日琉語族
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与那国語




五十嵐による系統分岐

五十嵐陽介は共通改新に基づく系統分類を行い、琉球諸語は南部九州の言語と同系統、八丈語は糸魚川・浜名湖線以東の言語と同系統であり、「本土日本語派」ないし「日本語派」という分類群は成立しない、とした[13]。ペラールはこの「南日本語派」仮説について「その可能性は十分あり, 厳密な検討が必要である」と評した上で、根拠が十分でなく、そのいくつかは琉球祖語が九州において基層言語であったとすれば説明できるとした[14]。「琉球祖語#九州=琉球祖語」も参照
五十嵐 (2021) による系統分岐
日琉語族

拡大東日本語派

愛知県、岐阜県の言語

中核東日本語群(糸魚川・浜名湖線以東)

新潟県上中越、長野県、山梨県、静岡県、関東地方西部、伊豆諸島の言語

拡大東北語群

茨城県、栃木県の言語

中核東北語群(新潟県下越、東北地方)




その他(中国・四国・近畿・北陸)

南日本語派

北部九州語(福岡県筑前・豊前、大分県)

東西南部九州・琉球語群

東部九州語(宮崎県大部分)

西南部九州・琉球語群

西部九州語(福岡県筑後、長崎県、佐賀県、熊本県)

南部九州・琉球語群

南部九州語

琉球語群

北琉球語群

南琉球語群






Boerによる系統分岐

de Boerによる系統分類はアクセントを重視したものだが、アクセントは基本的に規則的な変化を示すもので、系統関係を推定する根拠としては適さないとする指摘がある[15]
Boer (2020) による系統分岐[16]
日琉語族

上代東国語

伊豆諸島

八丈、伊豆諸島南部

伊豆諸島北部


関東・越後

関東

関東

房総半島


越後


長野・山梨・静岡

長野・山梨・静岡東部

静岡西部



上代中央語

石川・富山

石川

富山


岐阜・愛知

近畿・十津川

十津川

近畿


四国

南部・東部

東部

南部


西部


中国



出雲・東北

保守的な東北・出雲

下北、岩手東部

出雲周辺部


革新的な東北・出雲

東北

東北北部

東北南部


出雲中央部



九州・琉球

九州北東部

九州南東部

九州西部南部・琉球

九州西部

九州南部・琉球

九州南部

琉球祖語




歴史
祖語詳細は「日琉祖語」を参照

日琉祖語の母音体系には*i, *u, *e, *?, *o, *aを再建する6母音説が有力である[17][18]上代特殊仮名遣におけるo2(オ段乙類)は*?に遡る。上代日本語琉球祖語上代東国方言などとの比較から、日琉祖語の*eと*oのうちの一部は、上代日本語(中央語)でそれぞれi1とuへ合流したとみられる[19][18][17]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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