最小存続可能個体数
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例えばビッグホーンの最小存続可能個体数は100頭とされているが、その値を示すために50年もの研究が行われた[1]
最小存続可能個体数と絶滅1912年に有効個体数が約7個体になったレイサンマガモ

最小存続可能個体数は、人間の影響による存続確率の変化を考慮に入れていない。そのため、人の手を加えた捕獲、保護、外部からの個体の移入などによって、個体群の個体数を最小存続可能個体数以上に引き上げることも可能である。

当然、最小存続可能個体数を推定する手法である存続可能性分析の妥当性についても議論されているが、重要なのは存続可能性分析による推定値の正確性ではなく、その分析によって種を保護するための最低限の努力目標となる最小存続可能個体数を示すことができるということである。

特に島嶼などにおいて、ボトルネック効果を受けた個体群やr戦略(小卵多産戦略)をとる個体群は、通常より最小存続可能個体数が小さい傾向にある。逆に、広大な生息地をもつK戦略者(大卵少産戦略)は、容易に近交弱勢の影響を受けるため、最小存続可能個体数が大きくなることが多い。陸上の脊椎動物について言えば、近交弱勢や遺伝的多様性を考慮しない場合、最小存続可能個体数は平均500 - 1000個体といわれる[2][3]。また、それらの影響を加味した場合は、最小存続可能個体数は1000以上になると考えられる。
関連用語

ダンバー数

個体群生態学

個体群ダイナミクス

有効個体数

脚注^ A・マッケンジー他『生態学キーノート』(2001年、シュプリンガー・フェアラーク東京
^ Lehmkuhl J (1984). “Determining size and dispersion of minimum viable populations for land management planning and species conservation”. Environmental Management 8: 167-176. 
^ Thomas CD (1990). “What do real population dynamics tell us about minimum viable population sizes?”. Conservation Biology 4: 324-327. 


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