暴力団
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2022年末時点で構成員と準構成員の総数2万2400人の年齢構成は、20歳代が5.4%、30歳代が12.9%、40歳代が26.3%、50歳代が30.8%、60歳代が12.5%、70歳以上が11.6%で、50歳代以上で半数以上の54.9%を占め、平均年齢は54.2歳である[27]。但し、前述したように、暴力団構成員及び準構成員の減少の一部に半グレグループに流れた者がいること[24]、及び暴力団側も近年は新人や下部メンバーを組員として登録せず、傘下の半グレ集団の一員として活動させているとも言われており[25]、若者の暴力団離れが進んでも、他の犯罪組織グループに属していることに留意する必要がある。

1966年(昭和41年)末の時点で、20歳未満は6.3%(9,261人)、20歳代は49.8%(73,259人)、30歳代は29.5%(43,466人)、40歳代は9.0%(13,238人)、50歳代以上は5.4%(7,947人)と、40歳未満の層が約85.6%を占めていた。

1984年(昭和59年)末の時点で、20歳未満は1.8%(1,679人)、20歳代は22.6%(21,205人)、30歳代は39.3%(36,945人)、40歳代は25.8%(24,186人)、50歳以上は10.5%(9,895人)と、40歳未満の層が約63.7%を占めていた。

1989年(平成元年)版犯罪白書は、若者の暴力団離れと暴力団構成員の中高齢化が進んでいることを指摘しており、暴力団の高齢化自体は、この頃には既に進んでいた[28]

2006年(平成18年)末の時点で、20歳未満は0.1%、20歳代は12.6%、30歳代は30.6%、40歳代は22.1%、50歳代は20.5%、60歳代は11.8%、70歳以上は2.3%であり、40歳未満の層は約43.3%に過ぎず過半数を下回った[29]

2014年(平成26年)末の時点で、20歳未満は0.0%、20歳代は5.1%、30歳代は21.2%、40歳代は33.2%、50歳代は18.5%、60歳代は15.8% 70歳以上は6.2%と、40歳未満の層は約26.3%に過ぎなかった[30]

2019年(令和元年)末の時点で、20歳未満は0.0%、20歳代は4.3%、30歳代は14.0%、40歳代は30.4%、50歳代は28.2%、60歳代は12.3%、70歳以上が10.7%と、40歳未満の層は約18.3%に過ぎず、50歳代以上が51.2%と過半数を占めた[29]

2022年(令和4年)末の時点で、20歳未満は0.5%、20歳代は5.4%、30歳代は12.9%、40歳代は26.3%、50歳代は30.8%、60歳代は12.5%、70歳以上は11.6%と、40歳未満の層は約18.8%に過ぎず、50歳代以上が54.9%と過半数を占め、暴力団構成員の平均年齢が54.2歳(警察庁独自の試算では成人男性の平均年齢は2023年1月時点で55.3歳)となっている[31]

構成員の出自「街宣右翼#暴力団とのつながり」も参照

デビッド・カプランとアレック・デュブロの共著になる『ヤクザニッポン的犯罪地下国と右翼』(第三書館)には、「非公式なものであるが、警察は、日本の最大広域暴力団・山口組の構成員2万5千人のうち約70%の者が部落出身者であり、約10%の者が韓国人等の外国人であると考えている」という記述がある[32]。ただし、原書のみ。邦訳版では削除。加藤久雄が、自身の論文の中でこのデータを引用した。

宮崎学大谷昭宏共著の『グリコ・森永事件 最重要参考人M』では「マイノリティが絶対絡んでいると思う。これが関西の事件の特殊性である。たとえば、構成員千人のヤクザ組織があったら、そのうち九百人までがマイノリティである」「関西でヤクザといえば、どうしてもマイノリティになる」と記されている[33]

公安調査官菅沼光弘は、2006年10月19日に行われた東京・外国特派員協会における講演で、山口組のナンバー2である高山清司から聞いた話として、暴力団の出自の内訳は部落(同和)60%、在日韓国・朝鮮人30%、一般の日本人など10%であるという見解を示した[34]。なお、菅沼の現職時代の担当は共産圏分析。また公安調査庁は暴力団自体が管轄外。

山口組顧問弁護士を務めた山之内幸夫は『文藝春秋』昭和59年11月号に寄せた「山口組顧問弁護士の手記」において「ヤクザには在日朝鮮人や同和地区出身者が多いのも事実である」「約65万人(当時)[注釈 2]といわれる在日朝鮮人のうち約50%が兵庫・大阪・京都に集中していることと山口組の発展は決して無関係ではなく、山口組は部落差別や在日朝鮮人差別の問題をなしにしては語れない」と述べた[35]

被差別部落の詩人植松安太郎は「ご承知のとおり山口組のなかの70%は部落民だといわれているけれど、関東だって切った張ったのやくざの手下や用心棒のなかには部落民がいっぱいいるわけですよ」と語っている[36]

