時をかける少女_(アニメ映画)
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千昭がタイムリープをしたことで自らの能力が戻ったと察知した真琴は、未来に戻れなくなった彼を助けるため再び7月13日の理科準備室へ最後のタイムリープを行う。時間の流れの中で、真琴は千昭と出会ってから共に過ごした何気ない日々を思い返していた。

無事7月13日に戻った真琴は友梨に対し、千昭が好きだと告げる。真琴の気持ちに気づいていた友梨は一瞬動揺するが、親友の背中を押す。真琴は、千昭の元へ向かいつつ前回同様、功介と果穂の仲を取り持ち自分の自転車を使わないようにと伝え、一人でグラウンドへ行く。待っていた千昭の手首にまだタイムリープ能力が残っていることを確認した真琴は、タイムリープや未来の話は既に聞いていると話す。

真琴に全てを話してしまったことを後悔しながら未来に戻ることになった千昭のために、真琴は絵が未来でも必ず見られるようにすると約束する。別れ際になっても素直な気持ちを伝えることができない二人は、最後まで憎まれ口を叩き合う。千昭が去ったあと真琴は泣きじゃくるが、戻ってきた千昭が真琴を引き寄せ「未来で待ってる」と言葉を残す。真琴は笑って「すぐ行く、走っていく」と呟く。

時は経ち、千昭は表向きの理由として留学のために学校を退学していた。千昭の秘密を何も知らない功介は、千昭が何も言わずに退学したことについて腑に落ちない様子で真琴に不満を述べる。真琴は「(千昭は)やりたいことが決まったんだよ」と返し、「実は私もさ、やること決まったんだ」と続ける。ふと、真琴が空を仰ぐと晴天の青々とした空と入道雲がどこまでも広がっていた。そして、功介に向かってボールを投げたところで物語は幕を閉じる。
登場人物
紺野 真琴(こんの まこと)
本作の
主人公。東京の下町にある高校に通う2年生。栗色のショートヘアで快活な性格。私服は動きやすい格好が多く、制服も至ってシンプルな着こなしをしている。朝寝坊しがちで、始業時間ギリギリに登校することが日常となっている。学校の成績は中の下。同じクラスで男友達の千昭や功介とは放課後に野球やカラオケをして遊ぶ間柄で、どちらとも恋愛には発展していない。ある日突然、時間を跳躍する「タイムリープ」の能力を身につけ、その使い方に慣れると私利私欲のために能力を駆使する。ミニスカートでのアクションが多いが、スカートが不自然になっても下着が見えないように作画されている。
間宮 千昭(まみや ちあき)
真琴の男友達。高校2年の春に真琴のクラスに転校して来た。オレンジ色の髪で制服もかなり着崩しており、校内でも目立っている。真琴同様、毎朝遅刻ギリギリで登校している。数学の成績は極めて優秀だが、一方で簡単な漢字すら読めない。転校当初は同級生と喧嘩をするような問題児だったが、真琴たちから野球に誘われて以来徐々に感化され丸くなっていった。密かに真琴を意識していた(姿を消したあとに、功介が真琴にその点を伝える描写がある)。功介が後輩に告白されたことに半ば乗っかる形で交際を持ちかけるが、真琴のタイムリープによって「なかったこと」にされてしまう。実は未来からタイムリープで現代にやってきた人物。その目的は、この時代のこの季節にのみ所在が確認されているある絵画を見ることであったが、真琴や功介と一緒にいることがあまりに楽しかったため長逗留することになったと真琴に話している。
津田 功介(つだ こうすけ)
真琴のクラスメイトで、遊び友達。真琴とは中学時代から親交がある。スポーツ刈りの精悍な容貌で、授業中などには眼鏡をかけている。ボランティア部に所属しており、後輩の果穂から告白される。家は病院で彼自身も医者を目指しており、勉学に優れている。将来を真剣に考えない真琴に苦言を呈する一面もある。
芳山 和子(よしやま かずこ)
真琴の叔母で、原作のヒロイン。東京国立博物館で絵画の修復をしている。30代後半だが独身で、浮世離れしたその雰囲気からか、真琴からは「魔女おばさん」と呼ばれている。自身の若い頃と真琴を照らし合わせており、色々と助言じみたことを遠回しに語る。美術館内の自室には、現代の真琴たちとよく似た関係性を思わせる、親しい男子の友人二人と並んで撮影した高校生時代の写真を飾っている。
藤谷 果穂(ふじたに かほ)
ボランティア部に所属する、真琴たちの下級生。引っ込み思案な性格でいつも俯いている少女だが、過去のボランティア部の活動から功介に好意を抱いている。世話焼きな友人が二人おり、彼女らに引きずられるかたちで功介に告白する。
早川 友梨(はやかわ ゆり)
真琴のクラスメイトで、仲の良い女子生徒。スポーティーな真琴とは正反対で非常に女の子らしく、制服も可愛く着こなしている。何かと千昭を気にかけており、真琴を通じて彼のことを知ろうとする。真琴がタイムリープを使ったことが原因で負傷するが、その一件がきっかけとなって千昭と交際する。
紺野 美雪(こんの みゆき)
真琴の妹で中学生。真琴には常々「バカ」と評されているが、真琴より早く起きたり、料理の手伝いを積極的にしたりと真面目な性格。真琴が自室の窓から飛び降りてタイムリープを試そうとしている場面を目撃した際には、自身が彼女のプリンを勝手に食べたことが原因での自殺と勘違いするなど心配性な一面もある。
上杉 盛子(うえすぎ たかこ)
果穂の友人で、ボランティア部所属。髪を後ろで束ねている。
野分 析美(のわけ ともみ[注釈 1]
果穂の友人で、ボランティア部所属。前髪をヘアピンで留めている。
福島(ふくしま)
真琴らの担任教師。担当教科は数学。長髪オールバック・口ひげ・ネックレス・細く整えた眉のチンピラファッションだが、テストの答案用紙に「もっと頑張りましょう」「Excellent!!」と書いて返したり、進路志望を出さなかった真琴を注意したりする真面目な教員。
高瀬 宋次郎(たかせ そうじろう)
真琴のクラスメイト。タイムリープによって真琴が回避した不幸(調理実習での小火)をかぶり、それがきっかけで加藤たちから嫌がらせを受けるが、毎度反撃するため虐めがエスカレートする。やがて原因を作った真琴にその矛先を向けて消火器を投げつけるが、場に居合わせた友梨が巻き込まれてけがを負ってしまう。
加藤(かとう)
真琴のクラスメイト。調理実習の際、小火の対応で(真琴のタイムリープ後に)高瀬から消火器を吹きかけられたことを根に持ち、仲間とともに高瀬との間で嫌がらせをやり合う。
おばさん
坂道で真琴とぶつかる子連れの女性。
作中の設定
タイムリープ

