旧暦の計算は、江戸時代までは京都における真太陽時により暦の計算に必要な中気・朔の日時を経験的に知られていた定数や周期に基づいて求めていた。そのため閏月の付加や毎年変化する大小月(30日の大月、29日の小月)も毎年計算していた。
現在の「旧暦」で使っている時間帯は日本標準時(UTC+9)で、これは東経135度の平均太陽時とほぼ等しい。これに対し京都の経度は東経135度46分で、UTC+9:03に当たる。さらに均時差により最大±15分の時差が生まれる。また、天体の位置も天体力学(位置天文学)に基づく式で計算している。このため、江戸時代の天保暦によって計算した日付と現在の旧暦とでは日が1日前後したり月名が変わったりする場合がある。
なお明治改暦以降、正式な暦ではなくなったため国立天文台では改暦以前の新暦旧暦の対照には回答するものの改暦後の対照には応じない立場である[5]。一方、同じ国の機関であっても海上保安庁海洋情報部では非公式ながら2010年までの新暦旧暦の対照表を公表している(2010年以降の公表予定はない)[6]。
ただし国立天文台は、毎年2月のはじめの「官報」に「暦要項」を告示、翌年の「二十四節気および雑節」、「朔弦望」(朔=ついたち、望=15日など)などを提示している(すなわち、「30日の大月、29日の小月」の計算と提示は「公的」に行われている)。2015年(平成27年)の場合、2月2日 (月) に発行された第6463号の25ページ?26ページに「平成28年 (2016) 暦要項」が「告示」(掲載)されている。 清(現在の中華人民共和国・台湾・モンゴル)と朝鮮(現在の韓国・北朝鮮)では、1644年に清が制定した時憲暦が使われていた。朝鮮半島では1896年に、中国では1912年の中華民国成立時にグレゴリオ暦に改暦された。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}これらの地域の旧暦は完全に同一である。標準時がUTC+9の韓国や世界各国の華人社会を含め、現地の標準時と関わりなくUTC+8の中国標準時で計算される。[要出典] 旧暦は中国では農暦と呼ぶことが多く、この場合新暦は公暦と呼ぶ。他に旧暦・陰暦・夏暦とも呼ぶ。韓国では陰暦と呼ぶことが多い(旧暦とも)。英語では “Chinese calendar”と言う。 これらの国では日本とは異なり、改暦以前からある祝祭日や年中行事は旧暦で祝うのが普通である。特に旧正月はグレゴリオ暦の正月より盛大に祝われる。中国では春節、韓国ではソルラルと呼ばれ、中国・台湾・韓国のみならず、華人の多いシンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピンで、国の休日となっている。中国では春節の他に端午節、中秋節が旧暦での国の休日となっている。韓国ではチュソク(旧暦8月15日)、釋迦誕辰日(旧暦4月8日)がある。 韓国と中国では誕生日を旧暦で表す習慣がある。ただし新暦を使う人も混在していて、単に日付を聞いただけではどちらかわからないことがある。 モンゴルでは本来の意味での旧暦は時憲暦だが、現在はほとんど使われない。[要出典]その代わりインドに起源を持つ時輪暦を修正した暦が改暦以前から民間や宗教行事で広く使われており、他国の旧暦に似た位置づけにある。時輪暦は過去に公の暦だったことはないが、旧暦として紹介されることがある。 ベトナムの旧暦は中国暦とほぼ同じである。ただしベトナム標準時(UTC+7)を使うため、日付は異なることがある。旧暦の扱いは中国などに似ていて、旧正月(テト)はやはり盛大に祝われる。国外ではベトナム暦とも呼ばれる。 西洋では、旧暦 (old calendar / old style) とはグレゴリオ暦に改暦する前のユリウス暦のことである。なお新大陸のいくつかの国ではユリウス暦が使われたことはないが、同様である。グレゴリオ暦への改暦は1582年(フランス、イタリア諸国(例外あり)、スペインおよびその支配下にあったポルトガル・ポーランド)から1924年(ギリシャ)にかけて各国ばらばらに行われた。 英語では日付の脇に Old Style または O.S. と書いた場合、ユリウス暦での日付を示す。 ドイツでは改暦の時期が領邦によりまちまちだったため、スラッシュ(/)で新旧の日付を併記したり日付に都市名を添えたりする習慣が続いた。 なお、古代ローマにおいてはユリウス暦以前の太陰(太陽)暦であるローマ暦が存在した。
中国など
ベトナム
西洋詳細は「en:Old Style and New Style dates」および「新暦と旧暦の日付
脚注[脚注の使い方]
出典^ 岡田義朗『暦に見る日本人の知恵』(NHK出版 生活人新書)
^ a b c d e “旧暦併記をめぐる議論
^ a b c 平山昇『鉄道が変えた社寺参詣』(交通新聞社、2012年)pp.188-189
^ “月齢が生まれるまで
表
話
編
歴
暦
広範使用・暦法
天文学的紀年法
中国暦
グレゴリオ暦
ヒジュラ暦
ISO 8601
仏滅紀元
暦の種類: 太陰太陽暦
太陽暦
太陰暦
地域使用
アカン暦(英語版)
アッシリア暦(英語版)