スコットランド遠征中にカルージュは騎士に任じられる。帰国後、彼は給金を得るためにパリに向かうが、その間にマルグリットがル・グリに強姦される事件が起きる。マルグリットからその件を聞かされたカルージュは極刑を望むが、裁判を取り仕切るピエール伯がル・グリに肩入れしていることを知る。カルージュは事態を打開するためシャルル6世に直訴し、決闘裁判で決着を付けようと画策する。 ル・グリは修道士の道を諦めた後に従騎士となり、豊富な知識を生かしてピエール伯の財政を立て直し、また騎士たちから地代を徴収して信頼を獲得してピエール伯の側近に取り立てられる。彼は地位を利用してピエール伯と対立するカルージュを助けようとするが、カルージュはピエール伯のお気に入りになったル・グリを公然と罵倒するようになり、次第にピエール伯の家臣たちからも嘲笑されるようになってしまう。騎士仲間のパーティーでマルグリットと出会ったル・グリは一目惚れし、ル・グリは彼女が「学がなく世継ぎを得る手段としか見ていないカルージュを愛していないのでは」と考える。一方、マルグリットは友人たちとの会話で、ル・グリが魅力的な男性であるが、夫は彼を信用していないと語る。ル・グリは文学や言語知識に関する会話を通して、マルグリットへの想いを募らせていく。 カルージュがパリに赴いているころ、彼の母ニコルは用事を済ませるために使用人たちを連れて屋敷を離れ、マルグリットだけが取り残される。そんな中、ル・グリの従僕ルヴェルがマルグリットの元を訪れ、「馬の蹄鉄を直す間、屋敷の中で暖を取らせて欲しい」と申し出る。マルグリットはルヴェルを屋敷に迎え入れるが、そこにル・グリが現れて彼女に想いを告げる。ル・グリの告白に対して、マルグリットは2人に出て行くように告げるが、ル・グリがルヴェルを外に出して彼女に詰め寄り、逃げる彼女を寝室まで追いかけて強姦する。ル・グリは、「マルグリットは自分のことを愛しており、人妻という立場上嫌がっているフリをしているだけ」と考えており、去り際に「夫には秘密にするように」と忠告する。 事件を知ったカルージュは強姦の噂を領内に流すようになり、ル・グリは強姦の事実についてピエール伯の審問を受ける。ル・グリはマルグリットから「強姦された」と思われていることにショックを受け、ピエール伯から事実を否定するように提案される。ピエール伯は自分の立場を利用してル・グリに無罪判決を下そうとするが、すでにカルージュが国王に決闘裁判を直訴していたことを知らされる。パリに赴いたル・グリは、高僧から「元聖職者だったことを主張すれば、宗教裁判所が寛大な判決を下すだろう」と助言されるが、彼は提案を拒否し、名誉を守るために決闘裁判を受け入れる。 マルグリットはカルージュと結婚後に子供に恵まれなかった。カルージュは妻に愛情を注いでいると思っていたが、マルグリットから見ると彼からは十分な愛情が感じられない気もしていた。 カルージュはスコットランド遠征に向かう直前、マルグリットに「誰も屋敷に入れず、決して屋敷から出ないように」と忠告する。マルグリットは土地の経営に専念するが、次第に義母ニコルとの仲が険悪になっていく。スコットランドから帰国後、カルージュは「マルグリットを一人にしないように」と告げてパリに向かうが、ニコルは使用人たちを連れて外出し、マルグリットを一人にしてしまう。そんな中、ル・グリが屋敷に現れてマルグリットは強姦される。彼女の視点ではル・グリには愛情を感じておらず、必死の抵抗をするものの犯されたことになっている。マルグリットはカルージュに事実を伝えるが、「ル・グリを誘惑したのではないか」と疑われてしまう。誤解が解けた後、カルージュは「ル・グリを最後の男にはさせない」と告げてマルグリットと性行為に及ぶ。マルグリットはル・グリを訴えるが、ニコルは自分も過去に強姦されたことを語り、「世の中の習い」として受け入れて彼を訴えるのを止めるように告げる。 裁判では、マルグリットが事件発生後に妊娠6か月を迎えている点から、裁判官から厳しい尋問を受ける。裁判官から「決闘裁判でカルージュが負けた場合、偽証罪で生きたまま火あぶりにされる」と聞かされるが、彼女は「真実を語っている」と主張し続け、最終的にシャルル6世は決闘裁判を承認する。退廷後にマルグリットはカルージュに対して、火あぶりにされることを事前に伝えずに決闘裁判を直訴したこと、子供が路頭に迷うかも知れないことを問い詰める。カルージュは「君の名誉のために戦うのだ」と返答するが、マルグリットは「自分の名誉を守ることしか考えていない」と反論する。決闘裁判を数日後に控えた日、マルグリットは男児を出産する。 国王夫妻やピエール伯夫妻、拘束されたマルグリット、そして多くの群衆が見守る中でカルージュとル・グリの決闘裁判が開始される。決闘は馬上での戦いから始まり、馬を倒された後は徒歩での接近戦となる。戦いの末にカルージュはル・グリに止めを刺そうとするが、その直前に「自らの罪を告白しろ」とル・グリに迫るが、彼は「自分は無実である」と主張する。それを聞いたカルージュはル・グリを殺し、主張が受け入れられたマルグリットは拘束を解かれる。敗者となったル・グリの遺体が吊るされる中、カルージュは群衆から喝采を浴びながら決闘場を後にし、その後をマルグリットは無言でついていく。 数年後、カルージュは十字軍遠征で戦死し、マルグリットは夫の財産を守りながら平穏に暮らしたものの、生涯再婚しなかったことが語られる。 ※括弧内は日本語吹替。
ジャック・ル・グリの真実
マルグリット・ド・カルージュの真実
キャスト.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}マット・デイモンアダム・ドライバージョディ・カマーベン・アフレック
ジャン・ド・カルージュ
ジャック・ル・グリ(英語版): アダム・ドライバー(津田健次郎) - 従騎士。ジャンの親友。プレイボーイ。
マルグリット・ド・カルージュ(英語版): ジョディ・カマー(ブリドカットセーラ恵美) - 裕福な貴族の娘。
アランソン伯ピエール2世: ベン・アフレック(堀内賢雄) - 領主。国王の祖父の従弟。
ニコル・ド・ブシャール: ハリエット・ウォルター(英語版)(宮沢きよこ) - ジャンの母。
国王シャルル6世: アレックス・ロウザー(英語版)(宮瀬尚也) - ピエールの従兄の孫。
王妃イザボー: セレーナ・ケネディ
クレスパン: マートン・チョーカシュ(丸山壮史) - ジャンの従騎士仲間。
ル・コック: ジェリコ・イヴァネク(佐々木省三) - 法廷でジャックを弁護する高僧。聖職者特権の使用を助言。
マリー: タルーラ・ハドン(英語版)(佐久間友理) - マルグリットの友人。
アリス: ブライオニー・ハンナ(英語版) - マルグリットのメイド。
ロベール・ド・ティボヴィル: ナサニエル・パーカー - マルグリットの父。イングランドに味方した過去あり。
トミン・デュ・ボワ: サム・ヘイゼルダイン(英語版) - ジャンの友人。決闘を見守る。
ベルナール・ラトゥール: マイケル・マケルハットン(烏田裕志) - マリーの夫。
ジャン・ド・カルージュ3世: オリヴァー・コットン(英語版) - ジャンの父。城塞の長官。
摂政: クライヴ・ラッセル - 国王のおじ。
アダム・ルヴェル: アダム・ナガイティス(英語版)(広瀬竜一) - ジャックの従僕。
司祭: ボスコ・ホーガン(英語版) - ジャンとマルグリットの訴えを確認。
製作カヒアー城で『グリーン・ナイト』と『最後の決闘裁判』の撮影が行われたことを記した記念碑
2011年ごろ、プロデューサーのドリュー・ヴィントンから原作について連絡をもらったのが始まりとマット・デイモンは答えている[11]。
2015年7月に企画が発表され、当初はフランシス・ローレンスが監督、ショーン・グラントが脚本家を務める予定だったが、この時は進展せず、権利期限を迎えたことで製作は頓挫した[12]。
2019年7月にリドリー・スコットが監督を務めること、ベン・アフレックとマット・デイモンが出演し、2人がニコール・ホロフセナーと共に脚本を書き終えていることが報じられた[13]。デイモンはスコットに監督を直接依頼していたが、スコットはデイモンがしきりに黒澤明の映画『羅生門』(1950年)の、3つの異なる視点から一つの事件を描く話をしていたと、成り行きを説明している[14]。