書道
[Wikipedia|▼Menu]
昭和の三筆@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}日比野五鳳手島右卿西川寧[要出典]
近代書道の父日下部鳴鶴
現代書道の父比田井天来

筆跡

中国の筆跡は中国の筆跡一覧を、日本の筆跡は日本の書道史の各時代を、墨跡は禅林墨跡をそれぞれ参照のこと。
書論

書論とは書道に関する理論のことで、一般にはその著作物を指し書論書ともいう。

芸術はまず物作りから始まり、あとから理論が体系付けられてくる。長い書の歴史の中で文字を書くという行為が造形芸術となり、中国・日本で書道に関する理論が展開された。中国の場合、文字や書体の起源から始まり、書法、書品などを述べることが多く、初期の書論においてすでに書の本質的な価値が論じられている。これに対して日本の書論では書式や故実が語られ、中世・近世は特に家の格式や書風を伝えることの価値が重視された[4][5][6]。詳細は「日本の書論」および「中国の書論」を参照

現存する中国最古の書論は、後漢時代に著された趙壱の『非草書』である。日本最古の書論は、唐様では空海の『遍照発揮性霊集』(空海の弟子・真済が空海生存中に編集)、和様では平安時代後期(1177年以前)に著された藤原伊行の『夜鶴庭訓抄』とされる。また藤原教長の口伝を藤原伊経が記録した書道秘伝書『才葉抄』も1177年頃のものである[7]
基本用具古典(九成宮醴泉銘古典の学習(臨書)
用具

毛筆による書道の場合、が最低限必要な用具であり、これらは文房四宝と呼ばれる。墨が固形の場合、も必要となる。このほか、毛氈と呼ばれる下敷きも多用される。

文房四宝硯絵画におけるパレットと用途は同じである。墨を磨る、或いは墨汁をためておく役割を果たす。通常、石材が用いられるが、中には陶器や漆器などで出来たものもある。近年の学童用としては、セラミックやプラスチックで出来たものも使われている。
などの動物の毛をまとめての柄の先に取り付けたものが一般的である。ほかに、マングース孔雀などもある。楷書用の大筆は八分目までおろし、行草用は根本までおろして使うのが良いとされる。小筆は半分以上おろさない方がよい。
紙大量生産された書道用紙が多く用いられるが、高級なものでは画仙紙和紙なども使用される。
墨インクである。植物油石油などので固め、保存性を高めたものが市販されている。煤を植物油や石油から採ったものを「油煙墨」、松から採ったものを「松煙墨」という。また、液体として墨汁も多用される。


文鎮 - 紙を固定するための重りである。大きさや重さに特に制限はない。

古典

書の古典とは、先人たちの努力と創意の積み重ねにより生まれた美しい筆跡であり、この古典を学ぶことが最も正統な書の学習とされる。書を究めることは容易ではないが、古典を学び先人たちの書とその変遷を知ることにより学書者に指針を与え、さらに作品の深さや心の高さなど独りでは到底到達できない境地まで引き上げる効果が期待できる[8]。古典は数多くあるが、最初に学習すべき各書体の基本的な古典は通常以下のものとされる。

楷書九成宮醴泉銘孔子廟堂碑[9]
行書集王聖教序蘭亭序[9]
草書書譜[9][10]
隷書乙瑛碑曹全碑[9]
篆書泰山刻石石鼓文[9]
かな高野切第一種高野切第三種[9]

臨書

手本を見ながら書くことを臨書(りんしょ)といい、古典などの学習手段とされている。臨書には、形臨(けいりん)、意臨(いりん)、背臨(はいりん、暗書(あんしょ)とも)の方法があり、それを用いて技術・書作の原理を習得し、創作活動への自己の成長を図る。対象となる手本の全部を臨書することを全臨といい、その一部の臨書を節臨という[11][12]。臨書は古来から行われており、奈良時代光明皇后による王羲之の『楽毅論』の臨書が正倉院に現存する。臨書に対し、他人の書を参考にしないで、自分で創意工夫して書くことを自運(じうん)という[13]

形臨字形を真似することに重点を置いて書く。手本にできるだけ忠実に字形や用筆法だけを模倣し、もっぱら技術面の習得を図る。
意臨筆意を汲みとることに重点を置いて書く。作品が生まれた時代背景や作者の生き方、精神性まで模倣する。
背臨手本を記憶した後、手本を見ないで記憶を頼りに書く。その書風を自分のものとして他の作品にも応用していく。

技法詳細は「書法」を参照
学校教育
中国

中国では書法(sh?f?)と呼ばれ、初等教育で指導される。簡体字移行後も繁体字での書道教育も模索された時期があるものの、政策としての簡体字推進に矛盾することから現在は簡体字の指導で統一される。硬筆ボールペンなどの書道教育も試みられている。また、中国各地に書法協会が存在し、公教育から離れた立場で書道の発展に貢献している。
日本教室
小学校・中学校

日本では国語科の書写として、小学校3学年 - 6学年と中学校全学年の授業での毛筆による指導が定められている。

GHQ時代には1951年まで禁止命令が出ていた。1971年に小学校での必修化が復活した[14]。戦後は基本的に新字体で行われる。
高等学校

高等学校では音楽・美術などと並び、書道が芸術科の選択科目として配置されている。

書道科(専攻・コース等)を設置している高等学校(選択科目としてのコースを除く)には、以下のものがある。

埼玉県立大宮光陵高等学校 書道科

埼玉県立伊奈学園総合高等学校 芸術系 書道

埼玉県私立本庄第一高等学校体育・芸術専攻 書道

静岡県立沼津西高等学校 芸術科 書道専攻

静岡県私立浜松学芸高等学校 芸術科 書道課程

静岡県私立浜松学院高等学校 普通科 書道コース

奈良県立桜井高等学校 普通科 書芸コース


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:56 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef