映画のレイティングシステム
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ユナイテッド・シネマグループでは、自主規制により「3歳未満入場可」のマークがない作品は、基本的に3歳未満の幼児は(保護者同伴であっても)入場できない[20]
アメリカ合衆国

1968年11月1日導入。モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)が審査を行う。レイティングを受けることは任意だが、アメリカの多くの映画館が加盟する劇場連盟[要説明]はMPAAがレイティングした映画しか上映できない規程となっている。なお、1968年11月以前の映画は「上映承認」か「上映非承認」のみが審査されていた。レーティングを受けていなかった映画はそのままレーティング無しのものと再レーティングされたものがある。例えば(『サイコ(1960年公開)は「承認」だったが、1968年11月にM指定(PG指定相当)に、1984年にR指定に変更された。

アメリカの映画テレビ番組では、性描写や暴力シーンと並んで卑語についても非常に制限が厳しい[注 7]。性的な描写や含みがなくても、単に罵りなどで「Fuck」を1回使うだけでPG-13指定は免れず、2回以上使えばR指定される。言い換えとして、『Farscape』の「frell」や『Battlestar Galactica』の「frack」のような独自の隠語も生まれた。

また、映画内でのドラッグ(薬物)の使用に関しても大変厳しく、そのような場面があれば、最低でもPG-13指定になる。一方で喫煙シーンに関しては、レイティングが無頓着[注 8]であることが指摘されていたが[21]、2007年に喫煙シーンが多い場合はレイティング指定を行う新基準を発表した。ただし、それ以前から一定の配慮はされている(例として、1984年の『ゴーストバスターズ』では喫煙シーンがあるが、1989年の『ゴーストバスターズ2』では喫煙シーンがない[22])。
現行の区分とその指定基準

以下は2006年度の基準。G
G(General audiences)全年齢に適している。ただし、時代によってMPAAの審査員の判断も異なり、例えば『猿の惑星』(1968年版)はG指定(1969年のレーティング。1968年2月公開の同映画は「承認(Approved)」という審査のみ)だが[23]、主人公がラストシーンで卑語を連発するため、後年のテレビ放送では、同シーンのセリフの大部分がカットされている。PG
PG(Parental guidance suggested)視聴(入場)制限はないが、子供に見せる前に保護者が内容を検討することを提案したもの。保護者の教育方針によっては、子供に適さないと考えられる内容を含む可能性がある作品。実際に子供に見せるべきか否かの判断は保護者の判断に委ねられており、保護者によっては問題ないと判断したり、「保護者の監督」の提案自体を無視することもある。単なる注意喚起であり、日本の映倫なら「一般向け」とされる可能性も高い。例えば『E.T.』や『シュレック』、『Mr.インクレディブル』、『君の名は。』はPG指定になっている。G以外では最も弱い警告であり、問題になる要素があるというより、問題は蓋然的なレベルに留まる(明白に問題になる要素はない)という逆の意味の保証ともなる。例えば恋愛物でPG指定なら、日本で言う「成人向け要素」(濃厚なキスシーン)はない。子供に見せてよいかどうか慎重に検討すべき作品ならPG-13以上になるからである。PG-13
PG-13(Parents strongly cautioned)

映像外部リンク
A Brief History of PG-13
- ピッチフォーク・メディアによる解説動画
視聴(入場)制限はないが、13歳未満(12歳以下)の子供の観賞については、保護者の厳重な注意が必要。暴力・恐怖表現・ヌード・卑語などを含むが、マイルドであるもの[注 9]。その他、何らかの意味で12歳以下に向いていない内容を含む可能性がある作品。PG指定の『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』や『グレムリン』が、多くの子供に恐怖感を与えたことがきっかけとなり[24][25]1984年7月より導入された。「13歳なら見ても問題ない」「13歳以上にとっては適している(有益)」という判断であり、日本で言う「青少年に有害」などの観点とは異なる[注 10]ティーンエイジャーを主な観客層に想定している作品では、PG指定が可能でも、「幼稚な映画作品」と看做されて観覧を回避されないようにするために、わざとPG-13指定を狙う場合がある[26]。なお同一シリーズ内でも、作品によってレイティングが変わる場合がある。例えばハリー・ポッターシリーズは、第1 - 3、6作はPG指定、それ以外はPG-13指定となっている。また、スター・ウォーズシリーズはエピソード1、2、4 - 6、アニメ版はPG指定、それ以外はPG-13指定になっている。R
R(Restricted)17歳未満の観賞は保護者の同伴が必要。映画紹介等でR指定と言われるものは通常このレイティングを指すが、前述した日本映画での旧区分である一般映画制限付の略称もR指定であるため、区別が必要になる。卑語、激しい暴力、ヌード、薬物乱用など、成人向け要素を確実に含むと判断されたもの。子供喫煙拳銃発砲、無許可の外泊などにも厳しく、それらを扱った『スタンド・バイ・ミー』はR指定となった。保護者には単に同伴が要求されるだけでなく、この作品を見せてよいかどうか慎重に検討することも強く求められる。人を殺害するような多くのアクション映画はここに分類される。また「Fuck(ファック)」を2回以上発するとジャンル、描写に関わらずR指定に分類される。『レインマン』では主人公が22回もの「Fuck(ファック)」を使い、また性的描写も含むため、R指定となった。単純計算では、年齢指定が低いほど多くの観客数を見込めることになるため、性的・暴力的な描写を減らしたり、そのような印象を与える工夫を加える[注 11]ことがある。また、配給会社がR指定を不服として抗議することもある。『ソラリス』(2002年版)は、主役の「ジョージ・クルーニー臀部が映っている」という理由でR指定を受けたが、配給会社が抗議し最終的にPG-13指定に落ち着いた。NC-17
NC-17(No one 17 and under admitted / Adults only)17歳以下の観賞を全面的に禁止したもの。極めて暴力的な映画や性描写が著しい映画。1990年までの「X指定」に該当し、日本のR18+に相当する。映画館によっては身分証明書が必要で、上映しない映画館も少なくない。当初は17歳「未満」として、16歳以下の観賞を禁止していたが、1996年に区分名はそのままで、17歳「以下」と、対象年齢が1歳引き上げられた。旧区分のNC-17はNo children under 17の略号である。
NR (Not Rated) / Unrated
指定なし。自主映画や限定公開作品の場合、MPAAの審査を受けず、NRになることがある。コンサートなどの特別イベントを映画館で日時限定で中継・公開する場合や、IMAX専用に作られる作品(自然ドキュメンタリーなどの中編映画)も、おおむねこの区分になる。劇場公開された作品がDVDブルーレイ化される際に「ディレクターズカット(Director's Cut)」や「エクステンデッドエディション(拡大版・拡張版/Extended Edition)」などと銘打ち、MPAAの審査を受けていない(「Unrated」の)特別版・再編集版が収録されることがある。その場合、パッケージには「Not Rated」と記載され、「オリジナル版の映画レーティングとは異なります」と添え書きされている。
アメリカの指定一覧

PG指定の映画一覧 (アメリカ合衆国)

PG-13指定の映画一覧

R指定の映画一覧 (アメリカ合衆国)

NC-17指定の映画一覧

イギリス

全英映像等級審査機構(BBFC)が倫理審査を行う。以下は劇場用映画の審査区分である。

U (Universal) - 全年齢対象。

PG (Parental Guidance) - 保護者同伴による視聴が望ましい。


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