昆虫以外の六脚類は、顎が体の中にあるなど共通の性質を持つため、内顎類と総称される。内顎類および六脚類は単系統とする説が主流だが、一部の分子系統では異論もある[23][37]。
昆虫綱の大分類 詳細な分類は「昆虫の分類#下位分類」を参照
昆虫綱
無翅亜綱 : シミ目、イシノミ目
有翅亜綱
旧翅下綱 : カゲロウ目、トンボ目
新翅下綱
昆虫綱の中では、比較的原始的な、翅のない無翅類と、翅を腹側へ畳めない旧翅類がまず分けられる。しかし、無翅類は原始的な形質でまとめられた側系統だという説が1960年代頃から有力となり、それを反映した次のような分類が普及しつつある。ただし、有翅「下綱」などの修正された階級については研究者の見解は必ずしも一致していない。
昆虫綱
単関節丘亜綱 : イシノミ目
双関節丘亜綱
無翅下綱 : シミ目
有翅下綱
旧翅節 : カゲロウ目、トンボ目
新翅節
旧翅類の単系統性にも疑問が持たれており、カゲロウ目とトンボ目のどちらかが先に分かれた可能性がある。ただし、それを反映した分類はまだ確立していない。
現生昆虫の目詳細は「昆虫の分類#下位分類」を参照
分類体系によって異なるが、(狭義の)昆虫綱 Insecta は30目を含む。以下のものは『岩波生物学辞典 第5版』[38] による。命名者名は省略。
六脚亜門 Hexapoda(広義の昆虫類 Incecta s.l.)
内顎綱 Entognatha
コムシ目(双尾目)Diplura
カマアシムシ目(原尾目)Protura
トビムシ目(粘管目)Collembola
昆虫綱 Incecta (外顎綱 Ectognatha、狭義の昆虫類 Incecta s.s.)
イシノミ目(古顎目)Archaeognatha
シミ目(総尾目)Thysanura
カゲロウ目(蜉蝣目)Ephemeroptera
トンボ目(蜻蛉目)Odonata
ガロアムシ目(非翅目、欠翅目)Grylloblattodea
カカトアルキ目(踵歩目)Mantophasmatodea
ハサミムシ目(革翅目)Dermaptera
カワゲラ目(?翅目)Plecoptera
シロアリモドキ目(紡脚目)Embioptera
ジュズヒゲムシ目(絶翅目)Zoraptera
ナナフシ目(竹節虫目)Phasmatodea
バッタ目(直翅目)Orthoptera
カマキリ目(蟷螂目)Mantodea
ゴキブリ目 (網翅目)Blattodea
シロアリ目(等翅目)Isoptera
カジリムシ目 (咀顎目)Psocodea
アザミウマ目(総翅目)Thysanoptera
カメムシ目(半翅目)Hemiptera
ラクダムシ目(駱駝虫目)Raphidioptera
ヘビトンボ目(広翅目)Megaloptera
アミメカゲロウ目(脈翅目)Neuroptera
コウチュウ目(鞘翅目)Coleoptera
ネジレバネ目(撚翅目)Strepsiptera
シリアゲムシ目(長翅類)Mecoptera
ノミ目(隠翅目)Sihonaptera
ハエ目(双翅目)Diptera
トビケラ目(毛翅目)Trichoptera
チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera
ハチ目(膜翅目)Hymenoptera
なお、以前バッタ目(直翅目)Orthoptera とされていたものはガロアムシ目(非翅目、欠翅目)Grylloblattodea、ナナフシ目(竹節虫目)Phasmatodea、バッタ目(直翅目)Orthoptera、カマキリ目(蟷螂目)Mantodea、ゴキブリ目 Blattodea に分類される。
また、ゴキブリ目 Blattodea、シロアリ目(等翅目)Isoptera と分かれていたが、21世紀現在はゴキブリ目 Blattodea に統一される。この場合、シロアリ目の中に含まれる亜科は科となり、チャタテムシ目(噛虫目)Psocoptera とシラミ目(裸尾目)Phthiraptera は咀顎目 Psocodea に統一される。
チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera の中にあるコバネガ科は、トビケラ目(毛翅目) Trichoptera とチョウ目(鱗翅目) Lepidoptera の祖先形質を持っているので、チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera、トビケラ目(毛翅目) Trichoptera、コバネガ目と提案されることもある。
2002年に、翅がなくナナフシに似た外観を持つカカトアルキ目(マントファスマ目)が新目として設立された[39]。