暗号
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また以上のようなセキュア通信のための狭義の暗号に限らず、相手の身元を確認する認証や改竄の検出、貨幣の偽造防止技術、電子署名認証ハッシュ関数電子マネーその他、情報セキュリティの多くの局面で、暗号はキーテクノロジとなっている。

なお、暗号化の逆の操作を表す語は「復号(英語: decryption)」であり、本来符号化に対するそれ(英語: decode)同様「?化」とはしないが、「復号化」という誤用はかなり広く定着している。
暗号学

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暗号理論」を参照「Category:暗号技術」も参照
歴史

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暗号史」を参照
種類

まず、古典的な暗号と現代的な暗号を分けるものとして、ケルクホフスの原理がある。現代的な暗号理論よりも前の時代には、暗号の「方式」と「鍵」の識別は明瞭ではなかったし、そのどちらも秘匿されねばならぬものであった。すなわち攻撃側の視点からは、方式がわかってしまえば、それによって、鍵を得ることも容易になってしまうのであった。現代の暗号は、秘密は鍵に集中しており、その方式はむしろ公知のものであったほうが、その強度なども広く研究されているために、むしろ安全である。

鍵を使わない方法は、一度敵に知られた方法は二度と使えない、暗号の信頼性を客観的に評価することができないなどの問題がある。例えば単純なシーザー暗号は、方式自体がバレないようにしなければ安全性が保てないほど脆弱であるし、ある程度の量の暗号文があれば何百年以上も前からある頻度分析という手法によって方式自体もバレてしまう。それに対し鍵を使う方法は、アルゴリズム自体を敵に知られても構わない方式を目標としており、一度考案した方式は鍵を変えることで何度でも使える、アルゴリズムを広く公開することで信頼性を十分に検討できる、などの多くの利点がある。

近代以降になると、このように「鍵さえ秘密にしていれば暗号化・復号の方法を公開しても安全が保てる」ことが暗号にとって望ましい性質であることが明確化された(ケルクホフスの原理)。

古典暗号の時代の「サイファー」の主要な2種類は、以下の二つである(暗号システムとしては、他にも多種多様なものが考案された)。

換字式暗号 - ある文字に別の文字を割り当てる。単一換字、多表式換字などがある。

転置式暗号 - 文字の順序を並べ替える。

上の2つの分類は、現代暗号でもなんら変わるものではないが、現代的には次のような暗号の分類がある。このうち前者の共通鍵暗号は、分類としては古典暗号時代からなんら変わらぬ暗号の方式であって、「現代暗号の分類」とするのはむしろおかしいのだが、後者との対比としてしばしば挙げられるものである。後者の公開鍵暗号は、暗号をその時代の最新の数理で検討するようになった現代暗号ならではの暗号と言える。

共通鍵暗号 - 暗号化・復号で同じ鍵を使う。

公開鍵暗号 - 暗号化・復号で異なる鍵を使う。

近代以降、前述のように、秘密は鍵に集中すべきことから、暗号の問題は鍵の配送(共有)にあることが明確になった。暗号系を含む全体を通信システムとして検討したならば、そもそもそのような「鍵」をやりとりできるほどに安全な通信路があるならば、その通信路で本文も通信してしまえば良いからである。この問題には、公開鍵暗号方式の発明によって一応の決着が付いた。すなわち、公開鍵暗号であればその非対称なペアになっている鍵のうちの片方は秘密ではないため、配送の問題が生じないからである。ただし通常は計算量の理由から、公開鍵暗号を本文の暗号通信に直接使うことはせず、公開鍵暗号を利用した安全な鍵交換方式によって共通鍵を安全に交換し、その鍵によって共通鍵暗号通信をおこなう。

コードやサイファーのような記号による暗号ではなく、スクランブル(信号の切り混ぜ)といったアナログ技術による広義の暗号システムとしては、かつてアナログ電話の時代に盛んに研究されたものがある。秘話の記事を参照。

さらに、より「アナログ」な事例としては、少数民族の言語や方言などによる、相手側が仮に傍受しても瞭解が不可能な会話を利用したものがある[1]。太平洋戦争での事例として、アメリカ側はナバホ語による通話を利用し(コードトーカー)、日本側は薩隅方言による通話を利用した[注釈 3]

具体的な暗号方式の一覧は、暗号理論を参照。
コードの例

ルイ14世の大暗号(ロシニョールが作成): コードブックは「act=486、ion=102、…」のように音節単位で3桁の数に対応させる(600個程ある)。暗号文「486-102」を復号すると act-ion になる。19世紀末フランス軍の暗号解読者バズリが解読を発表した。

日露戦争で使われた暗号文:「アテヨ イカヌ ミユトノケイホウニセツシ、ノレツ ヲハイタダチニヨシスコレヲワケフ ウメルセントス、ホンジツテンキセイロウナレドモナミタカシ」。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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