日本
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日本は明治以来、憲法における領土規定がなく、これは比較法学の観点では特殊なものであった[注釈 41]。島嶼部についての領有宣言、あるいは周辺諸国との条約がおもに領土領陸の法規範であり、第二次大戦後は日本国との平和条約(通称:サンフランシスコ平和条約)が主要な法規範を形成している。
地勢日本最高峰「富士山」(標高3,776メートル)日本最長の川である信濃川

日本の領土は、14,125のからなる[173]

アジア・東アジアの中でも東方にあり、ユーラシアの東端近くにあたるため、東洋極東などと呼ばれる地域に含まれる。領土の大部分が、島弧をなす日本列島である。これは本州・北海道・九州・四国などからなる。このほか、南に延びる伊豆・小笠原諸島、南西に延びる南西諸島(沖縄本島など)も有する。日本はまた北東に位置する北方四島の領有権をも主張している。

領土面積は約37.8万平方キロメートル(日本政府が領有権を主張する領域)で世界第60位である。国土の約70%が山岳地域であり、森林率は約67%である。

埋立地は古くから造成されてきたが、その多くは港湾を形成整備することが目的であった。これによる埋立地ポートアイランド六甲アイランド神戸空港などである。最近では関西国際空港、横浜八景島や和歌山マリーナシティなどがあり、総面積は国土の約0.5%に相当する。また、諫早湾干拓事業八郎潟のような大規模事業のような例もある。

離島が多数存在し、その中には様々な理由で(多くは私有地や重要な施設があるため)立入禁止の島もある。琉球諸島伊豆諸島は離島の内でも交通の便が良く、南方の島々は亜熱帯気候あるいは熱帯雨林気候となっているため「日本のハワイ」などと称され、日本人観光客に人気である。
最東端
東京都小笠原村 南鳥島 (北緯24度16分59秒・東経153度59分11秒)
最西端
沖縄県八重山郡与那国町 トゥイシ[174][175](北緯24度27分05秒・東経122度55分57秒[175])日本最西端は長らく与那国島西崎(いりざき)とされてきたが、2019年に基本図とされる国土地理院の2万5千分の1地形図が改訂され、与那国島北北西260mに位置するトゥイシが日本最西端の地点となった[174][175]
最南端
東京都小笠原村 沖ノ鳥島 (北緯20度25分31秒・東経136度04分11秒)
最北端
北海道稚内市 弁天島 (北緯45度31分35秒、東経141度55分09秒)(日本政府の実効支配下にある領域の最北端)北海道蘂取郡蘂取村 択捉島カモイワッカ岬 (北緯45度33分28秒・東経148度45分14秒)(日本政府が領有権を主張する領域の最北端)

周囲を太平洋日本海東シナ海フィリピン海オホーツク海などの海洋に囲まれる。本州と四国との間の海は瀬戸内海と呼ばれる。陸上の国境線が無く、ロシア北朝鮮、台湾、韓国、中国、フィリピン、アメリカと排他的経済水域が接している。また、南方にパラオ共和国、小笠原諸島の延長線上にミクロネシア連邦があり、太平洋を挟んでアメリカ大陸がある。沖合を暖流日本海流(黒潮)、対馬海流寒流千島海流(親潮)、リマン海流が流れる。

領土問題のある地域が数箇所存在する。

北方地域

竹島

尖閣諸島

自然地理的区分は、地質構造を基準に、本州中部を南北に縦断する糸魚川静岡構造線を境に、南西日本と東北日本とに大別される。付近では、ユーラシアプレートフィリピン海プレート太平洋プレート北アメリカプレートがせめぎ合い、環太平洋造山帯環太平洋火山帯環太平洋地震帯と呼ばれる帯の一環をなしている。そのため、世界全体で放出される地震エネルギーのうち1割から2割が日本の周辺に集中すると言われているほど地震が頻発し、震度1や2クラス程度の地震なら、どこかで毎日のように起きている。また、火山活動が活発なことから火山性土壌が多く、これが日本列島の自然を豊かにした面もある。温泉が多いことも火山の恵みと言える。一方で日本史では大きな噴火活動が何度も記録され、さらに近年の地質学研究によって先史時代に何度かの破局噴火が起きていたことが分かっている。

山岳は、最高峰は富士山(標高3776メートル)の他、南アルプス北アルプスなど、2500メートル超えの山が本州中央に集中している。他、大雪山磐梯山阿蘇山などが有名である。富士山はその優美な風貌から数多くの芸術作品の題材とされることで芸術面でも大きな影響を与え、日本の象徴として広く世界に知られている。

河川は、利根川最上川などが代表的であるが、大陸河川と違い、源流から河口までの距離が大変に短いこと、海抜高低差が急なこともあり、比較的流れが速い。集中豪雨が発生すると堤防が決壊し、人家・田畑に甚大な被害を及ぼすという短所もあるが、比較的新鮮な水が取水しやすいのも特色である。

周囲を海に囲まれた島国であることから、海上交易・漁業ともに盛んな海洋国家である。内海を含む領海を入れた領域の面積は約43万平方キロメートルである[176]

日本政府が主張する日本の排他的経済水域EEZ)は領土面積の約12倍である約405万平方キロメートル、領海とEEZを合計すると約447万平方キロメートルであり世界では第6位となる[177]。ただし日本が領有権を主張しているが韓国に不法占拠されている竹島と日本が実効支配しているが近年になって中国が領有権を主張している尖閣諸島周辺海域についてはそれぞれの国家間で重要な外交問題となっている。また、九州西方と東シナ海の領域については中国と韓国が自国の領海から延伸する大陸棚に関して国際法を無視して権利を主張している。

EEZとは別に国連海洋法条約において排他的な海底資源権益が与えられる法的な大陸棚については、2012年4月に国連大陸棚限界委員会が「四国海盆海域」、「小笠原海台海域」、「南硫黄島海域」、「沖大東海嶺南方海域」の4海域を日本の大陸棚と認定した[178]。「領空」および「防空識別圏#日本国の防空識別圏」も参照
国土の変遷

古代古代日本国家の北限、阿武隈川

弥生時代後期、西日本の各地に広域の地域勢力が勃興した[179]。2世紀末には畿内を中心として、西日本広域を支配する邪馬台国連合が創設された。邪馬台国連合は3世紀には東海・北陸のほか東日本も支配下に置き倭国が成立した[180]古墳時代前期前半には、現在の九州の宮崎県から東北宮城県の範囲まで国土が拡大されたことが、古墳造営の消長から明らかになっている[181][注釈 42]。荒井秀規は、3世紀末から4世紀に倭王権による東国への最初の接触があった後、4世紀末から5世紀にかけて倭王権による東国への征服戦争が行われたと想定している [182]。ただし倭国は東北など各支配領域を確保・維持しようとする考えを持っておらず[183]、6世紀には、経済基盤が脆弱な阿武隈川以北を倭国の支配地から切り離し[184]古墳時代後期には太平洋側では現在の宮城県南部、日本海側では現在の新潟県中部までが倭国の支配領域となった[185]


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