望遠鏡
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シルトリによると自分の客から作り方をならったオランダ、ミッテルブルフの眼鏡職人ハンス・リッペルハイが「kijker」と命名した2枚のレンズ組み合わせた望遠鏡について1608年10月2日特許申請をオランダ総督にした。10月14日にはAlkmaarのJ.アドリアンスゾーン・メチウス(Adriaanszoon Metius 、1571年 - 1635年 1598年からフラネカー大学教授)が特許申請を行なった(2年間改良していたという)。この同時申請のため特許はどちらにもおりなかった。リッペルハイは双眼望遠鏡も作り、またマウリッツ総督の命により900フローリンで軍用望遠鏡を作った。
日本

日本においては近藤正斉の『外藩通書』によれば1613年慶長18年8月4日)に「慶長十八年八月四日、インカラティラ国王ノ使者於駿城御礼申上ル…長一間程之遠眼鏡六里見之ト見ユ」とあり、イギリスのジェームズ1世の使いジョン・セーリス徳川家康に献上のもの(現徳川美術館所蔵)が最古とされる。[4]
光学的なしくみ、構造

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望遠鏡とは、カメラのレンズと同じようなものであると思えば分かりやすい。ただし口径の大きな対物レンズ(反射式においては反射鏡)と口径が小さい接眼レンズに分かれる。対物レンズは凸レンズであり、接眼レンズが凹レンズであれば正立像が得られる(ガリレオ式望遠鏡)。接眼レンズを凸レンズにすれば倒立像となる(ケプラー式望遠鏡)が、さらに大きな倍率が容易に得られる。これをそのまま天体に向ければ天体望遠鏡となる。

望遠鏡を望遠鏡たらしめているのはその光学系である。姿勢変化、温度変化、風向・風速の変化などが起こってもレンズや反射鏡など光学系の個々のパーツに振動、変形などの影響を与えないことが求められる。望遠鏡光学系をその支持機構ごと支え、天球上の任意の位置に向ける装置を「架台」と呼ぶ。架台はスムーズに駆動し、長時間にわたって高精度で天体を追尾できなければならない。天体が発する光は、一般に非常に弱く、詳しい分析に耐えるほどの光量を集めようとすれば、大望遠鏡をもってしても何時間の露出が必要となることが珍しくないからである。近年、より深く宇宙を探査するために、ますます大型の望遠鏡や観測装置が必要とされるようになってきている。

大望遠鏡においては、巨大な光学素子をいかにコンパクトで軽量かつ堅牢な架台で支えるかが重要となってくる。架台がコンパクトで軽量になるほど、その駆動機構への負担が軽減され、望遠鏡全体を覆うドームや建物などの建設コストも下げられる。また、架台の堅牢性の向上にも繋がり、指向・追尾性能を向上させることにもなる。架台のコンパクト化を図るためには、反射望遠鏡においては、その主鏡の焦点口径比(F値)を小さくし、明るい光学系とすることが肝要である。近年の大望遠鏡は、F比の小さい主鏡を製作する技術が進歩したことによって、建設が可能となったとも言える。
地上の観察・観測

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望遠鏡は古くから地上・海上の観察・観測に用いられている。

望遠鏡が発明されてしばらくするうちに軍事利用も開始されている。敵軍の状況を遠くから偵察できるというメリットがある。18世紀後半に気球の有人飛行が成功すると、気球のバスケット(ゴンドラ)から敵を偵察するためにも用いられるようになった。

船乗り(船長船員水夫漁師など)は海上で船を安全に運航するため、海上交通の安全を確保するため、たとえば周辺の船の有無や動き、船が掲げる国際信号旗船名表記の確認、他の船の船員の動き、岩礁の有無、の様子、海面ごとの風の強さや風向、内での船舶群の動き、等々を観察し判断材料を得るために望遠鏡を使っている。@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important}

地上の観察のための望遠鏡使用。1624年

軍服を着て、右手に望遠鏡を持ちポーズを決めたアイザック・スティーブンス南北戦争の北軍将軍となる人物)1861年

自分の船で使用する望遠鏡を磨く漁師。(1887年

1918年。仲間の肩を借りてそこに先端側(対物レンズ側)を乗せるようにして望遠鏡を使う兵士。

第一次世界大戦時期の望遠鏡。

第一次世界大戦。ニュージーランドのフランス駐屯地にて、ドイツ軍を監視する兵士。

塹壕の中で身を守りつつ、塹壕の外を観察するための、潜望鏡タイプの、ふたまたの望遠鏡。1916年

通常タイプの双眼鏡を首から下げて携行する兵士(1917年

第二次世界大戦英国海軍。望遠鏡をのぞく人物。

近年のイスラエル軍が使用している コンピュータ制御の望遠鏡

現代の眺望が良い場所などに設置してある、コインを入れて使う、時間貸しの望遠鏡。

天体の観測詳細は「天体望遠鏡」および「天体観測」を参照

ガリレオ・ガリレイはハンス・リッペルハイの発明を知った後、1609年5月に1日で作った望遠鏡を初めて天体に向けた[5]。そのころの接眼レンズは凹レンズで正立像だが、倍率は低いものであった。

1672年アイザック・ニュートンが王立協会に提供した望遠鏡の複製品。

ウィリアム・ハーシェルの望遠鏡



現代の宇宙観測用の特殊な望遠鏡

19世紀末や20世紀初頭までは、人間の網膜に像を結び人間が知覚できる可視光線に関して、拡大した像をもたらすことを目的とした望遠鏡ばかりだったが、20世紀になって、宇宙観測に使うための、可視光線以外を扱う様々な特殊な観測装置や検出装置が開発されるようになった。それらの観測装置のことも光学望遠鏡とのアナロジー比喩で、「望遠鏡」とも呼ばれることがある。それらは初期段階では素朴な装置で「像」といったものを提供するレベルではなく、どちらかと言えば(素朴な)「検出器」と呼ぶのがふさわしいものも多く、後になってようやく「像」らしい「像」を提供できるようになったものも多いが、一応この節でそれらの観測装置の登場の歴史についても軽く触れるが、あくまで軽く触れるにとどめる。詳細は個別の記事を参照のこと。「天体観測」および「天文学」も参照
電波望遠鏡
詳細は「電波望遠鏡」を参照

人類の電磁波に関する理解や、それに関連する電子技術が向上したのは、さほど遠い昔のことではなく19世紀末や20世紀前半のことであるが、それによってようやく、従来の望遠鏡に加えて、電磁波をとらえて観測するための電波望遠鏡を設計・製作することが可能になったわけである。1932年に、宇宙空間から飛来する電波を捉える目的で作られた最初の電波アンテナ(最初の素朴な電波望遠鏡)がen:Karl Guthe Jansky(ベル研究所のエンジニア)によって使用された。


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