服部半蔵_影の軍団
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将軍家光ではなかったのか。野望の虎の幕閣共ではなかったのか」と突き放しながらも、幼君が頼ってきたことを思い出し、救出に向かった (14 - 15)。平素は神田の湯屋「雉の湯」の主人・半さんとして暮らしている。雉の湯は服部衆の本拠でもあるため、隠し部屋や敵を撃退させるための罠、武器が備えられている。半さんでは後頭頂部に髷を結った鬘を被っている。負けてばかりいるものの将棋が大好きで (2, 12)、どんちゃん騒ぎを好み (5)、腕っぷしが弱い(1. 12)、などのどこにでもいる町人を装っている。湯を沸かず薪は自ら率先して拾い集めている (3)。

瓢六 - 高岡健二 (1 - 20, 22 - 27)
変装の名人で[3]、風貌だけでなく、声色を替えて化ける (1, 4, 6, 12, 23)。保科正之 (1)、公家 (4)、長崎奉行所同心 (6)、土蜘蛛の八兵衛 (12)、半さん (23)、らに変装した。服部衆の本拠である雉の湯にいることから、服部衆への繋ぎは瓢六の担当で (1, 5)、三代目服部半蔵の随行もする (16)。忍びの掟を頑なに守り、普段の鍛錬も欠かさない (5)。小さな音に気付く耳を持つ (12)。両腕の長さの縄をムチのように振り回し、石仏を斬り (5)、スイカ手刀打ちで割れる (14)。お甲には痛い目に遭っており、酒井屋敷に忍び入ったが追手に斬られ、逃げていたところを助けられるが、入手した覚書を奪われる (3)。京では公家の変装を見破られ、窮地に追い込まれた (4)。幼馴染のお夕と恋仲でありながら、掟にこだわった瓢六に対し、亡骸を預かったお甲に「くの一と言えども女。なぜ、抱いてあげなかったの?」と諭されている (5)。お夕の敵討ではムチを振り回し、敵の刀を抑え、たた斬った (5)。大八から「堅物で女のことをわかっていない」と見られており (5, 8 - 9, 12)、半蔵が影として目5立った動きをさせぬよう、瓢六と大八が吉原遊廓へ行くことを禁じ、大八はとても残念がったのに対し、瓢六はさして気にもしていない (12)。高野聖との戦闘で背中に深手を負い紀州へ向かえず (15)、安中藩のお家騒動では (16)、独りで雉の湯に残っていた (15 - 16)。徐々に堅物から妙齢の女に興味を示すようになり (19)、里隠れの後家に言い寄るようになった (22)。平素は雉の湯の奉公人で釜炊き[4]。おりんや大八から「ひょうろく玉 (12 - 13)」と呼ばれることもある。雉の湯の女中・お梅を好きになり、半蔵の仲人で祝言をした (27) 。

お霧 - 長谷直美 (1 - 2, 4 - 24)
服部衆のくノ一。江戸生まれ (15)。男に引けを取らない忍術の使い手[5]。頭領に無礼を働く者は、たとえ三代目服部半蔵の従妹であろうと、容赦なく押さえ付ける (9)。推理力もあり、土蜘蛛党と南町奉行所の繋がりを看破した (12)。一方で御子神お竜の妖術にかかり、服部衆の素性を無意識に話してしまった結果、大八は瀕死の重傷を負い、二代目服部半蔵の右腕と云われた弥七のとっつあんを死に追いやり、その責任を痛感し、単身で御子神一族のアジトへ斬りこみをかけている (13)。半蔵たちが駆け付けても、お竜は自分が討ち取ると言い、「目を見るな」という指示を守って討ち取った (13)。旅先では町娘と (6)、男装の茶筅髷を使い分けている (16)。長崎の里隠れ・源次に惚れられ、最初は相手にしていなかったが、お霧を庇って撃たれた源次に「先を約束した男がいるのか」と今わの際で言われ、「そんな者いるわけないでしょ」と返事をすると、笑いながら死んでいった源次にむせび泣いている (6)。保科正之と仲違いをしていた息女に「あんたのおとっつあんだろ」と背中を押し、仲の修復をした (7)。私情を持ち込まない服部衆の掟を理解しているが、おとこ髪の結いを教わった金次が不審死を遂げ、恩義のある兄弟子の死の真相を探るため、半蔵の許可を得て、“髪結いの霧吉”と男装し、武家屋敷や大奥へ上がっている (8)。幼君家綱が拐かされた時は、お楽ノ方の側女中として大奥へ入り、御台所孝子が関っていることを明るみにし、その手口を調べ上げた (14)大坂の里隠れである次郎三郎兄弟と幼馴染で、次郎とは親同士が決めた許嫁だが、三郎と恋仲であったが、命を救ってくれた浪花屋に恩義を抱き、配下になっていた (17)。伊賀衆を殺して裏切る気配がある兄弟を半蔵は斬る決意をし、お霧を外そうとするが、任務をやり遂げると返答 (17)。浪花屋の人質となっていた上州屋の娘を助け出したが、伊賀を抜ける決意をしていた次郎に斬りかかられ、お霧を庇った三郎が死んでしまい、悲嘆にくれる (17)。平素は髪結いとしておりんの店で働く。おりんが四六時中、半さんを追いかけまわすことにあきれながらも (1, 6)、おりんの半さん好きが度を越えると、半さんを渡すまいとし、取り合うこともある (5)。男装して“役者・霧太郎”として舞台に上がったことが縁で、薩摩藩士の息女に惚れられてしまう (24)。この娘を救うため、蔵の火薬に火をつけて爆死する (24)。