本作ではタイムリープ能力はクルミ形の装置を体に接触させて「チャージ」する設定[注釈 2]。可能な回数が痣のような形で肌に2桁の数字で表示される(残り回数が1回の場合は「01」)。真琴の場合、理科準備室で左腕(肘の上)に装置が触れ、その後は左腕にこの数字が表示されていた[注釈 3][注釈 4]。また真琴が「タイムリープ」の能力を発動するためには助走をつけてジャンプする必要があり[注釈 5]、跳躍先で勢いがついたまま転がり回るため、周囲の人間から訝しがられていた。タイムリープの存在を現代人に知らせることは「ルール違反」と千昭は説明しているが、未来人と関わった人間の記憶を消すという原作や1983年版映画での設定は本作では採用されていない。

千昭が真琴のタイムリープに気づいた経緯や理由は本編では説明がない。絵コンテにおいては、高瀬から「仕返し」を受けそうになった真琴がタイムリープでそれを防いだ際に「おまえ……、今…、ありえないことしなかったか…?」と話すカット(本編未使用)があり[8]、『時をかける少女 NOTEBOOK』には「ある事件の際、真琴が『タイムリープ』していると気づく」という本編描写にはない説明がされている[9]
未来の世界と来訪目的

本作では千昭の未来世界の年代や素性は明確にされていない[注釈 6]。千昭は真琴に現代と未来世界との違いとして「川が地面を流れていること」「空の広さ」「人の多さ」「野球や自転車の存在」を挙げている。千昭が来訪した目的は絵画「白梅ニ椿菊図」(架空の作品)の実物を見ることで、この作品は和子の勤める博物館で修復中だったが、千昭は目にする機会なく未来に帰った。


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