日本
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それらに対し、独自の核保有もしくはアメリカとのニュークリア・シェアリングを検討すべきという民間レベルの議論もあるものの、政府は核保有及び共有を否定している[725]
シーレーン防衛
日本は、第二次大戦中に連合軍の通商破壊戦によってシーレーンを遮断され、物資が極度に窮乏する状況に追い込まれた。さらに1980年代より日本の海洋国家論の高まりと同時に、軍事のみならず、経済・食糧・エネルギー・環境などの総合安全保障の概念が認識されるようになった。漁業の安全や世界中との貿易での立国を維持する上でシーレーンの防衛(海戦通商破壊などの危険回避)が重要であるものの、グローバルに広がるシーレーンの全ての防衛を独力で完遂することは、現実的にも困難であり、憲法第9条の制約もある。よって、同じく海洋国家として「海洋の自由」を標榜し、グローバルに軍事展開するアメリカと協力することで、コストを抑制しての有効な海洋の安全を図っている。一方で、マラッカ海峡などの海賊やテロも、東アジア全域のみならず、グローバルな共通の危機となり、非対称戦争に対応した国際的な警察力の強化、紛争予防も重要な課題となっている。
中華人民共和国
2001年から一貫して国防費の成長という急速な軍拡を続け[726]、軍事力の近代化を進めている。その実態や将来像、意思決定の過程が不透明であることが脅威である[727]上に、文民統制が不十分で軍部の暴発すら心配される[728]。日本とは海を挟んで接しているが、中国は外洋艦隊の建設によって海洋権益を拡張する姿勢を強めており、周辺国と係争紛争を行っている。中でも台湾の併合(台湾回収)は国是[729]となっており、独立の動きがあれば武力侵攻することを示唆している。しかも中国の主張によれば台湾には沖縄県尖閣諸島が含まれており、中国の領有を主張している。さらには、中国の論壇にみられる沖縄県の独立もしくは併合(琉球回収)の主張に対して、一部の軍人が同調する発言すらみられる。今後は南西諸島ないしは太平洋北西部(フィリピン海)に中国人民解放軍海軍が強い影響力を及ぼすことが懸念される。このような情勢の下で日本は、中国との対話を続ける一方で、中国の軍事力に対抗する抑止力を整備し、日米安全保障態勢の維持・強化を図る。
Jアラート(防衛面)詳細は「全国瞬時警報システム」を参照「#Jアラート(防災面)」も参照

Jアラートは防災面と防衛面があり、防衛面として国民保護のために武力攻撃事態などが発生した時に緊急情報を瞬時に伝達する。
自衛隊特殊部隊詳細は「特殊作戦群」および「特別警備隊 (海上自衛隊)」を参照

自衛隊の特殊部隊としては陸上自衛隊の特殊作戦群(SOG)や海上自衛隊の特別警備隊(SBU)がある。特別警備隊は自衛隊初の特殊部隊として2001年に創設された。

特殊作戦群

環太平洋合同演習に参加する特別警備隊(SBU)[注釈 64]

宇宙作戦群詳細は「宇宙作戦群」を参照

防衛を目的とした宇宙状況監視の任務を行うため、2022年に航空自衛隊の部隊として創設された。
諜報・情報機関詳細は「内閣情報調査室」、「公安警察」、「国際情報統括官組織」、「国際テロ情報収集ユニット」、「情報本部」、および「公安調査庁」を参照情報本部(自衛隊)の通信施設

日本の情報機関としては、内閣官房内閣情報調査室、警察庁警備局、外務省国際情報統括官組織、防衛省情報本部、法務省公安調査庁などが設立されている。各機関によって得られた機密情報やデータは内閣情報会議合同情報会議の開催時に秘密裏に共有される[730]

佐藤優の分析によると、日本の諜報能力は予想を上回る能力を持っており、実際に他国の中枢に食い込んだ日本の外交官が何人もいるだけでなく、警察庁のカウンターインテリジェンス能力は世界最高水準であり、サイバー・インテリジェンスにおいても自衛隊は高い能力を持っているという[730][731]。また、有事の際には国家安全保障会議設置法に基づき、国家安全保障に関する重要事項および重大緊急事態への対処を審議する目的で国家安全保障会議(NSC)が開催される。
経済・産業詳細は「日本の経済」および「Category:日本の産業」を参照

2020年(令和2年)暦年名目GDP
10億ドル
アメリカ  20,893
中国  14,723
日本  5,040
ドイツ  3,846
イギリス  2,746
[732]
日本銀行は、日本の中央銀行である(東京都中央区 日本銀行本店)東京証券取引所は、日本の証券取引所の中枢的存在である(東京都中央区)
制度・規模・位置

日本は、修正資本主義市場経済を採用する工業国であり、2023年時点で、国内総生産(GDP)がUSドル時価換算為替レートで世界第4位(購買力平価(PPP) で世界第4位)に位置する経済大国である。一人当たりGDPは2018年時点で、USドル時価換算で世界第26位、購買力平価(PPP)で世界第31位である。「国の国内総生産順リスト (一人当り為替レート)」および「国の国内総生産順リスト (一人当り購買力平価)」も参照

通貨である円(\, yen, JPY)は、高い信認を有する国際通貨の一つである。日本人は、その信認の高さから現金決済や貯蓄を好む傾向がある。1964年に経済協力開発機構(OECD)に加盟し、サミット(主要国首脳会議・当時のG5・後にG7)にも1975年の第1回から参加している。
経済史

明治以来、西欧型の民法典を導入し、財産権を基礎とした資本主義を経済の基本とする。第二次世界大戦時の戦時体制を経験した後、物価統制令傾斜生産方式外貨準備に伴う割当制など、通産省大蔵省が主導する護送船団方式により、製造業を軸に高度経済成長を果たした。1968年、国民総生産(GNP)ベースでアメリカ合衆国に次いで世界第2位の規模の資本主義国となった。他の資本主義諸国と比較して失業率も低く、「最も成功した社会主義国家」と言われた時代もあった。1974年のオイルショックを機に安定成長期に入り、自動車、電化製品、コンピュータなどの軽薄短小産業(ハイテク産業)が急成長する産業構造の転換が進んだ。円高が進む中、比較劣位の産業のいくつかは、競争力を喪失して衰退し、自動車産業など、比較優位競争力の高い輸出産業は、円高の波を乗り切り、基幹産業として世界でも最高水準の競争力を持つに至った。しかし、製造業では生産拠点が海外に流出する空洞化が進行している。1990年代前半にバブル景気が崩壊したことによる不況で、「失われた20年」と呼ばれる長期不況に苦しんだ。日本の経済成長率は、高度成長期はもちろん、安定成長期にも欧米を上回っていたが、1990年代以降は欧米や他の東アジア諸国を下回っている(1991年から2018年までの日本の平均経済成長率は1.0%)。


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