有機体論
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

^ 説いているテーマは生命論ではあるが、実際のところ、反還元主義者の観点からの主張による「人間の思考パターン自体の問題点の指摘」である。例えば、<<家>>にはその下位要素として確かにドアや窓や屋根があるが、だからといって、家を一旦バラバラにして、ドアや窓や屋根などの要素を、たとえ全てであっても、空き地に乱雑に山のように積み上げても、それはもはや <<家>> では全然なく、ただのガレキにすぎない、 <<家>>と呼べるのはあくまでドア・窓・屋根などが特定の位置関係で、特定の結合状態で、特定の秩序にあるときである、といったことである。つまり「初学者が陥りがちな、また学者ですらしばしば陥ってしまうことがある、思慮の足らない還元主義という思考パターンの問題点」という反還元主義者の観点からの主張である。
^ 「atom」とは古代ギリシア語で「分割できない」という意味の言葉。なお、反還元主義者らは『根本の定義が「分割できない」なのである。ちなみに、当時電子顕微鏡などはなく、そのようなものは誰も見たこともなかった。あくまで、デモクリトスらによる空想である。また、現代の物理・化学におけるatomとは異なっている概念。現代の「atom」は「分割可能」とされる。つまり、全然 別概念である。』などと主張するが、技術の進歩によって原子の内部構造まで検討されるようになったことを、デモクリトスらの概念の敗北のように彼らが誇るのは意味がわからない。また、「理想気体」などの現代の物理・化学における便利な概念は、原子論にもとづき気体分子運動論などを通して精緻化されたものであり、反還元主義者らとは異なり物理学者や化学者は原子論を正当に評価している。

関連文献
書籍類


William Emerson Ritter, The unity of the organism; or, The organismal conception of life, R.G. Badger, 1919

ルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィ『生 命―有機体論の考察』みすず書房、1974、ISBN 4622016753

ホワイトヘッド『過程と実在』 (平林康之訳、上・下 みすず書房、1981?83 ISBN 4622017601,ISBN 462201761X

ホワイトヘッド『過程と実在 ―生命の躍動的前進を描く「有機体の哲学」』(山本誠作訳、晃洋書房 2011 ISBN 4771022356

西川富雄『自然とその根源力 』(叢書ドイツ観念論との対話)、ミネルヴァ書房 1993 ISBN 4623023656

野尻英一『意識と生命――ヘーゲル『精神現象学』における有機体と「地」のエレメントをめぐる考察』社会評論社、2010、ISBN 4784508996

論文類


望月俊孝 (1998)「カントの有機体論 : 「生命」の概念をめぐって」[1]

野尻英一(2006)「 ⇒カントとヘーゲルにおける有機体論の差異について――社会科学の起源を探る――」

飯野和夫(1982)「シャルル・ボネの有機体論」 [2]

伊坂青司 「ヘーゲルの<有機体>論 --ドイツ観念論における自然哲学の一断面」

関連項目

生命

機械論

ホーリズム

記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:11 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef