時刻系
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太陽系座標時(TCB、Barycentric Coordinate Time)は太陽系重心に空間座標の原点を持つ座標時である。TCBはTTと歩度や他の周期項が異なっている。周期項を無視し、長い期間にわたって平均すると両者は以下の関係にある。TCB-TT=LB*(JD -2443 144.5)*86 400秒IAUによるスケール差LBの最も良い評価値は1.550 519 767 72 ×10-8である。

2006年にIAUは、太陽系力学時(TDB)と太陽系座標時(TCB)との関係を次の一次式で定義することを推奨した[3]。TDB = TCB ? LB×(JDTCB ? T0)×86 400 + TDB0

ここで、T0 = 2443 144.500 3725、LB = 1.550 519 768×10?8(定義定数)、TDB0 = ?6.55×10?5 s(定義定数)

JDTCB は、太陽系座標時(TCB)によるユリウス日である。2443 144.5 は、1977年1月1日00:00:00のユリウス日であり、0.000 3725 は、32.184 秒(TTとTAIとの差)である。したがって、T0の 2443 144.500 3725 は1977年1月1日00時00分32.184秒の瞬間であり、この時刻を原点(元期)としているということである。
過去に使われていた時刻系
暦表時(ET)

暦表時(ET)は暦表秒、すなわち回帰年のある整数分の1で定義された秒に基づく時刻系であったが、1984年に廃止され、現在は使われない。暦表秒は1956年から1967年までSI秒の基準であった。地球表面での用途については、暦表時(ET)は地球力学時(TDT)で置き換えられ、TDTはその後さらに地球時(TT)として再定義された。
地球力学時(TDT)

地球力学時(TDT)は暦表時(ET)に代わる時刻系で、暦表時との連続性を維持していた。TDTは一様に進む原子時(TAI)に基づく時間間隔を持ち、SI秒を単位とした。TDTはTAIと結び付いていたがTAIの原点の定義には若干任意性があったため、TDTはTAIと32.184秒という定数秒だけ、ずれを持たせていた。このずれによって暦表時との連続性が保たれた。地球力学時(TDT)は1991年に地球時(TT)として再定義されたので、現在では使われていない。
その他の時刻
ユリウス通日(JD)

ユリウス通日(JD)は紀元前4713年1月1日のGMTでの正午から数えた経過日数である。通常は直前の正午からの経過時間を日の小数で表す。正午を起点にしたのは、通常は夜間に行う天文観測の便を考えて、夜間に日が変わらないようにするためである。
修正ユリウス日(MJD)

修正ユリウス日(MJD)はMJD=JD-2400000.5で定義される。それゆえMJDでの1日は常用日と同じく深夜(midnight)から始まる。ユリウス日はUT, TAI, TDTなどを使って表せるため、正確に表す際には例えば「MJD 49135.3824 TAI」などと表す。
地磁気地方時(MLT)

地磁気地方時(MLT)は地球の磁軸を基準に定めた時刻系である。電離層磁気圏の研究で用いられる。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 日本ではGreenwich Mean Timeを「グリニッジ標準時」と訳すことが多い。

出典^ “4月7日(日本時間)に2度目の「GPS週数ロールオーバー」”. みちびき(準天頂衛星システム). 内閣府宇宙開発戦略推進事務局 (2019年2月25日). 2020年9月24日閲覧。
^ 1日の始まり 暦wiki、暦計算室、国立天文台
^ IAU 2006 Resolution B3, Re-definition of Barycentric Dynamical Time, TDB ⇒[1]


Explanatory Supplement to the Astronomical Almanac, P. K. Seidelmann, ed., University Science Books, 1992, ISBN 0-935702-68-7

関連項目



時計

元期

時代

時間

原子時計

電波時計

標準時

常用時

火星の計時

外部リンク

Time Scales
- 様々な時刻系の解説と天文学的時刻系の歴史、 Steve Allenによる、University of California Observatories

時刻体系について

時刻と暦 - 山賀 進










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