月報掲載の長編がまとめられて単行本として出版されることも多い。石川淳が鴎外全集(1971年から1975年、岩波書店)に掲載したエッセイが『前賢余韻』としてまとめられたり、平凡社は中国古典文学大系(1967年から1975年)の月報掲載文章から選択して『中国古典文学への招待』を編んだりしたことがその例である。2012年には、講談社文芸文庫が絶版となった個人全集とともに発行されていた月報の記事を編んで、『個人全集月報集 安岡章太郎全集 吉行淳之介全集 庄野潤三全集』をもって「個人全集月報集」シリーズを発行し始めた(2014年末まで既刊3冊)。また、新潮文庫でも、小林秀雄全集の月報から選択した文集『この人を見よ』を2015年1月に刊行した。
注^ 高島健一郎「商品としての円本」(『日本出版史料』9、2004年5月所収)
^ 『国立国会図書館所蔵全集月報・付録類目録』 (国立国会図書館, 1996) ISBN 9784875824848
^ マイケル・P・ウィリアムス「月報への学術的アクセスの深化―記事索引データベースを目指して」 (英文, "Journal of East Asian Libraries"、No. 157 2013年10月)