日本は島国で他国との文化的差異が大きい上に内向き志向が強く、国内市場も比較的大きいため、日本の産業界は国内での売上を基本とする傾向にあり、様々な産業でガラパゴス化が起きている。具体的には、他国の発明を日本に輸入して国内市場に特化した改良を行う事が多く、日本市場でしか通用しない(つまりは世界シェアを獲得できない)製品が多数作られている[52]。世界に先駆けて高機能化が進んでいたが、世界標準の技術で作られたスマートフォンに日本国内のシェアまで奪われたガラケーは、ガラパゴス化した製品の最も典型的な例として否定的な意味で議論の俎上に上がる事が多い[53]。しかし、後述する文化のように、ガラパゴス化が良い意味での固有性をもたらす事もある。
文化面詳細は「#文化」、「#観光」、「日本の観光地一覧」、「日本の美学」、「日本の伝統芸能」、および「日本の教育」を参照
文化面では漢字文化圏に含まれ、日本庭園、日本建築、和食、着物や宗教(神道・日本仏教)、武道・武術(特に古武道)などの伝統文化を保持し、複数の世界遺産を保有している。また漫画、特撮、アニメ、ゲーム、アイドル、シティ・ポップを始めとするポップカルチャーの中心地である。他にも、日本の成人はOECDの調査で読解力・数的思考力においてフィンランドやスウェーデンなどと並んで世界のトップレベルにあるため総じて理性的であり、お互いに順番を守り時には譲り合いをしてストライキや暴動といった過激な行動も滅多に起こさないという規律の正しさや、銃刀法により火器や規定以上の刃物の無許可での所持が禁止され、銃犯罪はおろか、女性が夜道を1人で歩いていても犯罪被害に遭うことすら殆ど無いという理想に近い治安の高さも実現している[54][55][注釈 10]。これらの文化は、欧米圏の文化と比べ特異な文化として海外から注目されている[注釈 11]。食文化は最も特筆するべき点で、性愛を最も快いとする他国民と異なり日本人は「美味しいものを食べる」ことが最も快いと感じており[56]、食について一切妥協しない国民性によって磨き上げられた美食については圧倒的世界一の強さを誇っている。まず、2023年時点で東京は2008年のミシュランガイド[注釈 12]初掲載以来16年連続で世界1位に輝いており、レストランの価格帯を問わない全般的な品質水準の高さと多数の国の料理が楽しめる多様性で他国の都市を圧倒する世界一の美食都市として世界的に知られている[57][58][59][60]。