映画のレイティングシステム
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ベトナムではもともとレイティングシステム自体がなかったものの、性や恐怖、ならびに暴力の表現を含む映画は公序良俗に反するとして劇場公開が認められてこなかったが、世界貿易機関(WTO)加盟後に映画法および検閲体制を改正し、年齢確認の必要なR指定が設けられた[27]。16歳未満の閲覧を禁じるR-16指定第一号として越韓合作のホラー映画『Muoi(10)』が2007年に公開された[27]

ベトナム専門のニュースサイト「VIETJO」によると、映画の観客は16歳以上が大半であり、ベトナム人は珍しいものや新しいものを好む傾向にあるためだという[27]。一方、この時点の検閲制度では表現の種類の区別がされていないため、性表現がないにもかかわらず観客に誤解されてしまうという指摘も映画関係者から寄せられており、ベトナムの文化スポーツ観光省映画局は2014年2月にR指定を細分化する方針を示した[27]

2017年1月1日から、レイティング制度が次の通りに改められた[28]

レイティング(2017年1月1日改正)区分説明
P全年齢で鑑賞可
C1313歳以上対象。13歳未満(12歳以下)は入場できない。
C1616歳以上対象。16歳未満(15歳以下)は入場できない。
C1818歳以上対象。18歳未満(17歳以下)は入場できない。

これらの区分は映画の内容や各要素の度合いによって割り振られていると同時に、各要素が作品の内容にふさわしいかも判断基準となる[28]。加えて、性や暴力表現の場合は、著しく長かったり繰り返しを含む場合は上映が認められない。薬物については作品内容にふさわしい、もしくは薬物使用・取引に反対する目的の場合のみ認められる[28]。なお、文化スポーツ観光省映画局が2015年9月に発表したレイティング基準案においては、C18におけるセックスシーンの回数や長さについての規程が盛り込まれていたが、2017年の改正では削除されている[28]

また、喫煙描写に関しては2018年11月15日に発行した「通達第25号/2018/TT-BVHTTDL」[29]にて、飲酒描写に関しては2020年1月1日施行のアルコール被害防止法制定にて[30]それぞれ制限されている。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 太陽族が登場する以前から、映画館が年齢制限を施すことはあったものの、形式的なものであり未成年者の入場を阻止できるものではないという指摘があった[4]。また、連合軍総司令部から旧映倫が日本国外の映画の審査業務を引き継ぐことになった際、アメリカの映画会社が審査を拒否した[5]。その結果、1955年に無審査で上映された『暴力教室』は過激な内容から賛否両論を巻き起こしていた[5]
^ 制定当初は「成人向映画」だったが、1958年に改称
^ ただし、『超神伝説うろつき童子 オリジナル劇場公開版』(修正したうえでR15+)や、『超神伝説うろつき童子 狂王篇 劇場版V2 狂殺魔獣伝』、『ノ・ゾ・キ・ア・ナ』(R18+)が上映されたことはある。
^ 児童ポルノ法が1999年11月1日に施行されるまでは、『思春の森』や『スクラップ・ストーリー ある愛の物語』が上映されたことはあるが、現在では共に上映禁止となっている。
^ ウォルト・ディズニー・ジャパンの配給に限れば過去に『推理作家ポー 最期の5日間』も同様に、刺激の強い殺傷、肉体損壊、出血飛散の描写が含まれることを理由にR15+指定を受けている。
^ しかし、2019年に本国の20世紀スタジオディズニー社に買収(ディズニーによる21世紀フォックスの買収を参照)されて以降は、映画配給(『ターミネーター:ニュー・フェイト 』以降(本作は元々20世紀スタジオでの配給予定だった))をウォルト・ディズニー・ジャパンが担当し、2022年の『ザ・メニュー』がウォルト・ディズニー・スタジオ製作作品で初めてR15+指定を受けた時は、多数の映画館で守らなかったことはなかった[注 5]
^ 英語では宗教や性に関連する様々な卑語があり、子供にそうした言葉を一切聞かさないようにする傾向も強い。よって、野卑な言葉が使われている映画については「保護者の判断が必要」とされる。
^ ただし、子供の喫煙シーンがある場合はレイティング指定される。
^ 露骨な性描写や激しい暴力描写があれば、R指定となる。
^ 例えば、『Princess Mononoke(もののけ姫)』はPG-13指定。
^ 例えば、『スタートレックVI 未知の世界』では、クリンゴン人の血の色を「赤」から『菫色』に変更した。

出典^ a b c d e f g 国や地域によって成人指定の年齢/成人年齢は異なる。
^ “余録:アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が…”. 毎日新聞 (2021年2月21日). 2023年12月3日閲覧。
^ a b 映倫の概要、映画倫理機構、2023年12月3日閲覧。
^ 今井 2021, p. 72.
^ a b 今井 2021, pp. 71?72.


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