映画_プリキュアオールスターズF
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また、日本国内だけでなく、海外でもタイラオスイタリアLucca Comics & Games 2023でのイベント上映)、カンボジア台湾香港マカオの7地域で上映予定となっている[12]
制作

中核スタッフとして、これまで『Go!プリンセスプリキュア』『映画 魔法つかいプリキュア! 奇跡の変身!キュアモフルン!』『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』を手掛けた田中裕太田中仁が再びタッグを組む形で監督と脚本を担当、キャラクターデザイン・総作画監督は歴代作品の変身バンク作画や『映画 プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』で同職を務めた板岡錦が担当する。また、出演声優のうち加隈亜衣は、『ひろがるスカイ』の虹ヶ丘ましろ(キュアプリズム)と『ヒーリングっど?プリキュア』のラビリンの2役を演じることになる[11][13]

制作にあたり、東映アニメーションプロデューサーの村瀬亜季は、シナリオ制作開始段階からスタッフの間で「プリキュアとは何か」というテーマを話しあっていたことを明かしている。村瀬は「壮大なテーマですが、ずっと続いている作品だからこそ、分からなくなるところもあります。話し合いの中で答えを考えていきました。いろいろな答えが出てきましたし、答えは一つではないんです」と語っている。また今回の作品は各チームが旅をする中での会話劇やハプニングなどロードムービーとしての要素も重視されている[14]。また、タイトルの「F」という文字については「Forever」や「Friend」、「Festival」など様々な意味合いを持たせ、プリキュアの持つテーマや想い、この映画で伝えたいいろいろな意味合いを込めており、またその意味を各自感じ取ってほしいとしている。このため、意味合いが固定されることを避けることから、通常付くことが多い副題が今回は設定されていない[15]。その一方で公開前に「Final」ではないかと憶測を呼んだことについては、村瀬は「制作スタッフとしては、もしこの映画が最後のプリキュアオールスターズ映画だったとしても、悔いが残らないくらい全力で作ろうと思っていた」と、スタッフの意気込みを示すものであったと語っている。ABCアニメーションプロデューサーの田中昴によれば、「Forever、終わらせない」という想いもあり、正式な作品タイトルロゴには「Final」を否定する意味で背景にリボンで「Not」や「Never」を示す「N」が隠されていることを明かしている[16]

田中裕太によれば、早い段階から映画制作に関して声がかかっており、当初は20周年のうちの後半約10年の総ざらいを念頭に置いており、自らそれを提案したという。当初は70分の尺で78人ものキャラクターを動かすのは無理とオールスターズ作品としては考えていなかったが、だんだんとキャラクターが増えていき最終的にオールスターズになっていったと語っている[17]。また、「僕自身が「プリキュアって何?」とよく分からなくなってきたことがあったです。長年やってくる中で、世間の評価を含めてプリキュアは多様化していますし、「プリキュアって何?」と聞かれると、一言では説明しにくい」とした上で、「20周年という看板がありますし、自分自身の思いも含めて「プリキュアって何?」ともう一度問い直すことで、一本の映画として描けることがあるのではないかと思いました」とも語っている[18]

今回の作品は『ひろがるスカイ』のメンバーがバラバラになって歴代作品から選ばれた面々とチームを組む構成になっている。これはシリーズ単位で構成するとキャラ数が多く出番もセリフも扱いきれないため絞ることを決めるとともに、各作品を特徴付ける面白いキャラクターも出して変化を加え、シリーズの垣根を越えたプリキュアの絡みを見せる意図もあった。このためコンセプトとしては「1つのプリキュアチーム」を4つ作るイメージであるという[17]。チームコンセプトとしてはスカイチームは主人公でそろえ、プリズムチームは主人公の相棒として考えていたのを話がうまく回らないためのどかとあまねを入れて調整、ウィングチームはツバサとエルがいることから「プリンセスと騎士と赤ちゃん」がらみ、バタフライチームは母星では成人済みのララや外見は大人のアスミを含め「大人チーム」となっている[17]

