[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

暦日(れきじつ、calendar day)は、常用時にしたがった、正子 から正子までの時間間隔である[9]。暦日をしばしば単に「日」と呼ぶ[10]

また、1か月の中での暦日の順序を「数字 + 日」で表す(例: 6月18日)。読みは時間の単位としての場合と変わらないが、「1日」のみ(「いちにち」とは読まず)「ついたち」と読む。これは元来「月立ち」(月初め)の意味で、「1日」とは無関係な語源の熟字訓である。ただし古くは「ひとひ」とも読んだ。
暦日の長さ(LOD:Length of Day)

暦日の長さ(ここでは、SIが定義する86400ではなく、実際の日の長さ、すなわち平均太陽日)は常識的には「正確に24時間 = 正確に86400秒」と認識されることが多いが、実際の暦日の長さはこれとは微妙に異なる。1962年から2021年までのLODの変動(緑線が一日の長さから86 400秒を差し引いたものの365日移動平均)

20世紀前半には、歴史的な天文記録の精査や水晶時計の発明により、平均太陽日が徐々に長くなっていることが発見された。その原因は、潮汐摩擦による地球の自転速度の低下である。

このため、秒の定義を地球の自転よりも変動が少ない公転に求めることとし、1956年国際度量衡委員会(International Committee for Weights and Measures, CIPM)で、平均太陽時とも地球の自転とも無関係な、地球の公転に基づく新たなの定義が定められた。すなわち1900年1月0日の12時(日本時間で1899年12月31日21時)から1太陽年の時間間隔の 1/31556925.9747 が1秒と改められ、1960年の国際度量衡総会で決議された[11]。それまでは1秒が1/86400日と定義されていたのだが、これ以降は(単位としての)1日が86400秒と定義されることとなった(ただし、実際の「日の長さ」(LOD)は、前述のとおり、86400秒ではない)。

暦日の長さ(LOD:Length of Day[12])は、日々によって異なるが、2011年-2012年には年平均で、約86400.001秒から約86400.002秒程度である[注 3]。すなわち、86400秒と比べて、1 ms - 2 ms程度長い[13][14]。この1 ms - 2 ms程度の差の存在が閏秒を挿入する理由である。詳細は閏秒地球の自転を参照。

閏秒の挿入または削除。閏秒が挿入された日の暦日は「24時間0分1秒 = 86401秒」となる。

上記の、変動する「暦日の長さ(LOD)」に対して、時間の単位としての「日(d)」は常に正確に「86400 = 24時間」である。
自転周期との関係

地球の公転により地球と太陽の位置関係が変わるため、1日の長さ(LOD)と地球の自転周期は異なる。しかし自転周期は、「太陽の代わりに恒星を基準にした1日」と解釈することもでき、そう考えた場合には恒星日と呼ぶ。

現在の地球の自転周期は約23時間56分4.01秒である。自転周期と1日との差は10分弱だが、それと1日とのは、地球の自転周期と公転周期の比に等しい。
日と暦との関係

天文学的に規定された時間の単位のうち、太陽の動きを基準とした「日」は、目で見てわかる最小のものである。月の動きを基準としたや、季節の流れを基準としたも、では日の整数倍の長さとされる。また、日を分割して時間といった単位も作られた。

(単位としての)1日(d) = 24時間 = 1440分 = 正確に 86400秒

において、1日は0時から24時までである。

1間は7日である。

1か月は28日 - 31日である。

1は365日(ただし閏年は366日)であり、広く使われているグレゴリオ暦では、平均すると正確に365.2425日である。

一般の天体の1日

地球以外の天体や、地球でもはるかな過去(あるいははるかな未来)については、通常、その天体の平均太陽日(あるいは太陽日)をその天体の1日とする。言い換えれば、太陽の(平均)南中周期に等しい。

