日本と韓国とベトナムは、中国書道の影響を取り入れつつも独自の感性と書風を生み出している。
日本詳細は「日本の書道史」を参照
漢字由来のひらがなやカタカナといった固有の文字がある日本の書道は、特にひらがなの曲線で漢字の永字八法から外れた技術を要する[23]。使用する紙に関しては、固有の和紙を重視する。
幾つかの異体字は、使用が人名用漢字で認められている。また歴史的仮名遣の「ゐ」「ゑ」「ヰ」「ヱ」は、昭和初期まで公教育で使われていたため、書においても(いろは歌[24]ほか古典の作品で)散見される。
韓国詳細は「書戟B(朝鮮)」を参照
現代韓国語のハングル文字の使用は、伝統的な中国書道では使われない新たな技法の書作が必要とされた。
ベトナム詳細は「ベトナムの書法(英語版)」を参照
ベトナムは、漢字に基づく古いベトナムの書記体系チュノムと漢字を廃止し、ラテンアルファベットに置き換えた。しかし、書道ではその伝統が保存され続けている[25]。
(漢字文化圏を除く)東アジア
ギャラリー
モンゴル書道
満洲文字で書かれた印章
ボン教の経典(チベット)
水書
モンゴル詳細は「モンゴル書道」を参照
モンゴル書道もまた、道具から様式に至るまで中国書道の影響を受けている。
チベット詳細は「チベットの書法(英語版)」を参照
チベット書道はチベット文化の中心である。文字はインドのブラーフミー文字から派生している。高僧ラマやポタラ宮に住んでいた同国の上流階級は、一般に有能な書家だった。チベットは数世紀にわたって仏教の中心地であり、同宗教は記された言葉(各宗派に伝わるお経)に大きな重要性を置いている。ダライラマをはじめ様々な権威から送られた手紙を含む、ほぼ全ての宗教高位者の記述が書にあたる。書としてはマニ車にあるものが有名だが、この文字列は書作ではなく鍛造したものである。筆記具はもともと葦を使っていたが、チベットの書家は現在、ペン先が鏨状(chisel tipped)[注釈 4]のペンやマーカーも使用している。
水書詳細は「水書板」を参照
水書(すいしょ)は、床上で水だけを使って行うもので、数分以内に乾いてしまうその場限りの書作である。この慣行は、中国の公園において特に定年後の中国人に好評である。しばしば同国の観光地には伝統的な中国書法を観光客に提供するスタジオショップが開かれており、来客者の名前を書いたりする。
日本では、書道の練習道具として水書板を使うことがある。 フィリピンには、スヤト文字 (Suyat
(ベトナムを除く)東南アジア、南アジア
ギャラリー
タグバヌワ文字の書作がある楽器Tube zither(フィリピン)
ハヌノオ文字の書道と弓(フィリピン)
11世紀のタミル文字とサンスクリット文字の石碑文(インド、ブリハディーシュヴァラ寺院)
フィリピン
やがて国内の芸術家や文化専門家が、植民地時代に使用されなくなった幾つかのスヤト文字も復活させた(具体的にはKulitan、badlit、Iniskaya、Baybayin、Kur-itanなど)[27][28][29]。こうしたスヤト文字による書は、まとめてフィリピンのスヤト書道(Filipino suyat calligraphy)と呼ばれる[30][31]。西洋アルファベットやアラビア文字を使ったものも(スペイン植民地時代の過去があるので)フィリピンで普及しているが、これらはスヤト文字ではないためスヤト書道とは見なされない[32][33]。
インド詳細は「インドのカリグラフィー」を参照
インドのカリグラフィーでは、宗教上の経典が最も典型的な用途である。出家した仏教徒のコミュニティには書の訓練を受けた者達がおり、聖典を写経する責務を共有していた[34]。ジャイナ教信者は、自分達の聖人を祝う挿絵付きの写本を導入した。これらの写本は、ヤシの葉や白樺などの安価な素材と見事なカリグラフィーを用いて作成された[35]。 ネパールの書道は、主にランジャナー文字を用いて創作されている。この文字自体、ネパール、チベット、ブータン、モンゴル、日本沿岸、韓国では六字大明呪ほかの神聖な(主にサンスクリット語とパーリ語から派生した)仏典を記すのに使用されている[要出典]。 ヒエログリフは古代エジプトで使用されていた正式な書記体系である。ヒエログリフは、表語文字、音節、アルファベットの要素を組み合わせたもので、合計で約1000の異なる文字がある。 エチオピア(旧名アビシニア)のカリグラフィーは、セム語族向けに特別に開発されたゲエズ文字と共に始まった。 碑文南アラビア文字は、8世紀まで幾つかの碑文に使用されていたが、ダモト王国以降では見られなくなった。 ゲエズ文字による初期の碑文は紀元前5世紀に遡り、一種のゲエズ祖語(ESA)で書かれたものは紀元前9世紀まで遡る。。この文字は左から右に読まれ、他の言語(通常はセム語)でも書けるよう適応されている。 マヤ文明のカリグラフィーはマヤ文字で表現されていた。現代マヤ地方のカリグラフィーは、メキシコのユカタン半島で主に印章や記念碑に使われている。マヤ文字が政府機関で使われることは滅多に無い。ただし、カンペチェ、ユカタン、キンタナロー
ネパール
アフリカ
エジプト
エチオピア/アビシニア巻物に描かれたスセニョス1世の絵とゲエズ文字の呪文は悪霊退散を目的としたもの。(英ロンドン)
アメリカ大陸
マヤ文明