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地球から見て太陽に次いで明るい[5]

古くは太陽に対して太陰とも、また日輪( = 太陽)に対して月輪(げつりん)とも言った。
概要

太陽系の中で地球に最も近い自然の天体であり、人類が到達したことのある唯一の地球外天体でもある。「アポロ計画」を参照

地球から見える天体の中では太陽の次に明るく、白色に光って見えるが、これは自ら発光しているのではなく、太陽光を反射したものである。
名称

ドイツ語では Mond(モーント)、フランス語では Lune(リュヌ)、英語では Moon(ムーン)、ラテン語では Luna(ルーナ)、サンスクリット語では ?????(チャンドラ)、ギリシャ語ではΣελ?νη(セレーネー)と呼ばれる。古くは太陽に対して太陰ともいった。日本語では「ツキ」というが、奈良時代以前は「ツク」という語形だったと推定されている。

なお、漢字の「月」は欠けた月の形を描いた象形文字である[6][7]

また「月」は、広義には「ある惑星から見てその周りを回る衛星」を指す。例えば、「フォボス火星の月である」などと表現する[注 1]
運行

月は天球上の白道と呼ばれる通り道をほぼ4週間の周期で運行する。白道は19年周期で揺らいでいるが、黄道帯とよばれる黄道周辺8度の範囲に収まる。月はほぼ2週間ごとに黄道を横切る。

恒星が月に隠される現象を掩蔽、あるいは星食という。惑星や小惑星が隠されることもある。一等星や惑星の掩蔽はめったに起こらない。天球上での月の移動速度は毎時0.5度(月の視直径)程度であるから、掩蔽の継続時間は長くても1時間程度である。
暦との関係

と月の関係は近代に至るまで密接であった。月の《満ち欠け》を元に決めた暦は太陰暦と言い、地球から月を見ると月の明るい部分の形は毎日変化し約29.5日周期で同じ形となっており、この変化の周期を元に暦を決めたものである。

歴史的に見れば元々は太陰暦を採用していた地域のほうが多かったのであり、現代でも太陽暦と太陰暦を併用している文化圏はある。月を基準に決めた暦というのは、漁師など自然を相手に仕事をする人々にとっては日付がそのまま有用な情報をもたらしてくれるものである。

日本でも、明治5年までは太陽太陰暦を主として使用していた。明治5年に公的な制度を変えた段階でこれを「旧暦」と呼ぶようになったが、その後も長らく旧暦のカレンダーは販売され、両方を併用する人々は多かった。今でも一般の太陽暦のカレンダーに旧暦を掲載したものは広く使われる。

日本語では暦を読むことを「月を読む」「ツキヨミ(ツクヨミ)」「月読」と言った。暦と言えば近代まで太陽太陰暦であったため、暦を読むとはすなわち月を読むことであった[注 2]。「太陰暦」および「月 (暦)」も参照
物理的特徴
性質主要な太陽系の衛星の比較。他の衛星と比べても月は大きく、月は母惑星地球に対し不釣合いなほど大きな衛星であることが分かる。

月の直径 (3,474km) は、木星の衛星ガニメデ (5,262km)、土星の衛星タイタン (5,150km)、木星の衛星カリスト (4,800km)、イオ (3,630km) に次ぎ、太陽系の衛星の中で5番目に大きい[10]。また、惑星に対する衛星の直径比率で言えば、月は地球の約1/4であり、ガニメデが木星の約1/27、タイタンが土星の約1/23であるのに比べて桁違いに大きい[10]。かつては、衛星が主星の大きさの50%を超える冥王星カロンの組に次いで2番目だったが、冥王星が準惑星に分類変更されたので、地球と月の組が1番となった。

月はその規模や構造といった物理的性質から、星そのものは地球型惑星だと考えられている[11]。ただし軌道の観点ではあくまで「衛星」の範疇であるため、太陽系の8惑星を分類する意味で「地球型惑星」と言った場合、月は含めないのが普通である。

従来、地球に対する月は、衛星としては不釣合いに大きいので、二重惑星とみなす意見もあった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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