内幸町のNHK東京放送会館に移転後は放送時間が30秒前からに短縮され、音源も電気ピアノから音叉発振器に変更され、時報専用のスタジオからの放送ではなくなった。1945年(昭和20年)12月1日からは毎正時に放送されるようになった。
1950年(昭和25年)には放送時間が3秒前からになり、予報音3回・正報音1回という現在の形に変わった[8]。
ラジオでは放送事故を避けるため、時報前の無音部分が非常に短い。ラジオ第1、FM放送で1時に放送を終了する場合、東京を除き時報が流れない。また、時報が流れる時間帯にまたがって緊急地震速報が出された場合は、NHKワールド・ラジオ日本の日本語放送を含めたすべての放送波で時報は流れない。
NHKテレビ「NHK時計」も参照かつてNHKテレビで使用された時報用時計表示装置(NHK放送博物館蔵)。
総合テレビでは2004年(平成16年)3月28日まで、教育テレビ(Eテレ)では地上アナログ放送終了前日の2011年(平成23年)7月23日まで[注釈 3](岩手県・宮城県・福島県では2012年(平成24年)3月31日まで)時報が流れていた。
デジタル・アナログ両方のBS放送の他、2003年(平成15年)12月からの4か月間は、地上デジタル放送でも独自の時報を流していた。
時報前の無音部分は、地上アナログ放送では1000ミリ秒だった。 民間放送では、時報をコマーシャルメッセージ枠として販売している例が多い。 正報音のみで正時を知らせる(「ポーン」の形)ものもあれば、予報音も併用して数秒前から知らせるものもある。予報音の回数は3点時報の場合は正時の3秒前から3回(「プッ、プッ、プッ、ポーン」の形)、2点時報の場合は正時の2秒前から2回(「プッ、プッ、ポーン」の形)鳴らされる。 予報音が特徴的なものとしてはニッポン放送と秋田放送ラジオ(過去)の鳩時計をイメージした「ピッポッ、ピッポッ、ピッポッ」や文化放送・静岡放送(過去)・InterFM・LOVE FM・FM NORTH WAVE のように独自に制作されたメロディのもの、TBSラジオのように2点時報に独自メロディが重なるもの、ラジオ日本・STVラジオのチューブラーベルの音(しかも打鐘は秒と一致していない)がある。AFNでは、まれに電話のプッシュトーン様の音が正時のタイミングのみに発出される事がある。また、STVラジオは札幌時計台の鐘の音の生放送を時報に使用することもある。ABCラジオは正報のみであるが、独特の低い音(「ド」音だが、一般的なものより1オクターヴ下)が鳴る。山口放送では、正時前は鐘の音、正報は電子音を使用している。FM PORTでは、正時20秒前から予報音の代わりにフリー音源を流し、7秒前になると外国人の男性(昼のみ子供)のアナウンスが入った後、時報を流していた(例:13時の場合 “FM port the time now is 1 p.m.”)。 スポットCMの一種として時報とセットでCMが放送されることも多い[9]。日本で最初の時報CMは、日本初の民放ラジオ放送局である中部日本放送(現:CBCラジオ)が放送開始した1951年(昭和26年)9月1日に、最初の正時であった午前7時に流された「精工舎の時計が、ただ今、7時をお知らせしました」という内容のものであった[10]。現代ではCMと併せて30秒程度の放送枠で流され、アナウンスは「(スポンサー名)が○時をお知らせします→時報」という形態が一般的となっており、ラジオCMの中でも強い印象を与えるもので記憶に残りやすいとされている[9][10][11]。全国区の時報CMとしては「スジャータ」(めいらくグループ)が有名で、1976年(昭和51年)に地元の名古屋向けに放送を開始すると全国のAM・FM併せて46局まで放送エリアを拡大したが、2012年(平成24年)末で全ての放送を終了した(その後2018年4月から名古屋地区でテレビCMとして復活した)[12]。 岐阜放送ではradiko参加前、時報の前は時報スポンサークレジットのみ流れ、時報の後に時報スポンサーCMが流れていた。また、Kiss-FM KOBEはJFNに加入する前には本来時報を流す時間帯に「MUSIC CLOCK」という特定の音楽を流していた(ここにスポンサーが付く事もあり、英語の時刻告知を伴っていた時期もある)。スポンサーがない場合は、「(放送局名)が○時をお知らせします→時報」となる場合が多い。J-WAVEなど後発のFM局では時報をほとんど流さない局も多い。ZIP-FMではBEEP(ビープ)音(ピッ・ピッ・ピッ・ポーン)を入れた時報を一切使用せず、各番組(各放送番組開始前)の区切れを中心に『タイム・シグナル』と呼ばれるものを入れている。通常は、タイムシグナルが使われていて、歌に乗せてスポンサー名と、堀田和則(開局時から担当)によるアナウンスが入る。例えば3時の場合、タイムシグナルは2時59分30秒から音楽が鳴り始める。「〇〇が3時をお知らせします。」と言い終わったところで丁度3時になる。 民放テレビの場合、元々在京キー局や一部の地域を除いて時報を流す局は少なかったが、在京キー局でも時報を流さないケースが多くなった。これは、特にゴールデンタイムの番組編成で「跨ぎ」と呼ばれる毎時54分や57分開始などのフライングスタートを行う手法が採られる様になったためと、地上デジタル放送が開始されたためである。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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