昆虫類
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動物媒の花は虫をに引き付けるために、風媒花と異なり美しい花や強い香り、豊かな蜜などを発達させたが、なかでも虫媒花は虫の強い嗅覚を利用するため、香りが強いものが多いことが特徴となっている[15]。(鳥は嗅覚が弱いため、鳥媒の花には香りは必要なく香りは弱いものとなっている)[16]。こうした虫の多くは花の蜜腺から分泌されるを食料とするほか、彼らの体につく花粉そのものも重要な食料としている[17]
生体

バッタイナゴハチなど多くの昆虫の血糖トレハロースであり、体内で分解酵素トレハラーゼの作用でブドウ糖(グルコース)に変わることによって利用される。また、スズメバチとその幼虫の栄養交換液の中にもある。

昆虫の血糖としてのトレハロース濃度は、400-3,000 mg/dL(10-80 mM)の範囲にある[18]。この値はヒトグルコースとしての通常の血糖値100-200 mg/dLに比べてはるかに高い。この理由の一つとして、トレハロースがタンパク質に対して糖化反応を起こさずグルコースに比べて生体に有害性をもたらさないためである[19][20]

外骨格は甲殻類と違い、形成時にカルシウム沈着を伴わない。これは海中に比べてカルシウムに乏しい陸上での生活に適応した結果であり、外骨格を軽くすることにも繋がったため、後に飛行能力を発達させる上で有利に働いたという説がある。[21]
分類詳細は「昆虫の分類」を参照

種類数の多いグループとしては、以下のようなものがある。(括弧内は2003年現在の日本産既知種数)

甲虫目(鞘翅目) - カブトムシゴミムシなどの仲間、35万種(10233種)

チョウ目(鱗翅目) - チョウの仲間、17万種(5337種)

ハエ目(双翅目) - ハエアブなどの仲間、15万種(5183種)

ハチ目(膜翅目) - ハチアリの仲間、11万種(4516種)

カメムシ目(半翅目) - セミカメムシなどの仲間、8万2千種(2973種)

バッタ目(直翅目) - バッタコオロギなどの仲間、2万種(370種)

トンボ目(蜻蛉目) - トンボの仲間、5千種(180種)

甲虫類は実際に種類が多いとされているが、飛翔能力が他の昆虫に比較して弱く、発見、採集が容易なため、種の同定が進んでいるのだとも言える。甲虫同様、生態が多様なハエ目やハチ目の昆虫は、実際には甲虫目を上回る種が存在するのではないかとも言われている。
進化詳細は「汎甲殻類」および「六脚類#起源と進化」を参照

昆虫は地球の歴史上、4億年前、動物の陸上進出が始まった頃に上陸した動物群の一つである[22]。なお2014年11月の大規模な分子系統解析によれば、陸上植物が出現して間もない4億8千万年前には原始的な六脚類が現れ、昆虫は4億4千万年前、翅で飛ぶ昆虫は約4億6百万年前、完全変態昆虫は3億5千万年前に出現した[23]。3億6千万年前に上陸した脊椎動物の両生類よりも早い時期であった[22]

昆虫の生活様式、形態は非常にバラエティに富んでおり、様々な環境ニッチに適応して繁殖しており、その種類も非常に多い。恐竜登場前の2億-3億年前には、現在のゴキブリトンボなどの祖先が既に登場していた。

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節足動物

鋏角類

大顎類

甲殻類

無角類

多足類ヤスデエダヒゲムシ

多足類ムカデ

多足類コムカデ

六脚類内顎類、昆虫








無角類説[24]

節足動物

鋏角類

大顎類

多足類

汎甲殻類

甲殻類貝虫類、鰓尾類など

甲殻類軟甲類フジツボ類など

甲殻類カシラエビ

甲殻類鰓脚類

甲殻類ムカデエビ

六脚類内顎類、昆虫
















汎甲殻類説[25]

伝統的な系統学では、昆虫を含んだ六脚類は、多足類とともに無角類(Atelocerata、または気門類 Tracheata)としてまとめられ、甲殻類鋏角類とともに、節足動物の3つの大きな群をなすと考えられてきた。この説では、多足類は六脚類の姉妹群[24]、もしく六脚類が側系統群の多足類から派生したとする[24]

これに対して2000年代をはじめとして、根本的にこれを否定する説が徐々に有力視される。2019年現在[25] 全ての分子系統学的解析(遺伝子解析)は、六脚類は多足類とは遠縁であり、むしろ側系統群の甲殻類から派生していることを根強く支持し[26][27][28][29][30][31][32][33]、他に神経解剖学的構造[34]ヘモシアニンの構成[35] にもそれを支持する証拠が挙げられる[25]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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