星座
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名称と合わせて、デンマークアイナー・ヘルツシュプルングアメリカヘンリー・ノリス・ラッセルの提案により、アルファベット3文字で表記する略号も定められた[7][9][注 2]。またこのとき、ベルギーウジェーヌ・デルポルトとカスティールズは、北天の星座に対して赤道座標経線緯線に平行な円弧で境界線を設けることを提案した[10]。これは、グールドが南天の星座に対して境界線を定めたのと同じ手法であった[10]。IAUは、1925年にケンブリッジで開催されたIAU総会で「星座の科学的表記」の分科会を設立し[10]、デルポルトに赤緯-12.5°以北の天球上の境界線を策定するよう要請した[10]。デルポルトはグールドと同じく1875.0分点を基準とした境界線の案を1925年10月から1927年9月にかけて策定してIAUに提出し、この案が1928年にライデンで開催された第3回IAU総会で承認された[10]。IAUは、北天と同じく南天の星座の境界線も定めるように要請、これを受けたデルポルトはグールドの定めた境界線のうち斜めに線が引かれたものを修正し、なおかつ1つの恒星も所属する星座が変わらないように境界線の改訂案を策定した[10]。この案がIAUで承認され、1930年にケンブリッジ大学出版会から『Delimitation Scientifique des Constellations』と『Atlas Celeste』という2つの出版物として刊行されたことにより、現在の88の星座の境界線も確定された[9]。このようにして、各星座の名称と領域が厳密に決められたことによって、あらゆる太陽系外の天体は必ずどれか1つの星座に属することとなった。

現在の88星座は、「トレミーの48星座」をベースに、近世に考案された新たな星座を加えることで成立したが、採用されなかった星座も数多くある。たとえば、ジェローム・ラランドが考案した「しぶんぎ座」は、現在はうしかい座りゅう座の一部とされている。これにちなんでりゅう座ι星近辺を輻射点とする流星群には正式に「しぶんぎ座流星群 (Quadrantids)」の名がつけられている。
和名

88の星座とそのラテン語での正式名は決まったあとも、日本語での訳名は各天文団体ごとに若干異なる訳名が使われていた。1944年に学術研究会議(現・日本学術会議)が訳名を定めるとこれが全国的に使われるようになった。その後数度の改定を経ており、1994年の「学術用語集天文学編(増訂版)」で「はい座」が「はえ座」と改称されたのがもっとも新しい改定である。なお、学術用語としての星座名は、平仮名または片仮名で表記される。

また、これら学術用語とは別に、星の並び(アステリズム)に対して地方によってさまざまな呼称が存在する(星・星座に関する方言を参照)。
星座の一覧
国際天文学連合による88星座詳細は「星座の一覧」を参照

和名略号ラテン語名備考提案された記号[11][注 3]
アンドロメダ座AndAndromeda
いっかくじゅう座MonMonoceros
いて座SgrSagittarius
いるか座DelDelphinus
インディアン座IndIndus
うお座PscPisces
うさぎ座LepLepus
うしかい座BooBoötes
うみへび座HyaHydra
エリダヌス座EriEridanus
おうし座TauTaurus
おおいぬ座CMaCanis Major
おおかみ座LupLupus
おおぐま座UMaUrsa Major
おとめ座VirVirgo
おひつじ座AriAries
オリオン座OriOrion
がか座PicPictor旧称は Equuleus Pictoris
カシオペヤ座CasCassiopeia
かじき座DorDorado
かに座CncCancer
かみのけ座ComComa Berenices古来は星群だった
カメレオン座ChaChamaeleon
からす座CrvCorvus
かんむり座CrBCorona Borealis
きょしちょう座TucTucana
ぎょしゃ座AurAuriga
きりん座CamCamelopardalis
くじゃく座PavPavo
くじら座CetCetus
ケフェウス座CepCepheus
ケンタウルス座CenCentaurus
けんびきょう座MicMicroscopium
こいぬ座CMiCanis Minor
こうま座EquEquuleus
こぎつね座VulVulpecula旧称は Vulpecula Cum Ansere
こぐま座UMiUrsa Minor
こじし座LMiLeo Minor
コップ座CrtCrater
こと座LyrLyra
コンパス座CirCircinus
さいだん座AraAra
さそり座ScoScorpius別名 Scorpio
さんかく座TriTriangulum
しし座LeoLeo
じょうぎ座NorNorma
たて座SctScutum
ちょうこくぐ座CaeCaelum
ちょうこくしつ座SclSculptor


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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