キャラクターデザインの板岡は田中裕太が監督をやると聞いて自ら手を挙げたと語っている。板岡は「今後彼と一緒に仕事ができるのだろうか、これを逃したら絶対後悔する。純粋に一緒に仕事がしたかった」とも語っている[19]。オリジナルキャラクターのプリム(キュアシュプリーム)とプーカのデザインにおいては、田中裕太によれば2023年がうさぎ年であることもあってウサギがモチーフとなっており、そこからうさぎモチーフの幻獣を調べていったところプーカという伝説の生き物がいたことからそこから名前を借用、シュプリームも共通性と持たせるために同様のデザインとなった[17]。シュプリームのキャラクター設計的には、プリキュアを強くて格好いいものとだけしか見ておらず、単に模倣しているだけ、表面的にしか理解していない存在で、本質を分かっていないシュプリームに対し、「プリキュアってそれだけじゃないよね?」と伝えることによって20年描き続けてきた事を再確認できるようにする意図があったとしている[18]。板岡は田中裕太によるイメージラフを元に、シュプリームのデザインを行い、その派生形としてプリムやプーカを作っていった。またウサギモチーフを推していたこともあり、シュプリームの衣装には様々な箇所にうさぎの要素を入れ込んでいる[19]。板岡は最初は田中裕太のメモを無視してデザイン、そしてメモを元にしてもう一案描き、それらを合体させて最終的なシュプリームのデザインができあがった。またプリキュアのエッセンスはありつつ、空くまで真似であるため、ハートのアクセサリーが逆になるなど解釈を間違えているイメージも持たされている[18]

プリムは坂本真綾、プーカは種ア敦美がそれぞれ演じる[20]。キャスティングに当たってはオファーによるもので、二人とも過去のシリーズに出演経験がある[注 4]が、メインキャラクターとしては初の起用となった。プーカについては田中裕太は「プカ」としか話せない状況での種アの演技の上手さを評価しており、種アも演じるに当たって「台本のセリフの横に何と言っているのか自分なりに書いて、それを言っているつもりで演じた」と語っている[17]。プリムについては田中裕太の中での声のイメージは難しかったものの、坂本が実際に演じているのを聞いて強さと神秘性を感じ「なるほど!これがプリムの声か!」と思わされたと語っている[17]。一方の坂本はプリムを演じるにあたり「なんで難しい役なんだ」と悩みつつも、アフレコの現場で田中裕太と相談していきながら決めていったと語っている[22]。坂本はオファーを受けたときに「『今作の悪役です』と聞きまして、『でしょうね』と納得していたんです。それが台本を読んだらプリキュアになっていたので、『え、私プリキュアになるの!?』って、たぶん皆さんよりも驚いたと思います」と振り返りつつ、当時の心境として「今作は『プリキュアって何?』というすごく大きな命題を掲げていて。そのために必要な、プリキュアとはまったく逆にいる人物、というふうに聞いていたので、悪いことをしようと思って出てくるんじゃなく、大きな役割があるんだろうなとは思っていました」と語っている[23]

今回の作品ではメインのプリキュアだけでなく、キュアエコーやキュアモフルンなど様々なキャラクターも登場する。田中裕太と板岡は「基本的に関連するキャラは全部抑えている。入れられるものは、出し惜しみせずに全部入れた」と語っている[18]
興行成績

2023年9月15日に全国344スクリーンで公開を開始、同日から17日の週末3日間で観客動員35万7308人、興行収入4億3745万6060円を記録、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第2位に入った。これはシリーズ最高の興行成績となった『オールスターズメモリーズ』のオープニング成績[注 5]を上回る歴代最高のオープニング成績となった(動員比115%、興収比124%)。祝日となった18日を含んだ4日間の累計成績でも動員48万8420人、興収5億9114万4410円に達している[24][12]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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