - SF・ファンタジー小説誌。1985年初夏号から1992年5月号まで、計74回出版。創刊当初は季刊。
グリフォン(GRIFFON) - SF・ファンタジー小説季刊雑誌。1992年11月号から1994年5月号まで、計7回出版。小説では梶尾真治や笹本祐一、菊地秀行等が、漫画ではあさりよしとお、星野之宣等が連載していた。1994年春号を以って「再スタートは本年秋を予定しています」という言葉を最後に姿を消し、実質廃刊になったものと推測される。
ソノラマMOOK ヒーローヴィジョン - 特撮系芸能誌。vol.27から29は朝日新聞社、30からは東京ニュース通信社に発売元を変更。