春の波涛
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前年の『山河燃ゆ』に続く「近代大河3部作」[1]の第2作である。日本の女優第一号である川上貞奴を中心にした群像劇で、明治・大正期を文化や世相からとらえた意欲作である。貞奴の夫である川上音二郎福澤諭吉の娘婿で「電力王」の異名をとり、貞とのロマンスでも知られる福澤桃介、芸者時代に貞を水揚げした伊藤博文など幅広いキャラクターが登場した。平均視聴率は18.2%、最高視聴率は24.7%[2]

明治生まれの実在人物が主人公になった最初のNHK大河ドラマで、また昭和まで生きた実在人物を主人公とした最初の作品でもある。ただし主人公の最期まで描かれているわけではなく(最終回でナレーションや映像により説明)、1924年大正13年)の描写で終わっている(貞奴が亡くなったのは1946年)。大正を描いた初のNHK大河ドラマである。

涛の字は本来は「濤」である。まれに濤の字を用いていることがある。

山口玲子著作権侵害を訴えられたことから、「春の波濤」事件という著作権裁判で問題となった作品だが、NHKが勝訴しているので再放送及びDVD化が長く望まれていた。2007年11月からホームドラマチャンネルで放送され、2012年11月よりNHKオンデマンドで総集編の配信が始まった。2017年2月24日には完全版、総集編DVDが発売された。

翌年に放送されたNHK連続テレビ小説はね駒』第89回では本作の映像をアーカイブ使用して川上一座が登場している。
キャスト

松坂慶子おきゃんで芸達者と言われる葭町の名花。伊藤博文の愛妾だったが、音二郎と結婚する。

川上音二郎中村雅俊民権派の弁士。板垣退助が岐阜で襲われた事件を博多から上京したばかりの頃、頻繁に舞台にかけていた。政治家を志していたが伝がなく寺の使い走りをしていた。そんな折、福沢諭吉と知り合い、慶應義塾に入る。その後、何度も政治犯として投獄される。その中で知り合った病死寸前の男から妻への遺言を頼まれた。男の妻である八重子に会った後、大金を探し当て、八重子と意気投合する。後に貞と結婚する。

岩崎桃介→福澤桃介風間杜夫貞と恋仲だったが、留学費用の問題から福澤家に養子入りする。

福澤房子:檀ふみ

亀吉:淡島千景

小林(前沢)正子→松井須磨子名取裕子

島村抱月山本學

伊藤博文伊丹十三

伊藤梅子松あきら

福澤諭吉小林桂樹

福澤(中村)里子:五大路子

福澤錦:南風洋子

福澤一太郎岡本富士太

福澤捨次郎田山涼成

福澤俊子:立原麻衣

福澤瀧子:加賀谷礼奈

福澤光子:関かおり

福澤三八:服部賢悟

福澤駒吉中島大介→秋山康次郎

黒岩周六滝田栄

黒岩勝子(黒岩乃ぶがモデルとなった人物):森下愛子

金子堅太郎山口崇

金子弥寿子:有賀ひろみ

板垣退助米倉斉加年

山縣有朋高橋悦史

井上馨土屋嘉男

井上武子塩沢とき

山田顕義:伊藤浩二

伊東巳代治剣持伴紀

井上毅西沢利明

大山巌:森井睦


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