猪野健治は、『やくざと日本人』の中で、「ヤクザ組織の構成員は、そのほぼ70パーセントが階層底部に沈殿する被差別階層で占められている」と記している[37]。また、昭和中期の関西北部九州部落の悲惨な現状を取り上げ、日本社会に「やくざとなるか土方になるか」しか、選択肢の無い若者が多く存在する事がやくざの温床であるという見解を示しつつ、自身の取材から得た印象として、もとより体系的な統計があるわけではないが、と断りながらも、現在の暴力団員の半数は部落も在日朝鮮人も出自に持たない「市民社会からのドロップアウト組」だろうと推測している[38]

2022年の政府統計によると、その年に刑務所に入った受刑者のうち暴力団加入者の国籍別比率は、日本国籍587人で約97.2%、韓国朝鮮籍11人で約1.8%となっている[39]

溝下秀男は二代目工藤連合草野一家(後の三代目工藤會)総長時代の2007年に発売された映像作品『ドキュメント・九州任侠界 クライシス21』でのインタビューにて、学校に行ってない者や、部落、在日韓国人・朝鮮人などが組織の7割方占めている旨を語っている。

六代目山口組組長・司忍は2011年に行われた産経新聞のインタビューにて「山口組には家庭環境に恵まれず、いわゆる落ちこぼれが多く、在日韓国、朝鮮人や被差別部落出身者も少なくない」と語っている[40]

元・読売新聞記者で長年、日本の暴力団を取材した経験を持つジェイク・エーデルスタインは、自身のブログの中で「今日のヤクザの約3分の1は韓国系」と記述している[41]

弁護士・遠藤誠は1992年2月に放送された『朝まで生テレビ!』の「激論! 暴力団はなぜなくならないか!?」と題した回に出演の際、日本全国の暴力団員と接触したうえでの結論とし、「3分の1は同和地区出身、残り3分の1は在日韓国人・朝鮮人、残り3分の1は社会的落ちこぼれ」だと語っている。

溝口敦は『週刊ポスト』2017年 7/21・28 合併号の「ヤクザと在日」と題した記事にて「暴力団業界に在日が多いのは事実」とし、「在日韓国・朝鮮人や被差別部落出身者を排除しない」という伝統的な側面を紹介している[42]

1994年に韓国の週刊誌『時事ジャーナル』が在日韓国人・朝鮮人のヤクザの実態と歴史について取材している[43]。稲川会の相談役である韓国生まれの在日1世のヤクザによると6万人いるヤクザのうち約10%の6千人が在日だと話し、中間幹部クラスに多くても代表クラスには少ないと言い、その理由は外国籍の人物が7年以上の服役を経験した場合、国外退去になる日本の法律のためで、それなりの犯罪を犯した在日のヤクザは逮捕される前に韓国に密航するため、釜山には日本から逃亡した在日のヤクザが多いという。山口組の大阪本部顧問である在日のヤクザは在日がヤクザ業界で勢力を持つに至った理由を話している、太平洋戦争が終わった後、米軍に占領された日本は警察が無いも同然で、日本に残った在日たちが日本の主要な闇市を独占して繁栄した、東京銀座東声会が、大阪ミナミ明友会が掌握していったが大阪は同じ在日のヤクザである柳川次郎率いる柳川組が先頭に立った山口組の攻撃を受け崩壊した、五代目山口組直系幹部120人のうち20人を柳川組出身の在日が占めた。在日のヤクザは日韓両国政府の極右関係者と緊密に接触し用心棒の提供、利権事業への参加などを行い、在日本大韓民国民団の行動部隊として朝鮮総連への破壊工作も行っていたという。韓国政府と緊密になったきっかけは1965年の日韓会談で、韓国側の政界人の警護を東声会と柳川組が中心となり韓国系ヤクザが数百人規模で引き受けた、その対価として韓国で政界関係者との親交を誇示すれば日本の警察に手配された時に韓国へ逃避する条件も与えられた。日本の政財界の実力者と交友を結んでいた在日のヤクザ幹部に韓国情報機関は情報源として依存し、サッカー卓球などの国際試合が日本で開かれるときに韓国代表は在日のヤクザに財政的に支援を受けた、これらの過程を経て韓国政府から韓国国内への風俗店、賭場、ホテル業への進出が認められたという。

2011年に韓国の月刊誌『月刊朝鮮』は在日韓国人のヤクザである極東会会長・松山眞一を取材している[44]。自身の生い立ちや日韓両国の政治家、在日韓国人の有名人との親交、在日本大韓民国民団との関わりなどについて語っている。

2020年現在、指定暴力団に指定されている24団体のうち在日韓国人・朝鮮人が代表に就いたことがある団体は過去も含めると10団体である。

構成員、準構成員、密接交際者であることのデメリット

2000年代に各都道府県や市町村で暴力団排除条例が施行されると、条例の目的に沿って各種事業者は、契約を結ぶ相手方との間で暴力団関係者か否かについて口頭または書面で確認しなければならなくなった[45]


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