2021年11月に『WTF with Marc Maron』のインタビューに応じたスコットは、興行不振の原因はミレニアルズにあるとして、「私が思うに、結局のところ我々が今日手にしている観客とは、このクソったれな携帯電話で育った世代なのです。ミレニアルズは携帯電話で教えてもらわない限り、何かを教えてもらうことを望んでいないのです」とコメントしている[41]。
批評リドリー・スコット
Rotten Tomatoesには214件の批評が寄せられ支持率86%、平均評価7.4/10となっており、「『最後の決闘裁判』は体系的な女性差別を批評するという点では、それほど効果的とはいえないものの、壮大なスケールの中に素晴らしい演技があり、示唆に富むドラマが描かれていることに変わりはない」と批評している[42]。Metacriticでは48件の批評に基づき67/100点のスコアが与えられ[43]、CinemaScoreでは「B+」評価、ポストトラック(英語版)では好意的な評価が72%となっている[36]。
バラエティ誌のオーウェン・グレイバーマンは、「所々に短いアクションがあるものの、『最後の決闘裁判』は贅沢で複雑な、時に興味深い中世ソープオペラに仕上がっている」と批評している[44]。TheWrapのアッシャー・ルーベルトはキャストの演技と撮影技術を高く評価する一方、脚本については「2004年に出版されたエリック・ジェイガーのノンフィクションをマット・デイモン、ベン・アフレック、ニコール・ホロフセナーの3人が脚本を書き、リドリー・スコットが監督した映画作品は、凄惨でグロテスク、ゴージャスで一貫性のない中世の物語を作り出した」と批評している[45]。IndieWireのベン・クロルは「現在のハリウッドの戦場においては珍しい作品です。知的で純粋に大胆な大予算の決闘作品でありながら、何よりも芸術的なコラボレーションを明確に実現した作品なのです」と批評している[46]。ナショナル・レビュー(英語版)のカイル・スミス(英語版)は、『最後の決闘裁判』は魅力的な奇妙さに満たされている」と批評しており、その理由として「過去の事実を現代の推測で後付けしていないことが功を奏している」と分析している[47]。ジューイッシュ・クロニクルのリンダ・マリックは「スコット監督の真の復帰作であり、アフレックとデイモンの比類なき脚本執筆技術を見事に証明している」と批評している[48]。ザ・スペクテーターのデボラ・ロスは「荒涼とした、残忍で血生臭い映画であり一休みすることもできない。アフレック演じるピエール伯のビッチ振りは別として」と批評している[49]。
オブザーバー紙のマーク・カーモードは3/5の星を与えて「鎧をまとった『羅生門』の再映画化作品と#MeTooを反映した『わらの犬』のリメイク作品を掛け合わせたような作品」と批評し[50]、イブニング・スタンダード(英語版)のシャーロット・オサリバンも同じく3/5の星を与え「真面目で面白く、思わず笑ってしまうような、ハンサムで良く研究されたドラマ」と批評している[51]。ウォール・ストリート・ジャーナルのジョー・モーゲンスターンはプロダクション・バリュー、キャストの演技、テーマ性を高く評価したが、脚本については「反復されるバトルを背景にした法廷の陰謀のせいで物語は散らばっており、物語の構成は消耗している」と批評している[52]。