昆虫類
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2019年現在[25] 全ての分子系統学的解析(遺伝子解析)は、六脚類は多足類とは遠縁であり、むしろ側系統群の甲殻類から派生していることを根強く支持し[26][27][28][29][30][31][32][33]、他に神経解剖学的構造[34]ヘモシアニンの構成[35] にもそれを支持する証拠が挙げられる[25]。このように六脚類と甲殻類からなる系統群は、汎甲殻類(Pancrustacea)という。多足類は六脚類に類縁でなく、むしろそれより早期に分岐し、汎甲殻類と共に大顎類をなす。汎甲殻類の中に、まず貧甲殻類[36]貝虫類・ヒゲエビ類・鰓尾類など)が分岐し、続いて多甲殻類[36]軟甲類フジツボ類カイアシ類)と異エビ類[36]カシラエビ類・鰓脚類ムカデエビ類、六脚類)に二分され、後者の甲殻類の中で、ムカデエビ類は六脚類の姉妹群として有力視される[25][32][33]

汎甲殻類 Pancrustacea

甲殻亜門 Crustacea(側系統群

六脚亜門 Hexapoda

内顎綱 Entognatha

カマアシムシ目(原尾目)Protura

トビムシ目(粘管目)Collembola

コムシ目(倍尾目)Diplura


昆虫綱 Insecta


昆虫以外の六脚類は、顎が体の中にあるなど共通の性質を持つため、内顎類と総称される。内顎類および六脚類は単系統とする説が主流だが、一部の分子系統では異論もある[23][37]
昆虫綱の大分類 詳細な分類は「昆虫の分類#下位分類」を参照

昆虫綱

無翅亜綱 : シミ目イシノミ目

有翅亜綱

旧翅下綱 : カゲロウ目トンボ目

新翅下綱


昆虫綱の中では、比較的原始的な、翅のない無翅類と、翅を腹側へ畳めない旧翅類がまず分けられる。しかし、無翅類は原始的な形質でまとめられた側系統だという説が1960年代頃から有力となり、それを反映した次のような分類が普及しつつある。ただし、有翅「下綱」などの修正された階級については研究者の見解は必ずしも一致していない。

昆虫綱

単関節丘亜綱 : イシノミ目

双関節丘亜綱

無翅下綱 : シミ目

有翅下綱

旧翅節 : カゲロウ目、トンボ目

新翅節



旧翅類の単系統性にも疑問が持たれており、カゲロウ目とトンボ目のどちらかが先に分かれた可能性がある。ただし、それを反映した分類はまだ確立していない。
現生昆虫の目詳細は「昆虫の分類#下位分類」を参照

分類体系によって異なるが、(狭義の)昆虫綱 Insecta は30を含む。以下のものは『岩波生物学辞典 第5版』[38] による。命名者名は省略。

六脚亜門 Hexapoda(広義の昆虫類 Incecta s.l.

内顎綱 Entognatha

コムシ目(双尾目)Diplura

カマアシムシ目(原尾目)Protura

トビムシ目(粘管目)Collembola


昆虫綱 Incecta (外顎綱 Ectognatha、狭義の昆虫類 Incecta s.s.

イシノミ目(古顎目)Archaeognatha

シミ目(総尾目)Thysanura

カゲロウ目(蜉蝣目)Ephemeroptera

トンボ目(蜻蛉目)Odonata

ガロアムシ目(非翅目、欠翅目)Grylloblattodea

カカトアルキ目(踵歩目)Mantophasmatodea

ハサミムシ目(革翅目)Dermaptera

カワゲラ目(?翅目)Plecoptera

シロアリモドキ目(紡脚目)Embioptera

ジュズヒゲムシ目(絶翅目)Zoraptera

ナナフシ目(竹節虫目)Phasmatodea

バッタ目(直翅目)Orthoptera

カマキリ目(蟷螂目)Mantodea

ゴキブリ目 (網翅目)Blattodea

シロアリ目(等翅目)Isoptera

カジリムシ目 (咀顎目)Psocodea

アザミウマ目(総翅目)Thysanoptera

カメムシ目(半翅目)Hemiptera

ラクダムシ目(駱駝虫目)Raphidioptera

ヘビトンボ目(広翅目)Megaloptera

アミメカゲロウ目(脈翅目)Neuroptera

コウチュウ目(鞘翅目)Coleoptera

ネジレバネ目(撚翅目)Strepsiptera

シリアゲムシ目(長翅類)Mecoptera

ノミ目(隠翅目)Sihonaptera

ハエ目(双翅目)Diptera

トビケラ目(毛翅目)Trichoptera

チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera

ハチ目(膜翅目)Hymenoptera


なお、以前バッタ目(直翅目)Orthoptera とされていたものはガロアムシ目(非翅目、欠翅目)Grylloblattodea、ナナフシ目(竹節虫目)Phasmatodea、バッタ目(直翅目)Orthoptera、カマキリ目(蟷螂目)Mantodea、ゴキブリ目 Blattodea に分類される。

また、ゴキブリ目 Blattodea、シロアリ目(等翅目)Isoptera と分かれていたが、21世紀現在はゴキブリ目 Blattodea に統一される。この場合、シロアリ目の中に含まれる亜科は科となり、チャタテムシ目(噛虫目)Psocoptera とシラミ目(裸尾目)Phthiraptera は咀顎目 Psocodea に統一される。

チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera の中にあるコバネガ科は、トビケラ目(毛翅目) Trichoptera とチョウ目(鱗翅目) Lepidoptera の祖先形質を持っているので、チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera、トビケラ目(毛翅目) Trichoptera、コバネガ目と提案されることもある。

2002年に、翅がなくナナフシに似た外観を持つカカトアルキ目(マントファスマ目)が新目として設立された[39]


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