かつては性的シーンの有無が重要な判断要素とされていたが、神戸連続児童殺傷事件などの猟奇的な犯罪事件の発生を踏まえ、1990年代以降は犯罪や差別行為などに関する描写も重要な判断要素の1つとなってきている[6]。また、PG12指定された2020年のアニメ映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の大ヒットにより、このレイティングの認知度が上がったと映画倫理機構の専務理事・事務局長(2020年時点)の石川知春は業界誌「文化通信ジャーナル」とのインタビューの中で話している[6]。
2006年7月に設置された映像コンテンツ倫理連絡会議で、ビデオ(DVD/Blu-ray Discなど)作品やゲームソフト(コンピュータゲームのレイティングシステム)等とのレイティングの審査基準・表示の統一化が検討されており、将来的に審査区分が変更される可能性がある。 2009年5月より。「G 映倫」 R18+よりも過激な描写が収録されている映画は、映倫より審査適応区分外として扱われ、全国興行生活衛生同業組合連合会加盟の映画館での上映を断られる。そのため、オリジナルビデオでリリース(『オールナイトロング2』等)されたり、映倫の審査を通過していない作品も上映できる非加盟のミニシアターで上映(『インプリント?ぼっけえ、きょうてえ?』等)されることとなる。
区分
現行の区分
G全ての年齢層が鑑賞可能な区分。軽度の暴力や犯罪は容認される。1998年5月以前の一般指定及び1998年5月 - 2009年4月末までの一般指定を改定したものに相当する。区分表示マークの色はグリーン(緑色)。GはGeneral Audience(全ての観客)の略号[8]。「PG12 映倫」
PG1212歳未満(小学生以下)の鑑賞には、成人保護者の助言や指導が適当とされる区分のこと。1998年5月から2009年4月末まで導入されていたPG-12指定を改訂したものに相当する。区分表示マークの色はスカイブルー(水色=明るい青色)。PGはParental Guidance(親の指導・助言)の略号[8]。性・暴力・残酷・麻薬などの描写や、未成年役の飲酒・たばこ・自動車運転[6]、ホラー映画など、小学生が真似をするおそれの高い映画がこの区分の対象になる(アニメ映画に関しても同様)。地上波放送の場合CS放送とは異なりG指定と同様に扱われるケースが多く、新聞や雑誌の番組表にも「PG12指定」と表記されない。『仮面ライダー THE NEXT』(日本)『ボーイズ・ドント・クライ』『バイオハザード』『フレイルティー 妄執』(以上米国)などは、ほとんどの国でR15+相当またはR18+相当に指定されたが、日本ではPG12指定となった。またビデオ映画(アニメ→OVAも含む)では、『テディです! TEDDY DEATH』(英国)が現在のところ唯一PG12に指定(自主規制)された作品となっている。「R15+ 映倫」
R15+15歳未満の入場・鑑賞を禁止する区分のこと。区分表示マークの色はマゼンタ(赤紫)。RはRestricted
R18+18歳未満の入場・鑑賞を禁止する区分のこと。いわゆる18禁や成人映画と呼称される。区分表示マークの色はレッド。1998年5月以前の成人映画及び1998年5月 - 2009年4月末までのR-18指定を改定したものに相当する。これまでと同様にR15+に加え、著しく性的感情を刺激する行動描写や著しく反社会的な行動や行為、麻薬・覚醒剤の使用を賛美するなど極めて刺激の強い表現が審査の対象となる。指定された作品例として『丑三つの村』(初回上映の際に)『シャブ極道』『私の奴隷になりなさい』(以上日本)『屋敷女』『アデル、ブルーは熱い色』(以上フランス)『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『ニンジャアサシン』(以上米国)などが挙げられる。このレイティングに指定された映画は地上波テレビで放送できない上に、広告やCMでの宣伝が不可能に等しくなり、公開する映画館が大幅に減少する。
審査適応区分外