自転周期 t と公転周期 T からは、 T t 。 T − t 。 {\displaystyle {\frac {Tt}{|T-t|}}}

で計算できる。ただし、衛星の場合は、衛星の自転周期と、母惑星の公転周期を使う。太陽の方向は、衛星の公転ではなく惑星の公転により変化するからである。
日の称の由来

東南海の外の羲和が十日を生んだことに因んで炎帝の時より暦法官を日官と称し、その十日族の子孫を日と称す。

山海経』‐大荒西経「東南海之外,甘水之間,有羲和之國,有女子曰羲和,羲和者帝沐V妻,生十日」

山海経』‐海外東経「湯谷上有扶桑,十日所浴」

春秋左氏伝』‐桓公「天子有日官,諸侯有日御」

荘子』‐「昔者十日並出,萬物皆照」

淮南子』‐「武王伐紂,當戰之時,十日亂於上」

史記』‐五帝本紀「堯乃命羲、和,敬順昊天,數法日月星辰,敬授民時,分命羲仲居嵎夷曰:暘谷,敬道日出,便程東作,日中星鳥,以殷中春,其民析,鳥獸字微。申命羲叔居南交,便程南為,敬致,日永星火,以正中夏,其民因,鳥獸希革。申命和仲居西土曰:昧谷,敬道日入,便程西成,夜中星虚,以正中秋,其民夷易,鳥獸毛?。申命和叔居北方曰:幽都,便在伏物,日短星昴,以正中冬,其民燠,鳥獸?毛。歳三百六十六日,以閏月正四時,信飭百官,衆功皆興」

符号位置

Unicodeには全角幅の「1日」-「31日」が以下のコードポイントに定められている。

記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称
㏠U+33E0-㏠
㏠1日
㏡U+33E1-㏡
㏡2日
㏢U+33E2-㏢
㏢3日
㏣U+33E3-㏣
㏣4日
㏤U+33E4-㏤
㏤5日
㏥U+33E5-㏥
㏥6日
㏦U+33E6-㏦
㏦7日
㏧U+33E7-㏧
㏧8日
㏨U+33E8-㏨
㏨9日
㏩U+33E9-㏩
㏩10日
㏪U+33EA-㏪
㏪11日
㏫U+33EB-㏫
㏫12日
㏬U+33EC-㏬
㏬13日
㏭U+33ED-㏭
㏭14日
㏮U+33EE-㏮
㏮15日
㏯U+33EF-㏯
㏯16日
㏰U+33F0-㏰
㏰17日
㏱U+33F1-㏱
㏱18日
㏲U+33F2-㏲
㏲19日
㏳U+33F3-㏳
㏳20日
㏴U+33F4-㏴
㏴21日
㏵U+33F5-㏵
㏵22日
㏶U+33F6-㏶
㏶23日
㏷U+33F7-㏷
㏷24日
㏸U+33F8-㏸
㏸25日
㏹U+33F9-㏹
㏹26日
㏺U+33FA-㏺
㏺27日
㏻U+33FB-㏻
㏻28日
㏼U+33FC-㏼
㏼29日
㏽U+33FD-㏽
㏽30日
㏾U+33FE-㏾
㏾31日

脚注[脚注の使い方]
注釈^ それが後に、「天球上の太陽の動きの周期」と理解されるようになり、さらに17世紀ころから徐々にヨーロッパなどで太陽中心説が流布してから「地球の自転の1周期」と考えられるようになった、という経緯がある。
^ ただし、太陽には大きさがあり中心の位置を正確に測定するのは難しいので、実際は恒星の観測から計算された。この正午から正午までの一日は一定と考えられ、太陽日と呼ばれた。
^ 1962年1月1日以降の毎日のLODは、 ⇒[1] で知ることができる。この表のLOD(単位は秒)が86400秒と実際の暦日との差である。プラスの場合は86400秒より長いことを、マイナスの場合は86400秒より短いことを示している

出典^ 広辞苑第六版【日】
^ ブリタニカ百科事典
^ a b 1日の始まり 暦Wiki、国立天文台
^ “深夜番組の予告表示の統一”. 日本放送協会 (2008年12月). 2021年11月11日閲覧。
^ “77 random fun facts that will blow your mind” (英語). www.sciencefocus.com. 2024年2月23日閲覧。
^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版 産業技術総合研究所、計量標準総合センター、2020年4月、p. 114(表8 SI単位と併用できる非SI単位)。
^ 計量法 別表第一(第三条関係) - 物象の状態の量の「時間」の欄に「日」は掲げられていない。
^ “取引又は証明/計量単位に関するよくある質問と回答”. 計量行政. 経済産業省. p. 2.B / Q5 A5. 2021年3月16日閲覧。 “Q:計量法における時間の計量単位は、s(秒)、min(分)、h(時)の3種しかない。時間の計量単位としてd(日)を取引又は証明に使用できるか。また流量の計量単位に単位時間をd(日)としたm3/d(立方メートル/日)は取引又は証明に使用できるか。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:71 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef