時報
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現代ではCMと併せて30秒程度の放送枠で流され、アナウンスは「(スポンサー名)が○時をお知らせします→時報」という形態が一般的となっており、ラジオCMの中でも強い印象を与えるもので記憶に残りやすいとされている[9][10][11]。全国区の時報CMとしては「スジャータ」(めいらくグループ)が有名で、1976年(昭和51年)に地元の名古屋向けに放送を開始すると全国のAM・FM併せて46局まで放送エリアを拡大したが、2012年(平成24年)末で全ての放送を終了した(その後2018年4月から名古屋地区でテレビCMとして復活した)[12]

岐阜放送ではradiko参加前、時報の前は時報スポンサークレジットのみ流れ、時報の後に時報スポンサーCMが流れていた。また、Kiss-FM KOBEJFNに加入する前には本来時報を流す時間帯に「MUSIC CLOCK」という特定の音楽を流していた(ここにスポンサーが付く事もあり、英語の時刻告知を伴っていた時期もある)。スポンサーがない場合は、「(放送局名)が○時をお知らせします→時報」となる場合が多い。J-WAVEなど後発のFM局では時報をほとんど流さない局も多い。ZIP-FMではBEEP(ビープ)音(ピッ・ピッ・ピッ・ポーン)を入れた時報を一切使用せず、各番組(各放送番組開始前)の区切れを中心に『タイム・シグナル』と呼ばれるものを入れている。通常は、タイムシグナルが使われていて、歌に乗せてスポンサー名と、堀田和則(開局時から担当)によるアナウンスが入る。例えば3時の場合、タイムシグナルは2時59分30秒から音楽が鳴り始める。「〇〇が3時をお知らせします。」と言い終わったところで丁度3時になる。
民放テレビ

民放テレビの場合、元々在京キー局や一部の地域を除いて時報を流す局は少なかったが、在京キー局でも時報を流さないケースが多くなった。これは、特にゴールデンタイムの番組編成で「跨ぎ」と呼ばれる毎時54分や57分開始などのフライングスタートを行う手法が採られる様になったためと、地上デジタル放送が開始されたためである。在京キー局でアナログ放送終了まで時報音を鳴らしていたのはTBSテレビ[注釈 4]のみであった。

地上デジタル放送開始後は、放送中継回線の完全デジタル化によって信号の伝送遅延や符号化遅延・復号遅延が発生し、特に地上デジタル放送の場合は地域(中継局への伝送経路)やテレビ受像機の性能によって遅延時間が異なるため正確なタイミングで時報を放送できず、画面上への時刻表示とともに廃止された。なおアナログ放送での時刻表示については、BSアナログ放送の場合は遅延時間をほぼ一定に保つ事ができ、また地上波では地域拠点局から時刻表示を乗せたため中継回線による遅延をほぼ解消しており、このように早めに時報・時刻信号を送る事で時報・時刻表示を実現していた。

日本の民放テレビ最初のCMは、日本テレビの開局日である1953年(昭和28年)8月28日に放映された精工舎(現・セイコー)の正午の時報である。当時の放送関係者の証言によると放送機材の操作に慣れていなかったため、フイルムを裏返しのまま放映してしまい音がまったく出ない「音なし」の状態で30秒間放送されてしまう、日本初の放送事故となった(フィルムには、映像部分の横に音を再生するためのサウンドトラックがあり、フィルムが逆向きになると音が再生されなかった)。なお、時報音はフィルムと関係なく挿入されたため正確に出た[注釈 5]。ちなみに同日の午後7時の時報は無事に放映され、これが現存する日本最古のテレビCMである。翌29日の正午には、本来はテレビCM第1号になるはずだった「正午の時報」が無事に放映された。

放送大学では、スカパー!との同期放送を開始するまでは正時と番組の切れ目とが重なる時及び6時と24時(放送開始時と放送終了時)にNHKと同様の時報を流していた。これはテレビ・ラジオ共に行われていた。
インターネットサイマル放送

民放ラジオ局のサイマル放送サービス、radikoでは、配信にタイムラグが生じる。各局の設備の都合により、時報を省略する・そのまま流す・代替音を流す、と対応がさまざまに分かれている[注釈 6]

NHKネットラジオ らじる★らじるでは、440Hzと880Hzのカットフィルタにより時報音のみを除去して対応している(実際はわずかに「カチッ、カチッ」という音が残っている)[15]
日本における電話の時報初期の時報サービス装置。左にテープ再生盤が並んでいる。

NTT(東日本電信電話西日本電信電話)では、電話サービスの1つとして電話番号「117」にて、通話時点の時刻を24時間リアルタイムで提供している。有料で、全国どこからでも市内通話料金である。なお通話は6分から12分で自動切断されるようになっており、つなぎっぱなしにすることはできない。

毎秒、秒音(ピッ、ピッ、ピッ…)が流れ、10秒毎に秒音と同時に時報音が流れている。30秒と毎正分の際には、3秒前から秒音と予報音が流れる。そして、午後12時丁度を迎える際には唯一「午後0時丁度をお知らせします」とはアナウンスされず、「正午をお知らせします」とアナウンスされる。また、日付が変わる際は特に「○日になります」などは無く、ただ単に「午前0時丁度をお知らせします」と流れるだけである。これは年を跨ぐ1月1日を迎える際も同様である。アナウンスは時刻の予告であり直後の「ポーン」の音で時間が合う。

元々は1951年(昭和26年)11月11日に日本電信電話公社の市内案内台(後の「104」電話番号案内)が提供する無料サービスの一つとして始まり、交換手がその場にある時計で時刻を分単位で案内していた[16][17]

本格的な時報サービスは、1955年(昭和30年)6月10日時の記念日)に東京223番(利用時間 午前6時から午後10時)で試験的に開始された。同年1月開始の「天気予報サービス」に続いてのことだった。9月1日には横浜1178番、10月1日には大阪1178番、11月3日には名古屋511番、12月1日には京都・神戸1178番で順次サービスを開始。

1957年(昭和32年)1月1日から正式なサービスとして展開され、1964年2月までは地域ごとに電話番号が異なっていた。1964年3月から全国で117番に統一された[18]


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