昼ドラ
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石鹸洗剤メーカーがスポンサーに就くことが多いため、米国では昼に放送された「通俗的な連続メロドラマ[8]」が「ソープオペラ」と称される。しかし厳密な翻訳としては昼ドラ=ソープオペラではなく、昼ドラという別個の英語表現も可能である[9]。これは、主婦に商品を売りたい石鹸洗剤メーカーの意向ともいわれるが、アメリカにおける初期のソープオペラに石鹸会社の話があったのが本当の理由である。

日本では、TBSテレビで放送されていた『愛の劇場[注釈 1]』および日本テレビ制作の『愛のサスペンス劇場』には花王が、CBCMBS交互制作の『ドラマ30』と『ひるドラ』および東海テレビ制作の昼ドラにはP&Gが、フジテレビの『ライオン奥様劇場』にはライオンが提供スポンサーになっていた。

の昼ドラは地域社会や職場を舞台にした群像劇となっており、家族問題や社会問題を織り交ぜ、出演者の入れ替えを繰り返して展開してゆく。作品によっては50年にわたって放送されている長寿番組のような作品もある。

撮影はセットごとに行われるため[17][信頼性要検証]必ずしも時系列に沿ってはいない[注釈 2]。このため出演者であっても今どの時期を撮影しているのか完全には把握できず、撮影したシーンを放送でみて初めて理解できるといわれている。出演者の中には「パズルを組むようだ」と表現する者もいる。また、出演場面が多い主役クラスの俳優達は通常のドラマ撮影より拘束時間が長く、それを機に結婚することもあれば、離婚に至ることもあると評されることがある。家庭生活を犠牲にしがちで、すれ違いが多くなるからだといわれているが、真偽のほどは定かでない。

アメリカのプロレス団体であるWWEが、所属レスラー同士での愛憎劇などが繰り返されることから、ソープオペラと呼ばれている[18][信頼性要検証]。
日本

日本の昼ドラは大別すると、「家族親子愛情譚(たん)」、「男女の関係において、演劇的に誇張された愛憎劇」、「(温泉地病院といった)労働の現場における奮闘劇」を題材にしている。ほぼ例外なく中高年主婦層を意識して製作されており、女性キャラクターの視点を中心に描かれる作品が圧倒的に多い。

人気のある作品は何年かにわたってシリーズ化されたり続編が制作されることがある(例『天までとどけ』、『大好き!五つ子』、『はるちゃん』『明日の光をつかめ』など)。さらにDVD書籍・関連グッズの発売(例『ラブレター』『明日の光をつかめ』など)、映画制作(例『砂時計』など)など、派生した展開が行われることもある。

通常、放送は月曜?金曜帯枠であることから、放送回数は「40・45・60回」など5の倍数となっており、報道特別番組により通常時間帯に放送できなかった場合は、時間変更を行って放送するが、放送期間中にオリンピック等の大型スポーツ中継を放送することが予め決まっている場合や年末年始をまたぐ作品(およびまれに改編後の後番組が生放送番組に転換される場合)に関しては、元から放送回数を減少させているケースもある。
歴史

1960年代に、TBSポーラテレビ小説』、フジテレビライオン奥様劇場』をはじめ、各放送局がこぞって昼の帯ドラマの放送を開始した。また1964年1月 - 1966年11月には、朝日放送制作で牛乳石鹸一社提供の昼の帯ドラマ(正式タイトルは不明)を放送していた[注釈 3]

TBS系列(TBS、MBSCBC)制作の作品は、1970年代は第1作目(1969年)[19][20]女の絶唱』にみられるような「よろめきドラマ[21]」が主流で[19]、それ以降は家族や主婦を題材にした感動作やコメディー人情ものが主となった。1980年代には 『わが子よ』などに代表される社会派が目立ち[19]、同年代後半以降の7?8月は夏休みと重なるために親子で鑑賞出来るテーマを用いた作品が多かった。また、1970年代後半からは、15分枠としてMBSが制作する『妻そして女シリーズ』、CBCが制作する「昼の連続ドラマ」を「愛の劇場」から連続して放送していた。

一方、1964年5月に開始した東海テレビ (THK) 制作の作品は、かつては「愛の劇場」と同路線のホームドラマや、日本放送協会(NHK)の『連続テレビ小説』のような女性の一代記的な内容の作品が中心で、『日日の背信』『渚より愛をこめて』のような昼メロ路線[22]の内容も複数放送されていた[注釈 4]。一方、フジ系列で「ライオン劇場」が1984年9月に終了し、1986年放送の『愛の嵐』以降、ドロドロ路線(女性が好む愛憎劇を売り物にする)のドラマが主体となり、2000年代でも『真珠夫人』(2002年)、『牡丹と薔薇』、『愛のソレア』(いずれも2004年)、『冬の輪舞』(2005年)などがあり、グランドロマンや昼メロとも呼ばれた。あまりにもインパクトが強いため、「昼ドラといえば愛憎劇」として市民権を得て、2000年代後半までは「昼ドラのよう」といったら大概この愛憎劇的であることを指していた。2009年以降は愛憎劇以外にも、純愛物・時代劇ファンタジー物・アクション物などの作品を放送し、愛憎劇偏重の路線から変化を図っている。

TBS系制作の帯ドラマ2枠(ドラマ30は主にMBS制作のもの)でも、2000年代には再び愛憎劇を取り入れる作品があり、特に2005年10月17日-11月25日までは愛の劇場『貞操問答』と、ドラマ30『デザイナー』(10月3日開始)の2本連続で愛憎劇が続くことになったほか、東海テレビも『緋の十字架』を10月3日から12月28日まで放送していたことから13時台の3つの帯ドラマ枠は全て愛憎劇で占められる形となっていた。

他方、2000年代にはドロドロ路線とは反対の純愛路線のものとして、『ピュア・ラブ』(2002年・2003年)が3シリーズ制作され、加えて『砂時計』(2007年)、『ラブレター』(2008年-2009年)といった作品が人気を集めることもあった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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