大八 - 火野正平 (1 - 5, 7 - 23, 27)
小頭で (13, 16)、特技は火薬を駆使した遁術[6]。常に新しい火薬を開発しており (1)、音がしない火薬や踏んづけたら爆破する火薬も作り上げる技術を持っている (4)。3年前に三代目服部半蔵を頼って、伊賀の里から江戸へ来て、そのまま服部衆となる (9)。半蔵が大火で囲まれた時、土遁で身を躱す半蔵の手助けをし、火薬を投げ続け、消化した (4)。身は軽く、刀を使わずに殴打技・蹴り技で戦うことが多い。観察力は鋭く、半蔵の幼馴染で大八の兄貴分でもある浦戸伊三郎が夜叉神党に連行され、覆面を被せられていた伊三郎とすれ違うが、その繋ぎを見逃さない (11)。甲賀屋敷の前で叩き売りをし、情報収集もする (20)。敵の術中に嵌り、自ら不幸にした奥女中を心底すまないと思い、その黒幕である大奥に半蔵が歯向かう姿勢を見せると、保科正之の忠告や甲賀組の備え、お霧が人質になっていることを危惧した瓢六や喜平次が躊躇するなか、「不可能を可能にするのがおれたち影」と真っ先に賛同する気概もある (8)。大道で売っていた千金丹を甲賀組に毒とすり替えられ、百姓が死亡し、濡れ衣で拷問をかけられた (9)。土蜘蛛党との関係があると疑われている岡っ引の娘に一目ぼれしたこと、土蜘蛛党に捕まり、その娘と共に樽に土を流され、危うく窒息死かけたが、半蔵が樽を一刀両断したことで救われた (12)。何度も女性絡みで危機に瀕したことで、服部衆として「影はあくまでも影。光に成れない」の矜持を再認識する (12)。平素は赤い鉢巻法被を着る香具師で、ガマの油売り[6]。「春は弥生、落花の形。飛騨の暮雪は雪国の形 (1)」「音に聞こえた名刀村正の弟、村々(むらむら)。この恐るべき切れ味の短刀、さーてこの和紙にすっと当てると、一枚が二枚。二枚が四枚。四枚が八枚。八枚が十六枚。十六枚の後は…、各々計算するように!春は弥生、落花の舞 (11)」「寄ってらっしゃい見てらっしゃい。山奥に二十数年立て籠り、研究に研究を重ね、改良に改良を重ねた結果、やっとできたこのガマの油 (17)」「鏡に映ったガマが、余りの己の醜さにハッとして、たらーり、たらーりと脂汗。その油を取り集め、三年三月煮込みに煮込んで (20)」などの口上がある。千金丹という薬を売ることもあるが、「千金丹は毒にも薬にもならないで有名」と嘯く (9)。大道商いは子供達の時間つぶしの場でもある (5)。積極的に女へ言い寄るスケコマシだが、女からも言い寄られてモテている (16)。雉の湯にしょっちゅう出入りし、そのたびに女湯を覗くが、天性の人たらしで憎まれていない (2, 4, 9, 11, 16, 21)。しかし湯屋で働くお梅や (2, 4, 11, 16)、その場に居合わせたお霧に (21)、覗きを怒られるのは日常茶飯事である。男女の出会いと別れは弾みで、弾みと弾みで契りを交わすという考えを持っている (9)。

喜平次 - 春田純一
江戸生まれ (15)。平素は鳶職で、鍛錬も兼ねている[7]。忍刀を逆手に持って戦う。三代目服部半蔵に随行することもある (4, 21)。頭領に無礼を働く者は、たとえ半蔵の従妹であろうと、容赦なく押さえ付ける (9)。跳躍力に秀でており (4, 14, 16)、足が速く (17)、蹴り技も繰り出し (4, 12, 16)、乗馬もできる (9)。旅が好き (3, 5)。瓢六と大八が土蜘蛛党と南町奉行所にマークされた時は、半蔵の命で雉の湯を土蜘蛛党から守り、単身で暗闘をしていた (12)。高野聖との戦いでは、罠が仕掛けられていることを想定されながらも、果敢に竹竿を使って跳躍し、最初に突撃している (14)。京之介を救出するために刀傷を負い、大八に抱えて戻ってきたが、京之介の危機に再び出動できる、回復力のある身体の持ち主 (19)。大工仲間の扇太郎が、おこいと祝言を挙げたときは、喜び祝っていた (19)。里隠れのくノ一と農民夫婦に化けたのが縁で「生きている証がほしい」と懇願され、契りを結ぶが、彼女は討ち死にしてしまった (22)。甲賀組との戦いで、片思いのお梅の救出と雉の湯を爆発させないために、甲賀が仕掛けた火薬もろとも爆死した (27)。

津々美京之介 - 西郷輝彦 (1 - 2, 8 - 9, 18 - 19) ※特別出演
三代目服部半蔵と並ぶ伊賀の上忍の出自で[8]、軍団の参謀。忍装束では、半蔵か被る頭巾とは異なる鉢金無しの頭巾を被っている。薬草や (18)、毒物に (9, 19)、詳しい。半蔵とは「京さん」、「半さん」と呼び合う仲。半蔵自ら、保科正之の屋敷へ出頭後、捕縛されて戻ってこないため、代わって服部衆の指揮を取り、半蔵を救出した (1)。半蔵の幼馴染である下柘植の大猿も京之介には一目置き (2)、天魔一族からは半蔵と京之介が伊賀忍者の両輪とみられているが (18)、京之介は半蔵を伊賀衆の頭領として立てている (1 - 2, 9)。半蔵とは兄弟分のような間柄で半蔵が人情家であるのに対してクールな人柄であるが[8]、凶変動乱が続くことに「半さん。いよいよ、おれたちの世の中が来たようだな」と昂る一面を見せ (1)、非道な行状には怒りを滾らせる熱い面を持っており (8, 19)、庶民を虐げる政道には歯向かうことを辞さずという根本的な考え方は、半蔵と全く同じである。讃岐屋の息女が中絶を頼んできたときにその事情を聞かず断ったことから、讃岐屋親子が無理心中したことに心を痛め、その真相を知ると解決のために自らおとりとなって甲賀組の銃弾を受け、半蔵たちが大奥へ忍び込む手助けをした (8)。平戸での学友・平賀隆光が蒲生藩の改易で徳川幕府に復讐を誓い、大奥で庶民を犠牲にする悪行の限りを尽くしていた (19)。白日の下に晒そうと危険を承知で潜入したが、烏頭阿片を混ぜた毒を盛られて瀕死となる (19)。歯に隠していた毒消しで一命はとりとめたものの、完全に回復できず、危ういところで半蔵たちの救出が間に合い、隆光を自ら成敗した (19)。平素は医者で[8]長崎や平戸で学んだ医学を活かし (19)、庶民の医療に尽力 (1)。瓢六は「京さん (1)」、お霧は「京之介様 (1)」、大八と喜平次は「せんせい (8, 19)」と呼び方は異なるが、隠れ里の伊賀衆や (18)、町中では (1, 8)、「せんせい」と呼ばれている (1, 8, 18)。
伊賀衆

美和 -
田中綾 (14 - 15)
幼君家綱の側にお仕えする奥女中 (14)。家綱と共に高野聖に拐かされた (14)。父は保科正之に仕えた伊賀忍者で、幼い頃に分かれた兄がいる (15)。
甲賀組

お甲 - 三林京子 (1 - 6, 8 - 10, 20 - 21, 25)
甲賀のくノ一。育ての親で (3)、公儀御庭番甲賀組頭領(おかしら)・水口鬼三太の命で雉の湯へ女中として働き (2)、三代目服部半蔵の内情を探ろうとするが
[9]、すぐに半蔵や津々美京之介に素性を見抜かれ、雉の湯を去ることとなる (3)。それでも瓢六からは正体を見抜かれずに信用され、お霧への書状を預かった (3)。父親・多羅尾弥平次が二代目服部半蔵に殺された恨みを抱いており (1)、父の仇として三代目半蔵を付け狙い続けていく (3)。しかし半蔵の行動や人柄を知るにつれ (4 - 6)、また一条ノ局が大奥最高位を利用して悪行三昧なのを、庇う甲賀組頭領・水口鬼三太の姿勢に疑問を抱くようになる (8)。そして半蔵の「仇を子孫まで持ち越すのか?」「過去の因縁にこだわっているのか?」という問い続けに (3 - 4, 6)、忍びとしての己と半蔵に惹かれていく女との葛藤の狭間で揺れ動くこととなる (8 - 9)。ついに半蔵を愛する気持ちを隠せなくなり (10)、おじさんと慕っていた長崎の隠れ忍び・不知火が半蔵の手引きで義理の娘・おそののために抜け忍になったこと (6)、妹のお菊をくノ一にしたくないという思いから (10)、暇をもらいたいと鬼三太に頼むが、認められず、甲賀組の掟に逆らわず、仇を討てと強要された (10)。
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